19、20日に大学センター試験が行われます。大学受験の第一関門を控え、直前の追い込みをしている高校生も多いのではないでしょうか。
12日の朝日新聞の記事によると、センター試験の科目数を減らす国立大学が出てきたとのこと。
国立大学志願者にセンター試験で5教科7科目を課すようになったのは、平成16年度からです。国立大学協会の「国立大学の入試改革―大学入試の大衆化を超えて―」を見ればわかるように、受験生の学力低下が問題となり、高校生として身につけるべき基礎的学力を測るために原則として5教科5科目から5教科7科目を課すことになりました。
大学生の学力低下については現在でもさまざまな動きがあります。しかし、学生の数が減っている状況では、大学としていかに受験生の確保をするかの方が急務と言えるでしょう。科目数減は、各学部で求められる特定の能力を重視できるという利点もありますが、受験生を増やしたいという大学の意図が強いようです。
一方、二次試験の前期、後期試験を一本化する国立大学も増えています。Z会が発表している後期日程廃止主要国公立大学一覧をみると、年々後期試験を廃止する大学がで出てきており、今年度では人気のある東京大学の一部学部で後期試験が廃止されています。
この背景には、国立大学協会が前期・後期に振り分ける分離分割方式の弾力化を行ったことがあります。以前の記事でもお伝えしたように、AO入試が増え、従来の方式では選抜方法の多様化に対応できないからです。また、弾力化により、前期・後期受験者間の学力格差の問題を解消するとも考えられています。同協会によると、基本的には分離分割方式を今後も維持していくそうですが、同時に弾力化も引き続き適用され、後期試験を廃止する国立大学が増えてくる可能性もあります。
受験生を確保するために科目数を減らして門戸を広げる大学と、後期試験を廃止してチャンスを狭める大学。今後、国立大学間でこのような入学試験の二極化がすすんでいくかもしれません。
- 平成18年度入試にかかる分離分割方式の改善について(国立大学協会)
http://www.kokudaikyo.gr.jp/examination/pdf/kankou/h151112.pdf - 平成22年度以降の国立大学の入学者選抜制度(国立大学協会)
http://www.kokudaikyo.gr.jp/examination/pdf/kankou/h191105b.pdf - 「学士力」で大学全入時代に対応? 中教審が素案示す(2007/9/11)
http://www.meijitosho.co.jp/eduzine/news/?id=20070258 - 大学を受験するための資格試験を検討―教育再生会議(2007/11/20)
http://www.meijitosho.co.jp/eduzine/news/?id=20070405

今朝、ニュースでもとりあげられてました。
受験生が減少している中で新しい予備校が3校も建設されているとか。
全入時代になっても、難関校の競争は激しいようです。