野中流!新卒教師時代を生き抜く学級経営&授業術
初任者指導のエキスパート、野中信行先生が、新卒や若手教師のつまずきやすい事例や悩みを徹底解決!
野中流!学級経営&授業術(5)
教師がしゃべりすぎる「おしゃべり授業」になっていませんか?
元横浜市初任者指導教員野中 信行
2012/8/16 掲載

つまずき場面

 授業で、ずっと私がおしゃべりをしてしまって、「先生のしゃべりすぎ」と指導の先生から注意されました。改善していくポイントを教えてください。

1 考えられるつまずきの原因

 初任者指導を3年やってきて感じたのは、どの初任者の先生も「しゃべりすぎ」だということでした。これは初任者の先生たちの抱えている「授業のイメージ」にあるのだと思います。彼等のイメージは、塾の授業や高校の授業(別に悪いと言っているわけではありません)。だから、どうしても「しゃべり」を中心とする授業になるのです。
 次のような授業をしています。私は「おしゃべり授業」と名付けています。

  • ずっとさまざまな説明をする 
  • 時々発問をする 
  • いつも発表する3、4人が答える 
  • 先へ進む

 問題点は、はっきりしています。教室の多くの子供たちが傍観者になっているのです。授業に参加していないのです。

2 対応法

その1 授業の中心では「全員参加」にする

 授業の中心のところがあります。本時の目標に関わる部分。ここはどうしても全員に参加してほしいところです。3、4人だけの参加ではなくて、全員を参加させたいのです。どうするのでしょう。
 まず、次のようにしていったらどうでしょうか。

  • 発問の答えをノートに予想させる(繰り返していけば、全員が書くようになります)
  • 列指名などで全員に発表させる(簡単にさっと発表させる)
  • 教師が出てきた意見をまとめる

 列指名のところでは、名前順指名、グループごと指名、男女別指名などが考えられます。

その2 「活動」を中心に授業を組み立てる

 教師の「しゃべりすぎ」を防いでいくには、授業の組み立てを子供たちの「活動」中心にしていけばいいのです。

  • 「書く」活動
  • 「発表する」活動
  • 「話し合う」活動
  • 「作業や体を動かす」活動

 この4つを意識した授業の組み立てを考えます。

 教師の説明は短くして、子供たちが活動する時間を多くしていく

 これだけでも授業は活性化していくはずです。

3 今回のポイント

 教師の「しゃべりすぎ」を防いでいくポイントは、全員参加と活動の2つです。

野中 信行のなか のぶゆき

1947年 佐賀県生まれ。
1971年 佐賀大学教育学部卒業。
37年間横浜市立小学校教諭として過ごし、その後3年間初任者指導の仕事をする。
主な著書に『新卒教師時代を生き抜く心得術60』『新卒教師時代を生き抜く学級づくり3原則』(単著)『新卒教師時代を生き抜く“2W”仕事術』(編)などがある。

(構成:木山)
コメントの一覧
1件あります。
    • 1
    • ほなみ
    • 2012/10/6 4:00:25
    偏差値40〜45の共学の高校で英語教員として働いて3年目です。
    以前は5年間、講師をしてきました。
    現在は英文法の授業を担当しており、習熟度別授業で20人の生徒を教えています。
    上(できるクラス)と下(できないクラス)を2つずつ合計4クラス担当しています。
    教員の指導の仕方が皆同じではないので、一部の生徒からクレームがでました。

    生徒のクレーム内容は私の授業の仕方がつまらない、ということでした。
    中間試験前ということもあり、授業時数がぎりぎりのため
    私は教科書に書いてある重要なことを、ノートにまとめさせたり、練習問題を解いたり、抜き打ちテストなどもしたりしました。

    おそらく、英語の活動を何もしていないので、このようなクレームが出たのだと思います。何か試験前に行う効果的な活動で、また生徒を飽きさせないゲームのようなオススメなものはありますでしょうか?

    ご指導ご鞭撻の程、どうぞ宜しくお願いいたします。
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