著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
崩壊学級担任を救えるのは、同僚のあなただけ…
山口県岩国市立川下小学校教諭中村 健一
2021/5/28 掲載
今回は中村健一先生に、新刊『策略−ブラック学級崩壊サバイバル術』について伺いました。

中村 健一なかむら けんいち

1970年、父・奉文、母・なつ枝の長男として生まれる。
名前の由来は、健康第一。名前負けして胃腸が弱い。
酒税における高額納税者である。
キャッチコピーは「日本一のお笑い教師」。「笑い」と「フォロー」をいかした教育実践を行っている。しかし、この『ブラックシリーズ』でその真の姿、「腹黒」をカミングアウト。

―『ブラック』も、7冊目。今回の『ブラック』は、『学級崩壊サバイバル』です。学級崩壊を起こし苦しんでいる教師を救う本ですね?

 もちろん、学級崩壊で苦しんでいる教師にも読んで欲しいです。
 第1章は、崩壊学級担任の「策略」を書いていますしね。
 学級崩壊は、死ぬほど苦しいものですから。第1章を読んで、自分の心と体、そして、家族の生活を1年間守って欲しいと思っています。

 しかし、それ以上に読んで欲しいのが、学級崩壊を起こし苦しんでいる教師の同僚です。第2章は、崩壊学級担任の同僚、管理職の「策略」を書いていますので。
 学級崩壊の厳しい1年を生き抜けるかどうか?崩壊学級担任だけの力ではどうにもなりません。周りの支えが絶対に必要なのです。私は、

 本人のがんばりが3割、職員室のがんばりが7割

だと思っています。まさに、

 崩壊学級担任の命は、職員室が握っている

のです。だから、同僚、管理職は、第2章を読んで、崩壊学級担任の力になってあげて欲しいです。

―崩壊学級担任だけでなく、同僚、管理職にも読んでいただきたいのですね。中でも誰に一番読んで欲しいですか?

 管理職です。校長先生、教頭先生にこそ読んで欲しいですね。

―!!でも…先生、「学級崩壊の一番の『戦犯』は校長だ」とか書いちゃってますよね。「戦犯」と言われて、読む校長先生がいらっしゃるかしら?(心配)

 なはははは。「戦犯」(笑)。言っちゃってますね。
 でも、校長先生には、おおらかな、というか、そういうのを許してくれる太っ腹な人になっていて欲しい。校長は、やっぱ、親分肌の人がいいですよね。
 「俺は、学級崩壊の一番の『戦犯』だ。だから、全力で崩壊学級担任を助けたるで」みたいな。

―なるほど!そんな校長先生に、さらにここでも言っちゃいましょう。一番言いたいことは何ですか?

 あきらめることですね。学級崩壊の立て直しなんて、絶対に無理なんですから。

 校長に必要なのは、学級を立て直すための「策略」ではありません。
 崩壊学級担任の心と体を少しでも楽にしてあげるための「策略」なんです。

 それなのに、なんとか立て直そうとする校長が多いです。
 担任に戦わせる。そして、さらに学級の状態を悪くさせる。
 こうなるのは、目に見えているんですけどね。
 そんな逆効果しかない「策略」で、崩壊学級担任を追い詰める校長は最悪です。

 子どもや保護者のことを一番に考える校長が多いのも問題です。
 校長は、何よりも可愛い部下、崩壊学級担任を救出するための「策略」を第一に考えて欲しいですね。

―さて。この策略シリーズ、お決まりのセリフをどうぞ!

  では、気合いを入れていきます。
 ・・・

 倍返しだ!

―(チーン)それ、なんか違います。

 はい、真面目に。「倍返し、いや、1000倍返しだ!」…しつこいか。

 学級崩壊は、死ぬほど苦しいものです。それでも、自分の心と体、家族の生活を守らなければならない。
 崩壊学級担任は、自分が生き残るためなら、何をしたって構わないと思っています。

 子どものため、保護者のため、なんてキレイ事は必要ありません。
 同僚や管理職に遠慮する必要もありません。

 厳しい学級崩壊の1年を生き抜くために、黒くなれ!

(構成:佐藤)

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