- 特集 国語力をつけるノート指導の工夫
- 提言・ノート観の変革―国語力を高めるために
- 「評論集」(ネタ帳)のようなノートを作らせる
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- 子どもの学習力をつけ、国語力を高め合うノート指導
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- 学習を振り返って何が見えるか
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- 思考を明確に整理できる上下分割方式のノート指導
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- 学習者が学習活動の質を高めていく場となるノートに
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- 学習活動に応じたノートづくりの指導―板書との関連で
- 低学年/楽しいことば遊びできれいなノートづくり
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- 中学年/ノートの三つの機能
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- 高学年/使い終わっても捨てられないノートづくり
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- 中学校/教師に必要な二つの顔
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- 国語力をつけるノート指導の工夫―低学年
- ノート指導の土台づくり―一年生・入門期―
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- 書く力の基礎を育てるノート指導
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- 視写を基に考えを深めるノート指導―一年「だれだか わかるかな」(光村図書)―
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- 国語力をつけるノート指導の工夫―中学年
- 「読むこと」の授業におけるノートの役割・機能の再考
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- ノート活用の型を教えることで、国語力は伸びる
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- 叙述を基に考えを深め合えるノート指導の工夫
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- 国語力をつけるノート指導の工夫―高学年
- 学習ノートに「記録」「思考」「評価」の機能を
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- 思考を整え交信するノートをつくる
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- 国語の力を自覚できるノート指導
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- 国語力をつけるノート指導の工夫―中学校
- 「型」を教え、評価する
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- ノートの取り方を指導しつつ、工夫を引き出していく
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- 書き方を教え、評定する
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- 思考力・判断力と意欲を高める
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- 生徒が自分で「使える」ノート
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- ノートの点検と評価―どこを見るか
- 基本をしっかり、発展は授業の一コマにある
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- 子どもの思考の足跡を見取る
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- 子どもたちの思考や活動の跡が残るノートに
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- ノートの点検と評価はこの2点を見る
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- 忘れられない子どものノート
- 「蓄積」無くして「開花」無し
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- A君が、初めて書いた作文は輝いていた
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- 指導者に対する評価
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- ノートを振り返る喜び
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- 提出できないノート
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- 「伝え合う力」を育てる教室づくり (第20回)
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- 「読書に親しむ」授業づくり (第20回)
- 隙間時間を利用して図書館へいこう
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- 書評
- 『国語科授業はインターネットで進化する』(石黒修監修)
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- 『近代日本における「国語科」の成立過程―「国語科」という枠組みの発見とその意義』(小笠原拓著)
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- 国語教育人物誌 (第164回)
- 北海道南部
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- 青森県
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- 岩手県
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- 福島県
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- 現場訪問 「学力向上の国語教育」最前線 (第80回)
- 教育の理念追及と国語教育の研究構想
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- 国語教育時評
- 「これからの時代に求められる国語力について」という答申の無害無益について
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- 声の復権と国語教育の活性化 (第8回)
- 読み聞かせを楽しむ
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- 読書指導の改革 (第8回)
- 思考の転用(その一)
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- 検定外・言語技術教科書の構想 (第8回)
- 作文(論理的文章)の授業の進め方
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- 学力調査をふまえた国語科授業の改革―小学校を中心に (第8回)
- 「B書くこと」の領域の場合(その4)
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- 学力調査をふまえた国語科授業の改革―中学校を中心に (第8回)
- 「読むこと」指導の改善の方策(2)
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- 国語科授業力をどう身につけるか (第8回)
- 国語科授業力の確かさ、豊かさを
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- 編集後記
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編集後記
「ノートは思考の作戦基地」と主張されている有田和正氏の「ノートとは何か」という六年生の子どもたちに問いかけた授業があります。そこでは、子どもたちが次のように反応しています。(1)勉強に欠かせないもの、(2)勉強の足跡(変化)である、(3)まとめ、復習に役立つもの、(4)ノート=備忘録、(5)「はてな?」を書くのに役立つ、(6)字が上手になったか―反省できるもの、(7)連絡帳、(8)「参考書」のかわりになる。
授業が進むうちに(1)授業を面白くするもの、(2)書く能力を伸ばすもの、ということになり、結果的に「授業のよしあしと関係がある」ということになったそうです。子どもたちにすれば「書いた方が覚えやすいし、書いているうちに発見のきっかけを作ったりする」というわけです。
「ノート指導」についてこれまで提言されてきた須田実氏は「ノートを見れば、一人ひとりの子どもはみんな違っているということがわかる。板書を写しただけのノートであったとしても、新出漢字を練習したノートであったとしても、ノートの使い方、文字の正確さ、大小、筆圧の強弱、字の太さ、細さ、美しさなど、ぼんやり見ていたのでは気づかない子どもの違いがある。ノート指導という自覚に立つ時、その違いが鮮明にわかってくる」と指摘されています。
確かに「ノート指導」は単なる技術だけではないようです。子どもたち一人ひとりの学習の到達度を把握する上でも、いま改めて授業の課題として浮上しています。
本号は国語力を確かに育てるノート指導のあり方を追及したいとする特集です。
(江部 満)
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- 明治図書