教育オピニオン
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長期休校明けに取り組みたい!子どものストレス解消ゲーム
大阪府箕面市教育委員会日野 英之
2020/5/15 掲載

 新型コロナウィルスの感染状況を踏まえ、休校期間を延長する都道府県や政令市が相次いでいます。子どもたちは外出の自粛、変化のない環境下での生活、何より“したいこと”ができないことに対するストレスが溜まりに溜まっている状態です。
 「こんなはずではなかった」
 「早く学校に行きたい!」
 多くの子どもたちが学校の通常再開を切に願っています。

 さて、学校再開後、私たち教員はこの長期休校で抱えた子どもたちのストレス・疲労のケアをどのようにしていけばよいのかということを考えていかなければなりません。子どもは何も生まれて初めてストレスを抱えるわけではありません。通常の状況下で子どもたちがストレスを抱えていなかったかというとそんなことはないでしょう。
 子どもが抱えるストレスについて、またストレスの解消に必要なことについて学ぶ良い機会ができたと前向きに捉え、一緒に考えていきましょう。

・・・・・・・・・子どもが抱えるストレスとは・・・・・・・・・

 「子どもが抱えるストレスについて、またストレスの解消に必要なこと」をまとめていくにあたって、「ストレス」とは何なのかということを理解しておかなければなりません。「ストレス」は辞書では次のように記されています。

 精神緊張・心労・苦痛・寒冷・感染などごく普通にみられる刺激(ストレッサ―)が原因で引き起こされる生体機能の変化。一般には、精神的・肉体的に負担となる刺激や状況をいう。(出典:デジタル大辞林 第3版)

 ストレスは自分も含め多くの方が“因子”の認識しかなかったでしょうが、意味合いとしては「変化」まで含まれるようです。では一体、ストレスはどのような変化となって現れるのでしょうか。

(1)身体的な変化…頭痛、耳鳴り、のどの渇き、動悸、じんましん、だるさ、めまい、眠気、発汗など
(2)精神的な変化…楽しいと思えない、やる気が起きない、イライラする、無力感、不安感など
(3)行動面の変化…買い物依存、アルコール依存、危険行動、衝動的な過食、八つ当たりなど

 変化には、多種多様なものがあり、症状としても軽度なものから重度なものまで様々なあります。子どもにも同様の変化が見られるようですが、さすがに子どもが買い物依存やアルコール依存に陥るということは、滅多に聞きません。
 子どもの場合は、落ち着きがなくなる、集中力がなくなる、うそをつくなどの姿・行動にストレスが現れることが多いようです
 重たいランドセルを毎日背負う、45分イスに座り続ける、友だちや先生との人間関係、いじめ、成績、行事…冒頭に記したように今回のコロナウィルス騒動に関わらず、子どものストレッサーとなり得るものが学校の中にはたくさん潜んでいると考えた方が良いでしょう。
 では、これらストレスの解消法としてはどのようなことがあるのでしょうか。方法については諸説あるようですが、

(1)体を動かす
(2)感情を出す
(3)欲求を満たす
(4)娯楽を楽しむ
(5)客観視する
(6)リラックスする

 が多く取り上げられている方法です。
 欲求を満たした時、娯楽を楽しんだ時、リラックスした時の表情について考えると、ストレス解消における『笑顔』の役割は非常に重要といえます。【子どものストレス解消を考える=子どもを笑顔にする方法を考える】と捉えて良さそうです。

・・・・・・・・・子どもを笑顔にする方法・アクティビティ・・・・・・・・・

 人を○○させることを考えるのは、とても難しいことです。そんな時は、自分に置き換えて考えてみると良いでしょう。自分が笑顔になる時のことを考えれば良いのです。

(1)他者とプライベートに関する会話で盛り上がった時
(2)自分の仕事ぶりが上司にほめられた時
(3)自分の言葉で誰かが笑ってくれた時
(4)ちょっとしたことに「ありがとう」と言ってもらえた時
(5)子どもと家で遊んでいる時

 楽しい空間にいる時、褒められた時、感謝された時…これは誰しもが笑顔になれる時ではないでしょうか。子どものことを考えると(5)の「遊ぶ」に勝るものはありません。子どもは遊びやゲームを楽しむ天才です。ならば、学校再開後は、遊びやゲームで子どもを笑顔に…なんてことを考えがちになってしまいますが、学校再開をどのような形で迎えるのか定かでない今、協働的な遊びやゲームよりも「一人でできる」遊びやゲームを考えておくと良いのではないかと考えます。例えば音読を題材とした遊びならば…

●ものまね読み
(1)教師が1枚カードを引く。
(2)カードに書かれている通りに音読できれば合格!
(「大きな声で」「泣きながら」「アナウンサー風」「松岡修造風」などカードはクラスの実態に合わせた内容のものに!)

●たけのこ読み
(1)学級を半分に分ける(廊下側チーム対窓側チーム、奇数班対偶数班など)。
(2)本文を1文ずつチーム交互に読んでいく。
(3)他の友だちと立つタイミングが同じだったり、誰も立ち上がらず3秒経過したりするとアウト!相手チームに1ポイント進呈。ポイントのより多い方が勝ち!

 その他にこんな遊びはいかがでしょうか。

おもしろい社会編


●○○を探せ!
(1)教科書の絵の中から、教師が指定した絵を探すゲーム。
(2)歴史ならば「和歌を詠んでいる人」などその時代の特色を示すような題を提示すると、復習などにも活用できる。

●ただただ探せ!
(1)教師が言った地名を指定のページから探す。1番早く見つけられたチームに1ポイント。時間内により多くのポイントを獲得したチームの勝ち!
(2)国名編、首都編、都道府県編、首都編、自然編など色々なシリーズに取り組んでみるのも面白い!

おもしろい答え合わせ編


●おもしろい計算ドリル答え合わせ
(1)計算領域でたくさんの問題の答え合わせをする時、答えが偶数の場合は声を高く、奇数の場合は声を低くして読ませる。

●答え合わせビンゴ
(1)ドリルの答えを3×3マスのビンゴ用紙に適当に記入。答えを順番に言っていくのではなく、こちらも適当に言っていき、丸つけをする。言われた答えがビンゴカードにあれば、カードの数字にも丸をする。
(2)最初にビンゴになった人が勝ち!

 いかがでしょうか。いずれも協働ではなく、教師と子どもの「1対1」で進めていける遊びです。単純ではありますが、きっと子どもはたくさんの笑顔を見せてくれるにちがいありません。

 コロナウィルスは子どもにたくさんのストレスをもたらしています。しかし、日々の学校生活の中にも子どもへのストレッサーはたくさん存在しているのです。コロナウィルス騒動が終息したからといって、子どものストレスが終息するわけではありません。今一度、日常の子どものストレスとは何なのか、また解消するためにはどんなことを心がければ良いのかといったことを考えていただければ幸いです。学校再開後、全国でたくさんの子どもの笑顔が見られますことを心から願っています。

日野 英之ひの ひでゆき

 1982年愛媛県生まれ。信州大学教育学部を卒業後、大阪府公立小学校で12年間勤務し、平成30年から現職。『5分でクラスの雰囲気づくり! ただただおもしろい休み時間ゲーム48手』(明治図書出版)他、共著も多数。

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