世界中から数学好きな高校生が集まる大会をご存知でしょうか?
7月31日の新聞各紙の報道によると、7月24日から29日にベトナムのハノイで行われた、第48回国際数学オリンピック(IMO)で日本は第6位という成績を修めたそうです。これは、日本では過去最高の成績。
今年は関連大会の国際物理オリンピック(IPhO)や国際生物学オリンピック(IBO)、国際化学オリンピック(IChO)でも日本から出場した選手全員がメダルを獲得するという結果が出ています。
数学… 国際的な大会… なんだか自分たちとは遠い世界だという方もいるかもしれませんが、これらの大会への出場権を手にした栄えある参加者たちは、どのように決められるのでしょう? 予選に出場する資格は誰にでもあるのでしょうか?
たとえば、数学オリンピック財団によると、日本ではIMOに毎年6名の選手が派遣されていますが、その6名は、文部科学省などが後援する、日本数学オリンピック(JMO)という数学コンテストによって選ばれるそうです。JMO本選で選ばれた者たちで合宿を行い、その中からIMO参加者が決まるというしくみ。ちなみに出題レベルは高校生以上の知識を必要としていますが、整数問題など、学校の知識だけでは解けないような問題も出題されるようです。応募資格は20歳未満で高校またはそれ以下の学校の在学生ですから、JMOには小学生でも応募できることになります。
そしてIMOに出場できなくても、実はJMOの成績によっては特定の大学の特別推薦入試受験資格をもらえたり、AO入試の第一次審査合格の権利をもらえるなどの特典があるのです。高校生より下の学生を対象とした日本ジュニア数学オリンピック(JJMO)もありますので、小学生や中学生でも、こういった大会にチャレンジすることができます。
このような子どもたち全体に広く開かれた大会に参加して学校の勉強とは一味違う問題に触れることは、子どもの才能を発揮したり、他校や他国の子どもと交流して刺激を受けたりするよい機会にもなるでしょう。
日本の若者の理系離れが指摘されつづけている今、こうした大会が子どもの才能を伸ばす恰好の場となることに期待がかかります。次は、8月15日から22日に開催予定の国際情報オリンピック(IOI)にも注目です!
- 国際数学オリンピック、日本は過去最高の6位 (産経新聞)
http://www.sankei.co.jp/shakai/wadai/070729/wdi070729003.htm - 科学オリンピック 金で理科復権!(中日新聞)
http://www.chunichi.co.jp/article/technology/science/CK2007080702039285.html - 未来の科学者を養成―中学生40人が理科漬け合宿(きょういくじん会議)
http://www.meijitosho.co.jp/eduzine/news/?id=20070163
国際情報五輪:三重の高3・片岡さん、2年連続金メダル
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/edu/news/20070823k0000m040089000c.html