きょういくじん会議
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頑張る「学校“表”サイト」―全日本小学校ホームページ大賞
kyoikujin
2007/11/27 掲載

 学校裏サイトなどで子どもとインターネットの関わり方が問題となる一方、最近では学校の公式ホームページづくりに力を入れる小学校が多いようです。そのような学校の“表”サイトへの取り組みを評価する全日本小学校ホームページ大賞(通称J-KIDS大賞)の最終結果が17日に発表されました。

 J-KIDS大賞は、全国の小学校が運営するホームページを対象に優れたホームページを選考することで、学校ホームページの可能性を世に広めることを目的とした大会です。今年で5回目の開催となりました。

学校ホームページで保護者や地域と信頼関係を

 選考コンセプト審査基準を読むと、特別なコンテンツやかっこいいデザインよりも、「地味でベタな情報」や使いやすさ、地道で頻繁な更新、保護者や地域の方との関わりを評価していることがわかります。良いホームページとはステークホルダー(利害関係者)にとって有益なものである、という考え方に基づいているそうです。
 今回、経済産業大臣賞を受賞した新潟市立亀田東小学校のホームページを見ると、職員や保護者からの学校評価や、学校財務までも掲載されており、保護者や地域住民の知りたいことが網羅されています。総務大臣賞を受賞した益田市立吉田小学校では、毎日の登下校情報が更新されており、こちらも地味ながら重要な情報といえそうです。
 また、受賞した学校の多くには子どもが更新するコンテンツがあり、子どもの様子や日々の思いがありありと伝わってきます。保護者にとっては安心の材料になるので、非常に有益な情報といえそうです。
 学校ホームページ活動とは、このように関係者に対して説明責任をしっかりと果たし、信頼関係を築いていく活動ともいえるようです。大賞を受賞した斜里町立峰浜小学校では保護者参加のブログもあり、地域全体で子どもを見守る信頼関係がうかがえます。

子どもたちへの情報教育の効果も

 子どもたちがホームページ運営に関わることには、教育的な効果もありそうです。受賞した学校に設置されている子どもたちのブログを読むと、必ずハンドルネームを用いて本名を出さず、写真を見ても個人を特定できるものが少ないことに気付きます。個人情報に対する意識が行きとどいているといえそうです。新聞記者が取材に来たときに、子どもから「ブログに写真を載せてもいいですか」と聞いたらしく、事前の肖像権確認も欠かしていません。
 携帯電話の機能充実などで子どもたちとネットの関係が問題になっていますが、教師と一緒に情報を発信し、サイト運営に関わっていくことで、ネット時代のルールやマナーを自然に学んでいくことができるのではないでしょうか。

 学校ホームページの運営は地味で大変なものかもしれませんが、以上のような多くのメリットがありそうです。J-KIDS大賞は地道な取り組みでもしっかりと評価してくれるらしいので、運営担当の方は大賞を目指して頑張ってみてはいかがでしょうか。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
コメントの一覧
2件あります。
    • 1
    • 名無しさん
    • 2007/11/28 14:47:05
    ホームページを見ると学校のヤル気が分かる気がします。単にパソコン使える先生がいるかいないかなのかもしれませんが…。
    • 2
    • 名無しさん
    • 2007/11/29 17:06:25
    県の優秀校や県代表などもあるんですね。
    県ごとの優秀校くらいなら頑張れば選ばれそうだし、小さな目標が設定されているのは良いことなのではないでしょうか。選定もフェアなようですし。
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