国語教育 2002年5月号
能力重視で指導事項を精選する

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国語教育 2002年5月号能力重視で指導事項を精選する

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ジャンル:
国語
刊行:
2002年4月
対象:
小・中
仕様:
A5判 132頁
状態:
絶版
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目次

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特集 能力重視で指導事項を精選する
提言・活動の重視から能力の重視へ―何が問題か
能力重視、活動重視の指導事項の「精選」の無意味について
渋谷 孝
国語学力形成のメカニズムの解明から
野口 芳宏
言語活動能力の徹底的習得を活動単元学習で
安河内 義己
ことばに対する意欲・納得の意欲の重視
植山 俊宏
言語能力そのものを到達目標(評価基準)に
佐藤 洋一
到達基準を明確にした指導方法とは
到達基準が授業をクリアにする
大森 修
能力分析と評価規準・指導目標の具体化
米田 猛
到達基準はホームメイドで
岩ア 淳
「ラベル感想交流」で明確にし「コース別学習」で支援する
大日方 信康
能力重視で「読むこと」の指導事項をどう精選するか
低学年/キャパシティーではなく、アビリティーを育てる内容に
大下 浩一
低学年/物語教材の精選指導事項
深谷 幸恵
中学年/声に出して読むことをもっと重視しなければならない
内村 博幸
中学年/「段落相互の関係」をとらえる能力とは
光野 公司郎
高学年/叙述に即して読む力の具体化を図る
吉川 芳則
高学年/向山型国語で「読む」言語能力を高める
石黒 修
中学校/現場では何を変え、どう精選していくか
清水 静子
中学校/教科書教材中心の発想を転換し、精選に取り組む
植西 浩一
中学校/要約力を中心に指導事項を並べていけばいい
山田 高広
能力重視で「書くこと」の指導事項をどう精選するか
低学年/森流・「八つの指導事項」
森 成美
中学年/学習指導要領に基づいて、学習内容を明確にする
松藤 司
高学年/「典型」を読み、「定型」で書く
大谷 和明
中学校/CM分析の結果を論理的な文章にまとめる
鈴木 悟志
中学校/精選のための三つの条件
花田 修一
能力重視で「話すこと・聞くこと」の指導事項をどう精選するか
低学年/情報の「発見」から「発信・評価」へ
松木 尚美
中学年/単元学習における言語活動の焦点化と見える部分での評価を
今宮 信吾
高学年/重点化する言語経験課題をおさえよう
南雲 成二
中学校/精選の観点は生徒の実態に即して
長谷川 祥子
中学校/コメントの技術を習得する
村上 正子
参加型板書で集団思考を育てる (第2回)
平松 孝治郎
総合的学習を国語学習で支える (第14回)
ようこそ「安曇川博物館へ」
伊庭 郁夫
書評
『国語科話し合い指導の改革』 (高橋俊三著)
小森 茂
『国語科と総合的学習の連携』 (大熊徹著)
高木 まさき
『インターネットを活用した授業づくり』 (村端五郎編著)
竹川 訓由
国語教育人物誌 (第134回)
新潟県
大森 修
富山県
安藤 修平
石川県
深川 明子
福井県
三好 修一郎
山梨県
岩永 正史
現場訪問 「学力向上の国語教育」最前線 (第50回)
国語の基礎・基本を定着し、学力向上を図る
瀬川 榮志
国語教育時評 (第14回)
美しいテーマが似合う教科似合わない教科
市毛 勝雄
到達度を見る絶対評価の問題づくり・小学校 (第2回)
子どもの立場に立って国語力を伸ばす絶対評価(2)
須田 実
到達度を見る絶対評価の問題づくり・中学校 (第2回)
「言語技術」の習熟三段階―話すこと・聞くこと(1)
堀 裕嗣
「漢字文化の授業」がなぜ必要か (第2回)
子どもの知的好奇心を刺激する漢字文化
森川 敦子
国語の基礎学力とは何か―言語技術教育の視点から考える (第2回)
国語の入試問題を分析する(その1)
鶴田 清司
絶対評価で変わる国語の授業 (第2回)
絶対評価は絶対ではない
益地 憲一
メディア教育の実践課題 (第2回)
導入のための授業づくり
中村 敦雄
編集後記
江部 満

編集後記

文部科学省の文化審議会が国語教育の充実を求める答申を行いました。国語力は最も大切な基礎学力であると認めた上での答申です。しかし今回の改訂では、五二年の「表現」「理解」二領域の能力主義を再び言語活動主義に戻したといわれ、言語能力は言語活動を通して生きて働くものだ、と主張されています。(甲斐睦朗氏など)そのために「言語活動例」が示されています。絶対評価の導入で、到達基準の明確化、学力保障のための習熟度別学習などが浮上しています。これまでの国語科の目標がみな、主題を考えて読もう式の抽象的なものだったから、容易に能力にはならなかったとする批判もあります。授業の批評としても、多くの子どもが発表をしたとか、話し合いが活発に行われた教室、そうした授業ただそれだけの理由で賞賛されたものです。つまり学習観が学習活動を優先し言語活動主義といわれてきたわけです。(輿水実氏らの指摘)学習指導案も到達目標の具体化が困難視されてきました。だから「想像力を豊かにする」「人間性を豊かにする」「自然や文化について認識を深める」などという目標を掲げて逃げてきたといえるようです。だから学習指導案の目標と方法と評価がばらばらであったとする批判も出ています。戦後の経験主義学習では「知識・技能」よりも「態度・関心・意欲」の方が重要視されてきました。だからこそ価値ある具体的な「言語活動」を経験することが重んじられてきたわけです。言語能力そのものが達成目標(到達目標)となる時、言語能力の診断、治療だけでなく、その徹底的な習得が課題となってくるでしょう。本号はそのための指導事項をどう精選するかを問う問題提起の特集です。

(江部 満)

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