- 特集 双方向的な「伝え合う」活動を創る
- 提言・双方向的な「伝え合う」活動とは
- 自分の学びをよりくっきりとしたものに高めるために
- /
- 個人や集団の考えを発展させる活動
- /
- 双方向的に「伝え合う」ための二つの支援
- /
- 伝え合う活動の日常化を図るために
- /
- 言葉を育てて心を育む教育の創造
- /
- 「伝え合う」言語活動の留意点
- 「話し合い」の問題点
- /
- 「討論」の問題点
- /
- 「ディベート」の問題点
- /
- 「スピーチ」の問題点
- /
- 双方向的な「伝え合う」活動を創る―低学年
- 伝え合うことで論理を学ぶ
- /
- 問答・合意形成を意図した「伝え合う」活動の位置付け
- /
- 国語科での学びを日常実践指導とスパイラルに繋ぐ
- /
- 双方向的な「伝え合う」活動を創る―中学年
- 他の学年に「伝える」活動を仕組む
- /
- 言語活動を取り入れた課題解決的な学習
- /
- 指名なし討論をめざす
- /
- 双方向的な「伝え合う」活動を創る―高学年
- 相手意識・目的意識を明確にもち、生き生きと伝え合う授業の創造
- /
- 「自律」と「協同」意識による双方向的な「伝え合う」活動
- /
- 「伝え合い」「学び合い」を大切にした授業作り
- /
- 共に創る授業の実践から見えてきたこと
- /
- 双方向的な「伝え合う」活動を創る―中学校
- コミュニケーションによって「伝わる文章」を探る
- /
- 「文学教材で育てる伝え合う力を支える思考力」マップを活用して
- /
- 不十分な情報を提示してスピーチを創る
- /
- 話合いのメタ認知を促す武器
- /
- ことばについて伝え合う―実生活とのかかわりの中で
- /
- 「伝え合う力」を育てる教室づくり (第67回)
- /
- 「読書に親しむ」授業づくり (第67回)
- 読書に親しみ、習慣化を図る授業
- /
- 書評
- 『子どもから学ぶ技』(河田孝文他 編著)
- /
- 『基礎学力強化プログラム 1年生』(甲本卓司 監修)
- /
- 国語教育人物誌 (第210回)
- 新潟県
- /
- /
- 富山県
- /
- /
- 石川県
- /
- /
- 福井県
- /
- 国語教育時評
- 伝え合う学習活動の成立条件を明確にする
- /
- 現場訪問 「学力向上の国語教育」最前線 (第127回)
- 言語力を基盤に「生きる力」を育成
- /
- 分析批評で「批評力」を育てる (第7回)
- 視点の変容
- /
- 基礎的国語能力を鍛える (第7回)
- 「小学校学習指導要領解説 国語編」を読む(1)
- /
- 新学習指導要領国語科をどう理解するか (第7回)
- 「流行」部分よりも「不易」部分への着目を
- /
- 思考力・判断力・表現力等の育成と授業改善 (第7回)
- 思考力・判断力・表現力等を育成する「本時の学習指導案」(4)
- /
- 〜「A話すこと・聞くこと」を拠点とする授業改善(一)〜
- 続・これからの国語科教育 (第7回)
- 国語科改善の内容
- /
- 〜改訂学習指導要領1〜
- 編集後記
- /
編集後記
〇…学習指導要領改善の去る一月中旬の中教審答申からは学ぶべき点が数多いといえます。中でも「伝え合い」学習の提言には、これからの現場実践の課題が明示されています。「互いの考えを伝え合い、自らの考えや集団の考えを発展させる」ことを「思考力、判断力、表現力等の育成」の項目で強調しています。その例として(1)予想や仮説の検証方法を考察する場面で、予想や仮説と検証方法を討論しながら考えを深め合う、(2)将来の予測に関する問題などにおいて、問答やディベートの形式を用いて議論を深め、より高次の解決策に至る経験をさせる、を示しています。
〇…さらには「言語活動の充実」は各教科等を貫く重要な改善の視点であると強調されていることも見落とせない視点でしょう。「国語をはじめとする言語は、知的活動(論理や思考)だけではなく、コミュニケーションや感性・情緒の基盤でもある」それ故に「互いの立場や考えを尊重して伝え合う能力を育成する」ことの重視が繰り返し強調されているわけです。
〇…「伝え合う力を高める」ことはそれぞれの領域の中で強調されています。森山卓郎氏(京都教育大学)が注目されているように、新しい学習指導要領に「自分」という言葉と「〜し合う」という表現が何度も取り上げられていることにも注目すべきでしょう。「話し合い」「読み合い」「助言し合い」「発表し合う」また「自分の考えを出す」「自分の生き方について考える」「自分の意見をまとめる」など。さらには「司会や提案をする」などがあります。
〇…総則の中に「言葉に関する能力」が位置づけられたことも新しいし評価できるとする意見も出ています。今後は実践の場で「計画的に話し合う能力」を高めていくことが必要になるでしょう。
(江部 満)
-
- 明治図書