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公取委、教科書流通に競争原理導入を提言
kyoikujin
2007/8/7 掲載

 教科書の無償給与制度が実施されて以来、供給システムが固定化され、競争が行われていないなどとして、公正取引委員会は3日、「教科書の流通実態に関する調査報告書」(PDF)を発表し、競争によるシステムの改善と供給手数料の水準引き下げを促した。

 調査は教育委員会、教科書発行者、特約供給所、取次供給所、学校へのヒアリングとアンケートによって行われ、以下のような問題点が指摘された。

  • 教科書供給システムが、無償給与制度が実施された昭和38年以降、長年にわたって基本的にほとんど変わっていない。
  • 現在の教科書供給システムにおいて、過不足調整等が必ずしも万全に行われていない。
  • 教科書の供給手数料の水準が、ほとんどの取引において、長期にわたり固定化。

 公取委では、競争政策上の観点から、供給ルートの複線化を視野に、情報化、物流の合理化等、時代の変化に即したより効率的な教科書供給システムの構築に向けて更に検討を深めるべきであるなどと提言している。

 義務教育用教科書の購入予算のうち、供給手数料は予算の15%(うち4%が特約供給所分、11%が取次供給所分)に当たる約59億円が計上されている。情報通信技術も物流も飛躍的に発展した現在、このような指摘がなされるのは当然のことかもしれない。供給手数料のスリム化はもちろんのこと、ITを活用した事務作業の軽減など、公取委の提言を受けての教科書業界の取り組みに期待したい。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
コメントの一覧
8件あります。
    • 1
    • 名無しさん
    • 2007/8/8 9:12:56
    昔は存在意義があったのかもしれませんが、
    教育委員会が取りまとめて教科書会社に手配すればよい話で、
    取次や販売店は必要ないですよ。流通経費だけで59億円って
    どんだけ無駄遣いなんだか。
    各県の取次は下っ端クラスの天下り先なんでしょうけど。
    • 2
    • 名無しさん
    • 2007/8/8 10:28:02
    特殊指定も廃止されましたし、教科書業界は完全に公取にロックオンされてますな。
    • 3
    • 名無しさん
    • 2007/9/15 15:53:54
    ・・・
    • 4
    • 名無しさん
    • 2007/9/15 16:08:43
    県下の特約は取次供給所に対し、独占的な態度で応対し、取次供給所が書店の場合、たとえば高価な書籍を特約から仕入れるよう圧力をかけ、従わなければ教科書の納入権利をとりあげると、強要してくる。特約ははっきりと、教科書納入の権利を独占していると発言した。特約は教科書納入の権利と発言した。今時珍しい業界である。
    • 5
    • 業界人
    • 2007/9/15 16:31:41
    どうしてこの様なシステムが今まで温存されてきたのか、不思議である。文部科学省が自らの影響力を温存する為、特約供給所を庇護してきたのではないか? 公正取引委員会は直ちにこの様な時代に逆行した非効率的なシステムにもっと厳しく監視すべきである。特約供給所など無くても教科書流通はむしろスムーズに、そして安価に行える。

    • 6
    • 名無しさん
    • 2007/9/16 21:15:01
    だいたい教科書を扱ってる本屋さんってお客さんいない。教科書だけでメシ食ってる感じ。こんなシステム今まで残っているのが不思議。公正取引委員会の怠慢、もっと厳しく摘発すべき!!!
    • 7
    • 名無しさん
    • 2007/9/17 13:17:22
    年に1回、教科書を右から左に流すだけで生活できてしまいますからね。税金で養ってあげてるようなもんですよ。
    • 8
    • 名無しさん
    • 2007/9/18 20:45:13
    >6に賛成
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