著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
「努力の方向性」がわかれば、誰もが教師として幸せになることができます
桐蔭学園小学校熱海 康太
2020/6/10 掲載
  • 著者インタビュー
  • 教師力・仕事術
 今回は熱海康太先生に、『駆け出し教師のための鬼速成長メソッド』について伺いました。

熱海 康太あつみ こうた

 桐蔭学園小学校教諭。
 著作に『幾つもの(小説)』『即効!明日から使える!小学校教育実践100』
 ツイッターで教育関係者のフォロワー9100人超(@jetatsumi)。
 講演会、研修会多数。

―本書では、若い教師が技量を最短で高めるために、様々な場面で役立つ方法をご紹介いただきました。今回の書籍に込められた想いについてぜひお伺いできればと存じます。

 教師には実にマルチな能力が求められます。若手の先生のお話を伺うと、子どものことは大好きだけれど、「自分にはセンスがない」「器用にできる同僚が羨ましい」と言われる方も少なくありません。そのような方に、才能のあるなしは関係なく、ほんの少し努力の方向性を変えるだけで、誰もが教師としての幸せをつかむことができると伝えたいです。また、地域のリーダーを目指される先生方にも、汎用的な成長メソッドを知っていただくことで、さらに活躍の場を広げていただきたいと考えています。

―熱海先生が教職1〜5年目のときは、どのような点で苦労されましたか。

 3年目にクラスがうまくいかずに、学級崩壊のような状態になってしまったことがありました。そのときの反省を生かし、 子どもたちのために教師としての自分の力を伸ばしていきたいと考えましたが、どの方向に努力をしたら良いのかわからず、空回りしている期間が長かったように感じます。今思えば周りと比べる必要はなかったのですが、子どもたちの学びをより多く引き出し、活躍する同僚がとても羨ましかったことを覚えています。そのときの試行錯誤や悔しい思いが現在の自分をつくり、本書の刊行にもつながっています。

―新型コロナウイルスの影響で、研究会やセミナーが相次いで中止となる中、駆け出し教師はどのようにして力をつけていけば良いのでしょうか。

 確かに教師の学び方も大きく変わりましたが、オンライン研修会などでは、物理的な距離を越えて自宅のリビングでも学ぶことができるといったメリットがあります。移動にかかるはずだった時間は、自分と向き合うことに使うこともできると思います。そう考えると、制約があることによって、今までとは違う部分に成長の種を見つけたり、まだ見ぬ自分に出会ったりするチャンスだと捉えることもできるのではないでしょうか。努力の方向性をつかみ、ポジティブな側面に注目し、今だからこそ伸ばしやすい力を考えることが大切だと思っています。

―読者の先生方へ向けて、最後にメッセージをお願いいたします。

 子どもたちがより良く成長することが、我々の一番の喜びだと思います。それを実現するためには、がむしゃらに手当たり次第、努力するだけでは足りないことがあります。努力の方向性を知り、脳の中を変えることができれば、教師として、また人間としてのあなたの成長は「鬼速」になります。本書で、教師として幸せをつかむための汎用的な学びを獲得していただければ幸いです。ともに教師生活を楽しみながら、子どもたちの素晴らしい未来をつくっていきましょう。

(構成:赤木)
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