- 著者インタビュー
- 外国語・英語
5分という短い時間でも、「言葉」と「コミュニケーション」を大事に体験的に学ぶことができる活動を工夫したいと考えました。全てのミニ活動は、実際の授業で取り組み、子どもたちの反応を確認したものばかりです。5分間の活動だからこそ、指導者がファシリテイターとして一人一人の学びを導き、同時によきコミュニケイターとして関わりながら、英語によるやりとりを楽しんでほしいと願います。
「つい」、「思わず」やってみたくなる「しかけ」がポイントです。「しかけ」には、好奇心が刺激されたり、違和感を感じて気になってしまったりするものが必要です。本書で紹介するミニ活動には、ドリル学習や単なる繰り返し練習でやらされるのではなく、心や頭が自ずと動き出すような「しかけ」を取り入れています。また、ある子どものつぶやきの中に「気づき」につながるものをしっかりと見取り、全員で共有させる「立ち止まって一緒に考えてみる」ことが、体験的な学習を「学び」につなげるポイントだと考えます。
もちろん、全てがオススメなのですが…、しいて挙げるとするならば「この次なあに?(4年)」でしょうか。理由は、@いつでもすぐにできる、A準備物なし、B思わず言いたくなる、C気付きを促すことができる、Dバリエーションを増すことができる、からです。
この活動では、まず指導者がある単語の一部だけを伝えて黙ります。例えば「strawberry」であれば、「st... st...」と,はじめの音だけ発音するのです。これだけで、子どもは「分かった!」と続きを考え始めます。子どもたちがどんな続きの言葉を発するかを楽しみながら聞いた後に「Yes! Strawberry!」と伝えるのです。
この活動は、子どもたちのアイデアでさらに進化しました。「先生、何も言わないで口だけ動かしても当てられるよ!」と言うのです。ALTの先生に試していただきました。全員はじ〜っと口元を見て、「bananaだ!」と喜んでは、「次の問題出してください!」と催促するほどでした。
デジタル教材の絵本「In the Autumn Forest」を見ていた時のことです。「えっ?‘タロウ’って聞こえた!」と言うつぶやきが聞こえました。突然なんのことか、私にはさっぱり分かりませんでした。「太郎」が登場するわけでもなく、周りの子どもたちも何のこと?と不思議に思っていました。一時停止して、再度みんなで聞き直すと確かに「タロウ」と聞こえてくる部分がありました。「Yes、 I am. I’m a turtle.」だったのです。
他にも、「ナスなのにeggが入ってる!」などなど、小学生ならではの面白い、しかし気付きにつながるつぶやきを「コラム」に紹介しております。
英語教育改革も変遷を積み重ね、子どもたちの学びを支える準備がやっと整ってきたと言えます。子どもたちの期待感もさらに高まり、「学びたいモード全開!」の子どもたちがいます。初めての外国語活動で「たった45分の授業でこんなに(英語が)できるなんてびっくりしました! なんか楽しい!」と授業を振り返る子どもたち。そんな子どもたちと、英語を道具とする体験的な学習を楽しみながら、言葉やコミュニケーションについて学ぶ面白さを共に味わっていきましょう!