- 特集 “AさせたいならBと言え!?”子供を動かす「発問・指示」
- [巻頭論文]「AさせたいならBと言え」が示す「発問・指示」の本質とは
- 思考を発生・深化させる授業エンジン
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- 国語科の「発問・指示」の磨き方
- 子供を“ゆさぶる”「発問」はこう磨け!
- “ゆさぶる”前後を意識し,時には即興で
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- 「子どもの論理」を生かした「発問」はこう磨け!
- 子どもが言葉への「問い」を発する〜真の学力形成としての「発問」〜
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- 「見方・考え方」を働かせる「発問・指示」はこう磨け!
- 「見方・考え方」を洗い出し,子どもの声に学ぶ
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- 自立した子供を育てる「指示」はこう磨け!
- 間接的に,本質をつく指示を
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- 子供を引きつける「発問・指示」はこう磨け!
- 発問を磨く3+1のポイント
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- 教材別でわかる!“AさせたいならBと言え”「発問・指示」モデル
- 小学校低学年・文学
- サラダでげんき(東京書籍・1年)
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- 小学校低学年・説明文
- 馬のおもちゃの作り方(光村図書・2年)
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- 小学校中学年・文学
- ちいちゃんのかげおくり(光村図書・3年)
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- 小学校中学年・説明文
- 言葉で遊ぼう/こまを楽しむ(光村図書・3年)
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- 小学校高学年・文学
- 大造じいさんとガン(光村図書ほか・5年)
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- 小学校高学年・説明文
- 固有種が教えてくれること(光村図書・5年)
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- 中学校・文学
- 卒業ホームラン(東京書籍・2年)
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- 中学校・説明文
- 「不便」の価値を見つめ直す 他(光村図書・1年)
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- 中学校・古典
- 夏草―「おくのほそ道」から(光村図書・3年)
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- 若手教師が知っておきたい!「発問・指示」のカンドコロ
- 若手教師が気をつけるべき「発問・指示」のカンドコロとは
- 子どものために,そして子どもから
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- 小学校2年/お手紙(光村図書)
- 発問・指示を吟味する
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- 小学校3年/モチモチの木(光村図書)
- 話し合おう「もっと知りたいモチモチの木」
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- 小学校4年/ごんぎつね(光村図書ほか)
- 思考を広げ,深め,表現する授業
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- 中学校2年/走れメロス
- 作品への効果を考えたくなる発問
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- 「発問・指示」を磨け! おススメBOOKリスト
- 国語科の「探究的な学び」を探究する (第2回)
- 多目的探究で育むクリティカル・シンカー
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- 教材別・今月の1人1台端末授業ガイド/小学校 (第2回)
- 1人1台タブレット環境での思考ツールの活用
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- 1年/じゅんじょをかんがえて よもう
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- 〜領域:読むこと/教材名:「くちばし」(光村図書)〜
- 2年/おうちでのキラリ(がんばり)を友だちにつたえよう
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- 〜領域:書くこと/教材名:「こんなことをしているよ」(東京書籍)〜
- 3年/段落とその中心をとらえて読み,かんそうをつたえ合おう
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- 〜領域:読むこと/教材名:「こまを楽しむ」(光村図書)〜
- 4年/聞いて,メモして,伝えるよ
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- 〜領域:話すこと・聞くこと/教材名:「聞き取りメモのくふう」(光村図書)〜
- 5年/6年生にインタビューして委員会のプロになろう
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- 〜領域:話すこと・聞くこと/教材名:「知りたいことを聞き出そう」(東京書籍)〜
- 6年/筆者の主張や意図をとらえ,自分の考えを発表しよう〜自分を変える『行動読書(アクションリーディング)』〜
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- 〜領域:読むこと/教材名:「笑うから楽しい」「時計の時間と心の時間」(光村図書)〜
- 教材別・今月の1人1台端末授業ガイド/中学校 (第2回)
- 読むこと(文学的文章)の授業づくり
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- 1年/場面ごとに「フリードリヒ」の心情をまとめて,変化を捉えよう
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- 〜領域:読むこと/「教材名:「ベンチ」(教育出版)〜
- 2年/人物描写を比較・分類して,表現の効果を考えよう
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- 〜領域:読むこと/教材名:「字のない葉書」(教育出版)〜
- 3年/登場人物の行動の意味を考えて,「わたし」の立場から「ルロイ修道士」へのお別れの手紙を書こう
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- 〜領域:読むこと/教材名:「握手」(光村図書)〜
- [誌上インタビュー]教材の窓×ことばの扉 (第2回)
- 私のタンポポ研究(東京書籍・中学1年)
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- 「裂古破今」の国語科教育 本質私論 (第2回)
- 基礎学力論の再吟味(上)
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- これならできる!「授業DX」アイデア (第2回)
- 教育メディアの特徴から1人1台の情報端末の活用を考える
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- 国語教育の実践情報 (第74回)
- 小学校/第25回教育セミナー国語分科会研究実践のご紹介
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- 中学校/各教科等教育課程研究協議会から
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- 〜〔知識及び技能]を育成する授業づくりA〜
- わが県の国語ソムリエ (第120回)
- 岩手県
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- 編集後記
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- 今月号 掲載教材一覧
編集後記
授業における最もシンプルかつスタンダードなしかけである「発問・指示」。シンプルであるからこそ,平板な「発問・指示」では子供は乗ってきません。“考えてみたい”“やってみたい”と思わせる,もっと言えば,思わせるよりも早く体と頭が動いてしまうような「発問・指示」こそが,“しかけ”と呼ぶにふさわしい「発問・指示」だと思います。
「鉛筆の先から煙の出るスピードで書きなさい」――授業名人・有田和正先生による,あまりにも有名な言葉です。このような「発問・指示」を,岩下修先生は「AさせたいならBと言え」という原則として示されました。(『AさせたいならBと言え―心を動かす言葉の原則』明治図書)
思えば,授業が上手い先生も,よい学級づくりに定評がある先生も,「A」させたいための「B」の言葉をたくさん駆使されているという事実に気づきます。子供が動かずにはいられない・知らず知らずのうちに教師の意図したねらいを達成している――よい発問・指示には,そんな作用が含まれていると感じます。
また,教室には,様々な困難さを抱える子も多くいるでしょう。少し発達の緩やかな我が子(三歳)は,直接的な指示はなかなか伝わりません。「ズボンをあげて(履いて)」は「ギューして」(両手でズボンのウエスト部分をつかんだ状態で腕を体の前に持ってくる),「口を開けて」は「『あ』のお口して」です。「A」させるための「B」の言葉を考える過程では,教室にいる一人一人の顔を思い浮かべながら,『あの子にこれで伝わるだろうか』『もっといいBの言葉はないだろうか』という,子供理解の深化も期待できるように思います。
前述した,『AさせたいならBと言え―心を動かす言葉の原則』のあとがきには,次のように書かれています。
発問は,子どもを知的に動かすためのものである。
指示も,子どもを知的に動かすものでなければならない。
今号では,子供が思わず動き出してしまう知的なしかけとしての「発問・指示」を,掘り下げたいと考えました。
また,ご寄稿いただいた先生方に,「発問・指示」を学びたいならこの本!というおススメの書籍をご紹介いただき,BOOKリストとして掲載いたしました。紙幅の都合上,推薦書のすべてをお載せできないのが残念ですが,幅広いジャンルの選書から,先生方の授業づくりへの熱い思いが伝わってくるかのようです。
/林 知里
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- 明治図書
- 基本に立ち返って、自分の授業中の言葉のひとつひとつを見直そうと思えました。国語科として自分の使う言葉、指示の明確さは子供たちの模範となるよう頑張ろうと思えました。2023/4/230代・中学校教員
- 大変参考になりました。すぐに実践したいし、他の先生方にも教えて広めていきたいと思いました。2023/1/3120代・小学校教員
- AさせたいならBといえの国語視点はとてもありがたかった。これからの実践で参考にしたい2022/9/11しゅ