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文科省、いじめ実態調査を開始−本格的な対策なるか
教育zine編集部金持
2012/7/31 掲載

 昨年秋、滋賀県大津市の中学校に通う男子生徒が自殺した問題をきっかけに、学校や教育委員会の対応などについて次々に報道され、関心を集めている。
 20日の平野文部科学大臣の会見では、今月新たに「24時間いじめ相談ダイヤル」を設置したところ、相談件数が急増したことのこと。これを受け、文科省は全国の公立小中学校に対して、いじめの実態調査に乗り出した。また、24日の会見によると、この調査は必要に応じて私学についても行われるとのこと。また、再発防止のための大臣直轄のチームも結成する。

 いじめに関する学校や教育委員会へのアンケート調査等は、もちろんこれまでも行われてきた。最近では平成23年1月20日に公表された「いじめの問題への取組状況に関する緊急調査」結果(概要)(PDF)」(文部科学省)などがある。
 しかし、これには実態がじゅうぶんに反映されているのか疑問視される部分もある。たとえば「教育委員会におけるいじめの問題への取組に対する点検について」という項目の中で、「学校や保護者等からいじめの報告があったときは、その実情の把握を迅速に行うとともに、事実を隠蔽することなく、学校への支援や保護者等への対応を適切に行っていますか。」という項目については、滋賀県を含む66の教育委員会において 100%「はい」と回答されている。
 また、いじめ自殺に関する対策も今回が初めてではない。いじめ相談ダイヤルの開設やスクールカウンセラーの増員、いじめ対応マニュアルの作成、「いじめの問題に関する取組の徹底について(通知)」(文部科学省)を出すなどの対策がとられてきたが、国を挙げての大きな対策とはなっておらず、いじめによる自殺という問題はなくならなかった。

 今回の大津市のケースがとくに注目を集めているのは、警察が学校現場に介入するという深刻な事態になったほかにも、やはり、いじめがあった際に学校や教育委員会の対応がじゅうぶんでなく、情報がきちんと公開されていなかったと言われていることが大きい。こういった事態になったからこそ、市や教育委員会にいじめを「報告すること」の指針を示したり、いじめを受けた場合に相談できる場を拡充したりするだけでなく、それらがきちんと機能し再発防止につながる具体的な対策がとられることを期待したい。

コメントの一覧
1件あります。
    • 1
    • 東京杉並
    • 2012/9/17 3:53:45
    幼稚園の園長から園の先生をしてる娘がいじめをされてます。人権にかかわわるが、娘を高機能障害にあてはまる、、などと言ったり(もちろん違いますが)、まじめで園児思いのまだ勤めたばかりの娘を辞めさせようとして、立場を利用したことばの暴力がひどいです。
    園児、保護者には信頼を得ている娘は年度途中で辞めたくないと、がんばってますが、精神状態と相談しつつ、です。教育現場のスタートである幼稚園の、しかも園長がひとの心の痛みを知らない現実です。昨年度も園児にとっていい先生を辞める方向に追いつめたらしいです。
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