- 特集 読解表現力を鍛える討論の授業
- 提言・読解表現力を鍛える討論の役割
- 話す聞くコミュニケーションから読解表現力へ
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- 主張を批判せず、理由を尋ねよう
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- 「書く」活動を大切にした討論の授業
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- 相手を説得するとき読解表現力が鍛えられる
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- 読解表現力を支える「言語力」の育成を目指す
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- 読解表現力を鍛える教材研究・ここに重点を置く
- 「もし……」という思考方略―教材を料理する鋭利な刃物―
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- 「向山型国語」の教材研究水準
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- 「言語活動」を適正にする「学習用語」を研究しよう
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- 読解表現力を鍛える分析批評の授業
- 川柳で「話者」を教える
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- 討論の授業で鍛えられる「力」は何か
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- 分析批評の「規模」を用いる分析方法で、問いに答える
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- 読解表現力を鍛える討論の授業―小学校下学年
- 全員に意見をもたせる指導ステップ
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- 意見を言うことは「楽しいな」と思う場面をいっぱいつくる
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- 一年生四月からできる全員参加の「討論」の授業
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- 討論を成立させるまでの指導が全て
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- 読解表現力を鍛える討論の授業―小学校上学年
- 教師自身がさまざまなところで討論につながる仕掛けを行う
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- 討論を成立させる条件―四月からの教師の意図的な取り組みにかかっている
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- 文学教材の授業に「討論」を仕組む
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- 討論は読解表現力を鍛える最良の「手段」である
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- 読解表現力を鍛える討論の授業―中学校
- 討論を成立させる発問で鍛える
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- 文章全体を踏まえた課題設定を行う
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- 生徒の問題意識を中核にすえた学習の組織化
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- 表現につながる話し合いを仕組む
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- 教科内容を教える手段としての討論
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- 「伝え合う力」を育てる教室づくり (第77回)
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- 「読書に親しむ」授業づくり (第77回)
- 本に出会う機会を増やす
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- 書評
- 『伝統文化に親しむ学校と地域の連携教育』(瀬川榮志監修)
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- 『読書活用能力の育成』(野口芳宏編・解説)
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- 国語教育人物誌 (第220回)
- 徳島県
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- 香川県
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- 愛媛県
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- 高知県
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- 国語教育時評
- 財団法人「文字・活字文化推進機構」(文部科学省所管)の動向
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- 現場訪問 「学力向上の国語教育」最前線 (第137回)
- 詩の暗唱大会で活用型国語力と人間関係力を 「習得・活用・探究力」獲得
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- 学習指導過程の発想の転換 (第5回)
- 実践3 手紙で伝え合おう―二葉小・久松小のいいとこ紹介―
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- 〜短期の「0次」段階・2〜
- 伝統的な言語文化を教える (第5回)
- 敬語を教える指導技術
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- 「活用型」学力をどう育てるか (第5回)
- レポートで「活用型」学力を育てる
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- 思考力・判断力・表現力等の育成と授業改善 (第17回)
- 思考力・判断力・表現力等の育成と「授業改善」(4)
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- 〜「保護者」「地域社会」との連携を推進〜
- なぜPISA型の活用力が必要か (第5回)
- バックグランド・ナリッジがないとテキストは理解できない
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- 編集後記
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編集後記
〇…「読解と表現」から「読解表現力」へと主張されている有元秀文氏(国立教育政策研究所)は、「なぜ数学でも理科でも自由記述問題ができないのだろう。その理由は授業中に教師が子どもに意見を言わせていないからである。授業中に子どもたちに討論させる機会が欧米先進国に比べて極端に少ないからである」と述べています。
〇…その証拠としてPISA二〇〇六報告書で対話を重視した理科の授業に対する生徒の認識を上げています。「生徒は自分の考えを発表する機会が与えられている」ことに「ほとんどすべての授業である」と答えた生徒は、日本三四%、フィンランド六四%と日本は半分、と紹介していました。さらに「生徒は課題についての話し合いをする」に「ほとんどすべての授業である」と答えた生徒は、日本九%、フィンランド三七%と、日本はフィンランドの四分の一である、と紹介しています。
〇…有元氏は、「全部の教科で日本の学校では話し合いが行われていないことが容易に推測される」としており、これがフィンランドに後れを取る最大の原因だ、としています。(『国語教育』〇八年六月号の特集から)
〇…同じ特集号で、中村孝一氏(常葉学園大)も「『読解力』は『表現』という活動を通して育成していくのだ、という意識が指導者に求められる」と強調しています。さまざまな文章や資料を読む機会や自分の意見を述べたり書いたりする機会を充実することが期待されているわけです。しかし授業で「討論」を成立させるには、前もって子どもたちが、さまざまな意見を言えるようにしておかなければなりません。「討論」は書く、話す、聞くという国語科の基礎となる「力」を必要としているからです。本号は「読解表現力」を鍛えるための「討論」の授業提案の特集です。
(江部 満)
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- 明治図書