著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
たった5分間で、英語の学びはこんなに楽しめる!
熊本市立飽田東小学校前田 陽子
2019/7/22 掲載

前田 陽子まえだ ようこ

大分県中津市生まれ。熊本市立飽田東小学校教諭。
2017年度、英語教育推進リーダー中央研修受講。
2018年度、熊本市外国語巡回指導教員。
2019年度、熊本市英語指導力向上事業研究推進教員。
2018年度より熊本県小学校英語教育研究会事務局研究部長。
熊本大学教育学部英語科卒業後、熊本県牛深市および熊本市内の公立小学校、熊本大学教育学部附属小学校に勤務する。
1年生から6年生の学級担任、熊本市生活科研究員、総合的な学習の時間専科、外国語活動専科を経験。
国際交流やICT活用を通じながら、日々の授業における「言葉への気付き」や「コミュニケーション力の育成」を促す活動の工夫を探究中。「九州学びの会」にて子どもたちのつながりと学び合いの実現をめざした支え合い育ち合う研修にて学び中。

―まずは、本書のコンセプト、本書に込めた先生の思いをご紹介いただけますか?

 5分という短い時間でも、「言葉」と「コミュニケーション」を大事に体験的に学ぶことができる活動を工夫したいと考えました。全てのミニ活動は、実際の授業で取り組み、子どもたちの反応を確認したものばかりです。5分間の活動だからこそ、指導者がファシリテイターとして一人一人の学びを導き、同時によきコミュニケイターとして関わりながら、英語によるやりとりを楽しんでほしいと願います。

―本書で紹介されている「ミニ活動」は、すべて5分で完結しています。5分という短時間であっても子どもの満足度を高め、学びにつなげるためのポイントを教えてください。

 「つい」、「思わず」やってみたくなる「しかけ」がポイントです。「しかけ」には、好奇心が刺激されたり、違和感を感じて気になってしまったりするものが必要です。本書で紹介するミニ活動には、ドリル学習や単なる繰り返し練習でやらされるのではなく、心や頭が自ずと動き出すような「しかけ」を取り入れています。また、ある子どものつぶやきの中に「気づき」につながるものをしっかりと見取り、全員で共有させる「立ち止まって一緒に考えてみる」ことが、体験的な学習を「学び」につなげるポイントだと考えます。

―本書では、たっぷり60もの活動をご紹介いただいています。その中でも特におすすめの活動を1つだけコッソリご紹介いただけますでしょうか?

 もちろん、全てがオススメなのですが…、しいて挙げるとするならば「この次なあに?(4年)」でしょうか。理由は、@いつでもすぐにできる、A準備物なし、B思わず言いたくなる、C気付きを促すことができる、Dバリエーションを増すことができる、からです。
 この活動では、まず指導者がある単語の一部だけを伝えて黙ります。例えば「strawberry」であれば、「st... st...」と,はじめの音だけ発音するのです。これだけで、子どもは「分かった!」と続きを考え始めます。子どもたちがどんな続きの言葉を発するかを楽しみながら聞いた後に「Yes! Strawberry!」と伝えるのです。
 この活動は、子どもたちのアイデアでさらに進化しました。「先生、何も言わないで口だけ動かしても当てられるよ!」と言うのです。ALTの先生に試していただきました。全員はじ〜っと口元を見て、「bananaだ!」と喜んでは、「次の問題出してください!」と催促するほどでした。

―各学年のChapterの最後にあるコラムでは、英語の音や表現に対する子どもの気付きに関するエピソードをご紹介いただいています。先生のとっておきのエピソードを一つ、ご紹介いただけますでしょうか?

 デジタル教材の絵本「In the Autumn Forest」を見ていた時のことです。「えっ?‘タロウ’って聞こえた!」と言うつぶやきが聞こえました。突然なんのことか、私にはさっぱり分かりませんでした。「太郎」が登場するわけでもなく、周りの子どもたちも何のこと?と不思議に思っていました。一時停止して、再度みんなで聞き直すと確かに「タロウ」と聞こえてくる部分がありました。「Yes、 I am. I’m a turtle.」だったのです。
 他にも、「ナスなのにeggが入ってる!」などなど、小学生ならではの面白い、しかし気付きにつながるつぶやきを「コラム」に紹介しております。

―いよいよ、小学校3・4年生での外国語活動、5・6年生での外国語科授業がスタートします。全面実施を控えた今、前田先生から全国の先生方へメッセージをお願いいたします!

 英語教育改革も変遷を積み重ね、子どもたちの学びを支える準備がやっと整ってきたと言えます。子どもたちの期待感もさらに高まり、「学びたいモード全開!」の子どもたちがいます。初めての外国語活動で「たった45分の授業でこんなに(英語が)できるなんてびっくりしました! なんか楽しい!」と授業を振り返る子どもたち。そんな子どもたちと、英語を道具とする体験的な学習を楽しみながら、言葉やコミュニケーションについて学ぶ面白さを共に味わっていきましょう!

(構成:小松)
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