著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
学校のウェルビーイングを実現しよう
名古屋市立豊田小学校校長中村 浩二
2022/7/22 掲載
今回は中村浩二先生に、新刊『ウェルビーイングを実現する「スクールリーダー」の仕事ルール』について伺いました。

中村 浩二なかむら こうじ

1970年愛知県名古屋市生まれ。
愛知教育大学教育学部理科生物学教室卒。
平成5年より名古屋市立小学校教員。教員経験29年。
平成22年度・23年度、愛知教育大学教育実践研究科(教職大学院)学校づくり履修モデルへ派遣され、学校評価の在り方を中心に学校運営について学ぶ。平成29年度より、名古屋市立東築地小学校教頭。「学校の働き方改革」に取り組む。令和元年度より、名古屋市立矢田小学校教頭。「個別最適化された学びを提供する授業改善の推進」のモデル実践校で事業の推進に携わる。令和4年度より、名古屋市立豊田小学校校長。
「学校の働き方改革」「組織開発」に関するフォーラムや管理職向け研修会での講演多数。教育関連の雑誌や新聞にも寄稿している。日本教育経営学会所属。二児の父。
本書は『全職員が定時で帰る スクールリーダーの職員室革命』(明治図書)に続き、二冊目の著作となる。

―本書では先生がウェルビーイングの実現のために、これまで行ってこられた取り組みをまとめていただきましたが…先生、「ウェルビーイング」って何ですか?

 「ウェルビーイング」は直訳すると「健康」となります。しかし、「幸福」とか「幸せ」と翻訳されることが多いです。つまり「身体的・精神的・社会的な面で全てが良好な状態にあること」を意味するのですね。身体が健康であるということにとどまらず、自己実現ができる環境が整っていることや、自律的に仕事に取り組めることなども含まれることになります。社会全体で、働き方改革の取り組みが進む中で、「ウェルビーイング」という言葉に注目が集まるようになりました。

―なるほど…本書は学校現場に関わる全ての方の幸せを願う書籍なのですね。全ての方といいますと…担任の先生や子ども…どんな方々でしょうか?

 まず、学校で働く職員です。第1章は、職員のウェルビーイングを実現するために行った「教頭の日々の取り組み」について、第2章は「教頭の年間を通した取り組み」についてまとめています。
 次に、学校で過ごす子どもたちです。第3章には、子どもたちのウェルビーイングを実現するために管理職とミドルリーダーが協力して進めた「子ども主体の新たな学びの実現に向けた取り組み」についてまとめています。
 さらに、学校をよりよくしようと考えてくださっている保護者や地域の方々です。第4章は「PTA改革」と「望ましい学校と地域のつながりの実現」について述べています。
 最後に自分自身です。第5章は「教頭としてのウェルビーイングを実現するために心掛けていること」についてまとめました。

―本書の構成も教えてくださりありがとうございました。先生の前著『全職員が定時で帰る スクールリーダーの職員室革命』では働き方改革を進めるための革命的な具体策とマインドセットをおまとめくださいましたが、今回の書籍は、そんな革命(?)も、千里の道は一歩から、日々、先生が心掛けておられることから始まっていることを感じました。では、そんな先生の仕事ルールを一つ簡単にご紹介いただけませんか。

 はい。それでは、1日を始めるにあたっての「仕事ルール1 校内を巡視し、変化にいち早く気付く」について紹介します。
 朝、出勤し、タイムカードをカードリーダーに通したら、門や校舎の会場と学校施設の点検からスタートします。
「門をスムーズに開けることができるか」
「手洗いやトイレから異音はしないか」
「雨漏りがしていた天井の修繕箇所は、その後大丈夫だろうか」
など、校内を点検しながら異常の有無を確認していきます。職員が気持ちよく朝のスタートを切ることができるようにするための、大切な仕事の一つと自覚して続けていた「教頭時代の仕事ルール」の一つです。

―本書で紹介くださったようなたくさんの思いをもって先生はご実践を続けておられるのだと思いますが、先生はさらなる「ウェルビーイング」のために今後こんなチャレンジをしたい、と思っておられることがあればどうぞ教えてください。

 この4月から校長になりました。学校運営に対する責任の重さをひしひしと感じています。「ウェルビーイングを実現する社会の担い手」となるように、子どもたちの力を伸ばしていきたいと考えています。
 一人一人が感じるウェルビーイングは違います。それぞれのウェルビーイングを大切にすることができるように、互いの思いや考えを認め合い、その実現に向けて協働することができるような学校づくりを進めたいと考えています。簡単ではありませんが、その第一歩として、子ども、教職員、保護者、地域の方々を巻き込んで、学校のグランドデザインを描くことができればと思っています。

―本書を手に取ってくださった方、学校の「ウェルビーイング」を実現したいと同じ志をもつ方に、最後にメッセージをお願いします。

 今回、執筆した『ウェルビーイングを実現する「スクールリーダー」の仕事ルール』には、教頭として過ごした5年間で、学校に関わる全ての人のウェルビーイングを実現するために大切にしてきたことを、50のルールとしてまとめました。少しでも、みなさんの考えるウェルビーイングの実現のお役に立てるとしたら、こんなにうれしいことはありません。ウェルビーイングの実現のために、共に頑張りましょう。

(構成:佐藤)
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