英語教育ユニバーサルデザイン 指導に役立つ教材・教具
「がんばっているのに英語が覚えられない…」読み書きが苦手な子どもたちの英語指導に役立つ教材・教具を紹介。 学び方を変えれば、英語はできるようになる!
英語教育ユニバーサルデザイン 指導に役立つ教材・教具(21)
小学校通級指導における英語指導の試み
英語教育UD研究学会(兵庫県相生市立青葉台小学校)仲本義規
2020/2/5 掲載

今回のねらい

 小学校の通級指導教室には、読み書きに困難を持った子どもが多数在籍しています。そのような子どもは、高学年なると中学校での英語の学習に大きな不安を抱くことも少なくありません。通級指導教室は、子どもの障害の状態に応じた特別な指導をきめ細やかに弾力的に提供できる教育の場です。しかしながら、通級指導の時間は限られており、英語指導に十分な時間を確保しにくいことが現状です。
 今回は、小学校の通級指導において読み書き困難のある子どものアルファベット書字の指導の実践を紹介します。文字の形を正確に表記しにくい子どもに、砂への書字、アルファベットパズル、指文字など多感覚を活用した学習を行うことで、書字に対する苦手意識を軽減しながら、形の特徴を覚えていき、正確な書字につなげていくことがねらいです。
 また、聴覚的な強みを活かして、タブレットのアプリによるアルファベットの音の聴き取り、発音の練習、英語の歌による単語の習得を行いました。
 英語が楽しいと感じ、少しでも不安が軽減することで、中学校での英語学習にスムーズにつながる学習をしていきましょう。

「砂」「パズル」「アプリ」

概要
砂への書字や、パズル、アプリなどのツールを活用し、視覚、聴覚、触覚など多感覚を使って、書字への負担を減らしながら楽しくアルファベットの読み書きを習得する
目的
さまざまな感覚を用いてアルファベットに親しみ、読み書きを覚えていく
対象
小学生

準備:
1.アルファベットの書字の習得
・砂絵用の色砂 ・プラ板(パズル用)
・アルファベットを指で表現したカード
2.アルファベットと音のマッチング
・タブレット ・アプリ
3.身近な英単語の習得
・タブレット ・英語の歌(アニメーション) 
・イラストカード など
使用教材:
・Youtube:「Months of the Year Song - 12 Months of the Year - Kids Songs
 by The Learning Station」

・iPadアプリ:Word Wizard

図1
砂にアルファベットを書いてみる

図2
手でアルファベットを形作ってみる

図3

図4

アルファベットパズル(自作)
丸、棒、などアルファベットを構成している形に分けて作成

学習の流れ
1.身近な単語を耳から聞いて、発音、イラストとマッチング
・生活の中で聞いたことがある単語を中心に、アプリを使って発音を聞き、真似を
 して発音をする。発音した単語と一致するイラストカードを選ぶ。クイズ形式に
 して交代で単語を出し合うのも楽しい
2.アルファベット3文字の音を聞いてマッチング
・アプリを使って音を聞き、対応するアルファベットカードを選ぶ。聞いた音の真
 似をして発音をする
3.練習したアルファベットを2文字組み合わせて発音
・組み合わせたアルファベットがどんな音になるか予想して発音して、アプリを
 使って答え合わせ。組み合わせを変えながらお互いに問題を出し合うこともで
 きる
4.練習したアルファベットの書字(多感覚を用いて)
(1)砂に書く:指先のざらざらした触覚を通じて文字の形を意識する。書き直し
  も簡単なため、間違いを気にせずに何度も練習できる
(2)指アルファベット:指で文字を作る動作化してアルファベットの形を確認
  する
(3)パズル:アルファベットを、縦棒や横棒、丸などの部品に分解したパズルを
  組み立てる。慣れてくると、英習罫の上で作る

指導のポイント

  • もともと苦手意識があるので、1回の指導時間は長くても15分程度で行うようにします。
  • 初めての英語なので、失敗やミスは当たり前の雰囲気づくりが大切です。
  • 歌や発音は高学年になれば恥ずかしいものなので、指導者も一緒に歌ったり、発音したりして楽しみましょう。
  • 子どもの強み(視覚、聴覚、触覚など)を活かした指導を考えていきましょう。

*URLや教材の情報は掲載時点でのものになります。

英語教育ユニバーサルデザイン研究学会えいごきょういくゆにばーさるでざいんけんきゅうかい

インクルーシブ教育の実現を目指し、学びの多様性を反映し、「どの子にとってもわかりやすい」英語授業を一緒に考え、作っていくための研究学会です。2019年6月発足。
ご興味のある方はぜひ、ご参加ください。
英語教育ユニバーサルデザイン研究学会 HP

(構成:佐藤)
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