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校舎の耐震診断結果、未公表が4割―読売新聞調査
kyoikujin
2009/1/8 掲載

 8日の読売新聞によると、昨年6月に施行された改正地震防災対策特別措置法にもとづき、校舎の耐震診断結果を実際に公表した自治体が全体の4割にとどまっているとのことだ。

 同様の調査は、文部科学省が昨年4月に実施し、「耐震診断結果・耐震性の有無等の学校名等の公表状況について」として発表しており、下表に読売新聞による調査結果と、文科省の結果とを比較してみたが、「すでに公表」している団体の割合が大幅に減少していることが分かる。

※表では文科省調査での項目を、読売新聞調査の項目に読み替えて表示しています。

公表状況 読売新聞10月調査
(全1894団体)
文科省4月調査
(全1895団体)
すでに公表 41.4% 51.8%
今年度中の公表に向け作業中 16.0% 13.3%
来年度以降の公表か、未定 42.6% 34.9%

 これら2つの調査が同じ前提で実施されたかは未確認だが、半年の間に新たな耐震診断が実施されたりなど状況の変化はあるとしても、随分な落ち込みようではないだろうか。

 同記事は、未公表の自治体による「財源がないので、診断結果を伝えても、耐震化計画をきちんと説明できない」との理由を伝えている。折からの世界的な不況など財政への深刻な影響は推察されるものの、地震で倒壊の恐れがあると分かっている校舎の危険性を、地域住民に知らせないことの理由になるのだろうか。学校は、災害時には地域の避難所に指定されていることも多いだけに、悲惨な二次災害発生の懸念もあるだろう。

 地震はいつどこで起こるかわからないからこそ、危険性を知っていれば一人一人がそれなりに自己防衛できそうなもの。「備えあれば憂いなし」の逆にならないことを願いつつ、早急な対策を期待したい。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
コメントの一覧
1件あります。
    • 1
    • 名無しさん
    • 2009/1/9 15:25:20
    すでに通学している児童や保護者の不安を煽るのを避けるという理由はわからなくもないですが、これから子どもを通学させようという保護者の住まい選択や学校選択のためには必要な情報提供ではないでしょうか・・・。
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