フィンランド教育庁のホームページによると、今年9月に 日本の教育者向けのセミナーが開催される。今年2月につづき2回目の開催で、「フィンランドの義務教育制度を、手短かつ広域に理解」し、また「教育現場での具体的な例を見たり体験」してもらうことが目的。
フィンランドは2000年、2003年のOECDの学力到達度調査(PISA)において、「数学的リテラシー」「科学的リテラシー」「読解力」それぞれの能力でトップレベルの成績をおさめたことから、その教育制度に注目が集まっていた。
マスコミ等を通じて、様々なフィンランドの教育事情が伝えられているが、日本に比べて授業時数が少ないことは間違いないようだ。OECDが発行している「 図表でみる教育(2005年度版)」によれば、年間必修授業時数は以下のとおり。
日本 | フィンランド | ||
---|---|---|---|
7〜8歳 | 656時間 | 530時間 | |
9〜11歳 | 709時間 | 654時間 | |
12〜14歳 | 817時間 | 796時間 |
日本では教育再生会議での土曜授業復活の議論など、授業時数を増やす方向が検討されている。しかし、フィンランドの状況を見ると、授業時数を増やすことが必ずしも学力向上の条件ではないようだ。
また、次の指導要領では「言語力」が重視されるようだが、その背景には2003年のPISAで日本の読解力が前回の8位から14位に落ちたこともあるのだろう。PISAの結果をどう判断するかは議論が分かれるところだが、フィンランドは2回連続の読解力トップで参考にすべき点も多そうだ。
セミナーの応募〆切りは、今月28日。対象者は「学校の校長や教師、政府や自治体の教育担当者、教師育成に携わる研究者、専門家やジャーナリスト」とのこと。費用は850ユーロ(もちろん航空機代等の旅費は別だが)。9月24、25日が開催日で今からの参加申込は難しそうだが、フィンランドの教育制度については今後も注目していきたいところだ。
- 図表でみる教育 OECDインディケータ(2005年版)
http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/002/05091301.htm - フィンランド大使館
http://www.finland.or.jp/ja/ - ムーミンと学ぼう! ネット学習でフィンランドへ(きょういくじん会議)
http://www.meijitosho.co.jp/eduzine/kaigi/?id=20070058
今でも基本的には地元の国立大学の教育学部を出て教員になる人が多いのかな。
それと、今の若い人にはステータスとして教員に憧れているというより、児童生徒の教育に関わりたいっていう真面目な人が多そうな気がする。
近頃は明らかに学校や教員の地位が低下しすぎで、このままだと公教育離れは加速する一方かと。
地位と待遇が向上するからには、それなりに教員資格を難関にしないといけないですかね。今は、免許そのものは容易にとれるけど、採用試験は難しいって感じでしょうか。
なのでまずは待遇アップして優秀な学生が志望するようにしていかないといけないといけないですかね。
やれ、夏休みが少ない、持ち帰りで残業している、土日にかり出される…云々、今の時代にこんなことに本気で不満を言っている業界,他にあるんでしょうか? 給与1つとっても、都市部は別として、一般企業では40〜50代の人が月20万そこそこで働いている地方で、教員の給与待遇が悪いとはとても思えないですが…。
そうは言っても、休日に身銭を切って遠くまで出かけて研究会に参加することを厭わないような教師も大勢いる訳で、要は、やる気がなくても何か目だって問題を起こさなければとりあえずはやっていける、今までの管理・評価体制に問題があったんじゃないでしょうか? 色々と機構改革が図られようとしていますが、校長・教頭の下は実質全て横並び,というこれまでのしくみはどう考えても異常だと思います。
同じ「先生」と呼ばれる職業なんだし。
あ、今度できる教職大学院とかは卒業すると待遇面で何か優遇されるんですかね?
不適格教師が増えている、という批判に対して、外部の人間の印象批評だという反論をよく耳にしますが、実際反論のとおりだとしても、それを裏付ける根拠があまりに不明確で、外部の人間が十分納得し得るようなものではないから、何か機会があるたび同じような応酬になります。
いずれにしても、今まで教職公務員の社会は、その他の社会に比べて、他人から評価されることや管理されることを禁忌する空気が支配的だったことは間違いないのではないでしょうか。