国語教育 2002年6月号
基礎学習としての「音読」を見直す

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国語教育 2002年6月号基礎学習としての「音読」を見直す

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ジャンル:
国語
刊行:
2002年5月
対象:
小・中
仕様:
A5判 132頁
状態:
絶版
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目次

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特集 基礎学習としての「音読」を見直す
提言・基礎学習としての「音読」を見直す
音読のねらいは進化している
市毛 勝雄
音読の技術を「指導」しよう
野口 芳宏
安易な基礎学習化を否定する
望月 善次
音読指導としての「範読」の在り方
人間教師としての音声化を
高橋 俊三
授業の活性化を促す範読
深川 明子
範読のすばらしさを生かそう
中西 一弘
音読力向上のための指導のコツ
1〜2年生における音読指導のコツ
吉永 幸司
3〜4年生における音読指導のコツ
井関 和代
5〜6年生における音読指導のコツ
桜沢 修司
中学生における音読指導のコツ
西田 拓郎
音読を生かした読みの指導―小学校
1年/暗唱できるくらい読みこなすステップ
新川 莊六
2年/作品構造を考えるための音読
井上 善弘
4年/詩を「語る」―解釈(イメージ)を声にのせる―
青山 由紀
4年/「は」と「が」の授業
椿原 正和
5年/「音読」の効用を見直し多用する
若林 富男
6年/筆者の考えを音声で伝える
望月 真
音読を生かした読みの指導―中学校
1年/音読を生かした文学教材の指導
市川 正俊
1年/音読で文学教材を効果的に読み取る
渡辺 真由美
2年/内容理解のための基礎学習としての音読
品川 正
「音読」で授業のここが変わった
音読のリズム、テンポ、スピードが授業のレベルアップにつながる
師尾 喜代子
音読活動の相互評価・自己評価で読み取りが深まる
須永 逸郎
音読で「変化のある繰り返し」を
山田 直美
音読指導の工夫で授業の活性化を
佐久間 義雄
参加型板書で集団思考を育てる (第3回)
雨宮 久
総合的学習を国語学習で支える (第15回)
実の場で生きて働く言葉の力を養う
中村 正則
書評
『「相互交流のコミュニケーション」が授業を変える』(有元秀文編著)
長崎 伸仁
『総合的学習のカリキュラムを創る』(田中博之編)
天野 正輝
国語教育人物誌 (第135回)
長野県
益地 憲一
岐阜県
大堀 幸信
静岡県
木 展郎
愛知県
佐藤 洋一
現場訪問 「学力向上の国語教育」最前線 (第51回)
地域との連携の中でコミュニケーション能力を育てる
瀬川 榮志
国語教育時評 (第15回)
すべての能力は会話によって発達する
市毛 勝雄
到達度を見る絶対評価の問題づくり・小学校 (第3回)
到達度を見るための評価規準の作成と手順
須田 実
到達度を見る絶対評価の問題づくり・中学校 (第3回)
リスニングで<言語知識>を問う―話すこと・聞くこと(2)
堀 裕嗣
「漢字文化の授業」がなぜ必要か (第3回)
体力主義の漢字練習法が子どもを苦しめる
向山 洋一
国語の基礎学力とは何か―言語技術教育の視点から考える (第3回)
国語の入試問題を分析する(その2)
鶴田 清司
絶対評価で変わる国語の授業 (第3回)
国語の答えは一つか
益地 憲一
メディア教育の実践課題 (第3回)
メディアとは何か?
中村 敦雄
編集後記
江部 満

編集後記

音読」に対する現場の意識がずいぶん変わってきたといわれています。戦後の長い期間、学校での読みはすべて黙読に限るといわれてきた時代を考えると雲泥の差といえるでしょう。今や暗唱文化を提唱する『声に出して読みたい日本語』(齋藤孝)がベストセラーになる時代です。早くから「音読は国語教育の原点」と主張されてきた市毛勝雄氏は、基礎学習としての「音読」について次のように説明されています。「音読を国語科の基礎として位置づけると、これまで雑然としていた指導過程が整理されてくるだろう。朗読は理解の完成された形式となるし、『表現読み』も同様で、説明文教材には不要となるかもしれない。だが、基礎だということになれば文学教材と同様、説明文教材にも必要な過程となる。上手に音読する必要があるのは、気分を表現するためではなく、よりよく理解するためだからである。なによりも、文字という記号の固まりを言葉としてときほぐすのは、音読が最良の手段なのである。」と。(本誌・三九二号)戦前の音読指導は文章を理解することを第一義としていました。芦田恵之助氏は皆読、皆書を主張し「皆読」を読みの指導で文章を読みながら理解を深める手段としていました。音読の指導は、国語の指導者にとってはほとんど毎時間の問題です。青木幹勇氏がいわれるように、ベテランの教師でなくても手がけられる指導方法なのです。ですからともすると、読解や作文などに比べて低次元の指導であるかのように誤解されてしまうのです。音読指導はまさに「皆読」の課題といえるでしょう。日本語を体で読む。体を通してその音声的価値の感得、さらに暗唱によって日本語を丸ごと身につけさせる「音読」を志向すべきなのかもしれません。

(江部 満)


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