- 特集 実践提案「伝え合う力」をこう育てる
- 提言・「伝え合う力」を育てる授業の工夫
- 聴いて訊く力の育成から始めたい
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- 「伝え合う力」の育成は、「各学校」が「言語活動例」の具体化を通して「説明及び結果責任」を発揮する
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- 群読の授業をするとよい
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- 「目標の行動化」が示唆すること
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- 三段階の相手意識と「伝え合う力」を育てるための三つの要諦
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- 〈情報〉を判断・批評する言語技術を
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- 実践提案・話す聞く活動で「伝え合う力」をこう育てた
- 低学年/話すことで考えを深め、自分を育てよう
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- 低学年/楽しみながら力をつける
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- 中学年/総合的な言語能力を育てる視点の中で
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- 中学年/互いの意見を検討し合う楽しさを
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- 高学年/新鮮さを保ちつつ繰り返すシンポジウム
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- 高学年/話し合いのねらいを明確にした「話すこと、聞くこと」の指導
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- 中学校/読書の楽しさを伝え合おう
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- 中学校/創作紙芝居を演じよう
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- 中学校/コメンテーターを育てる
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- 実践提案・書く活動で「伝え合う力」をこう育てた
- 論理的な文章構成のスピーチ原稿
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- 図鑑作りで「伝え合う力」を育てる
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- 「聴写」と「引用」で書く力が育つ
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- よりよいものを求める「伝え合い」活動
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- 実践提案・読む活動で「伝え合う力」をこう育てた
- 「伝え合う」必然性のある場の設定
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- 子ども同士のアドバイスで伝え合う力を育てる
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- 自分の読みを明確にして、友達の読みと交流し合う学習活動
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- 読む活動で表現と理解のモデルを学ぶ
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- 参加型板書で集団思考を育てる (第9回)
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- 総合的学習を国語学習で支える (第21回)
- 「言語技術」を一つ一つ積み上げていく
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- 書評
- 『国語力をつける「基礎・基本・統合発信力」ワーク』(瀬川榮志監修・向田宏男編著ほか)
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- 『国語科到達度・絶対評価ワークシート』(市毛勝雄編・日本言語技術教育学会東京神田支部著)
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- 国語教育人物誌 (第141回)
- 奈良県
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- 和歌山県
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- 山形県
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- 福島県
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- 現場訪問 「学力向上の国語教育」最前線 (第57回)
- 「生きる力」に連動する「生きて働く表現・行動力の育成」
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- 国語教育時評 (第21回)
- 各教科で小論文指導を
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- 到達度を見る絶対評価の問題づくり・小学校 (第9回)
- 絶対評価の作問法(1)
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- 到達度を見る絶対評価の問題づくり・中学校 (第9回)
- 「詳細な読解への偏り」を打破する三つの改革―読むこと(2)
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- 「漢字文化の授業」がなぜ必要か (第9回)
- 知的障害の子にも教えられた「輪郭漢字」
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- 国語の基礎学力とは何か―言語技術教育の視点から考える (第9回)
- 「学力低下論」を検証する(その2)―「学力低下」に隠された真実―
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- 絶対評価で変わる国語の授業 (第9回)
- 評価における質の問題
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- メディア教育の実践課題 (第9回)
- メディア教育の学習材(2)―静止映像2(写真・イラスト、など)
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- 編集後記
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編集後記
新国語科の教科目標「伝え合う力」は、双方向的な言葉の交流を重視したものとして、その後の実践に注目が集まっています。特に「自分の考えを持ち、論理的な意見を述べる能力」の育成が第一とされ、「話すこと・聞くこと」の指導を重視するという姿勢が強調されています。これらは五つの言語意識の中でも「相手意識」「目的意識」「場面意識」等の重視にも表れています。解説書などで強調されていることは「伝え合う力」は「コニュニケーション能力」とは異なり、発信型の人間を育てようとしている意図が見えることです。こうしたことから音声言語の重視は、たんなる音読や朗読を重視しているのではなく、「肉声で話し合うこと」を重視しているのだ、との解説書も表れています。したがって相手意識や目的意識を鮮明にし、人間関係を重視した話し合いの工夫が必要となると強調され、「おしゃべりから対話へ」などとも力説されています。小森茂氏も指摘されているように、従来「話すこと・聞くこと」の内容はややもすると他の学習内容を深める方法や手立てとして埋没する傾向が見られた、ということのようです。そのために「話すこと・聞くこと」の領域では、どのような学習活動を構成するかが問われています。指導内容と言語活動との密接な関連を図るという点では、それぞれの領域にふさわしい「言語活動例」が示されています。ただし活動を重視するあまりその活動を通して「伝え合う力」をどう獲得するかを明確にしないと単なる活動の空転になるとの批判も出ています。本号はこの新国語科の目標を具体化した実践提案を集めたいとする特集です。
(江部 満)
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- 明治図書