- はじめに
- Chapter.0 ミニ活動 活用のポイント
- 1 ゲームだからこそのコミュニケーションを楽しむ!
- 2 聴かざるを得ない・言わざるを得ない状況をつくる!
- 3 「考えることが楽しい」を仕組む!
- 4 簡単なモデルを示してすぐに始める!
- 5 短時間(5分)で集中して楽しむ!
- 6 どの子どもも不安なく英語を使えるようにする!
- Chapter.1 3年生のミニ活動
- 1 ジェスチャークイズ 【How are you? / I’m 〇〇.】
- 2 How manyマッチング 【How many?】
- 3 世界のポストクイズ 【What color is this?】
- 4 もじもじ体操! 【アルファベット大文字】
- 5 Let’s make a letter land 【アルファベット大文字】
- 6 この次なあに? 【アルファベット大文字】
- 7 この文字な〜んだ? 【What’s this? / It’s 〜. / That’s right.】
- 8 ひょっこり文字文字 【What’s this? / It’s 〜. / That’s right.】
- 9 3ヒントクイズ 【What’s this? / It’s 〜. / That’s right.】
- 10 窓開けクイズ 【What’s this? / 〜, please.】
- 11 いろんな声で言ってみよう 【Who are you? / I’m 〜.】
- 12 あなたはだあれ?ジャンケン 【Who are you? / I’m 〜.】
- 13 なんと言っているでしょう? 【それぞれの単元で扱う語彙】
- 14 Say & Clap 【これまでに学習した語彙や表現】
- 15 I can see bananas. 【これまでに学習した語彙や表現】
- Column 音のキャッチ力がすごい!
- Chapter.2 4年生のミニ活動
- 16 どんな気持ちで言えばいい? 【How is the weather? / It’s sunny.】
- 17 息ぴったり! マッチングゲーム 【曜日を表す言葉】
- 18 Let’s Enjoy! 曜日リレー 【曜日を表す言葉】
- 19 オリジナルチャンツをつくろう 【曜日を表す言葉】
- 20 つられちゃダメよ! 【文房具を表す言葉】
- 21 誰が持っているの?クイズ 【Do you have (文房具) ?】
- 22 小文字ならべリレー 【アルファベット小文字】
- 23 Don’t say ‘z’ 【アルファベット小文字】
- 24 How many letters? 【アルファベット小文字】
- 25 欲しいものはどれクイズ 【What do you want? / I want 〜, please.】
- 26 Which is bigger? 【What do you want? / I want 〜.】
- 27 この次なあに? 【これまでに学習した語彙や表現】
- Column 肌色って英語でどう言うの?
- Chapter.3 5年生のミニ活動
- 28 これって英語でどう言うの? 【新語句の導入】
- 29 Don’t say 21/31st 【Birthday】
- 30 教科ラッキーゲーム 【What do you have on Monday?】
- 31 夢の時間割! 【I study P.E. with Ichiro!】
- 32 時間順にならべ! 【What time do you 〜? / I get up at〜.】
- 33 〇〇先生はどれ? 【Always? Usually? Sometimes? Never?】
- 34 どの場面でしょう?クイズ 【I can’t 〜.】
- 35 She & He & I 【She can 〜. He can 〜. I can 〜.】
- 36 Me too, Me neitherゲーム 【I can 〜. /Me, too./ I can’t 〜. /Me, neither.】
- 37 国旗3ヒントクイズ 【What country is this?】
- 38 Simon says 【道案内の表現】
- 39 ジョーカーを探せ! 【道案内の表現】
- 40 こんなのいやだ〜! 【文房具や日用品,場所を表す語彙】
- 41 〇〇を探せ! 【各教室の語彙・道案内の表現】
- 42 Go Fish ゲーム 【What would you like? / I’d like 〜.】
- 43 得意な人さがしビンゴ 【What are you good at? / I’m good at 〜ing.】
- 44 どの文字入れる? 【これまでに学習した語彙(文字と音のつながり)】
- Column サッカーって日本語じゃないの?
- Chapter.4 6年生のミニ活動
- 45 I & YOUトーキング 【I (You) like 〜. I (You) can 〜.】
- 46 文文カードマッチング 【語順】
- 47 Who is he/she?クイズ 【He/She can’t 〜. But he/she can 〜.】
- 48 サークルゲーム 【Do you have a library?】
- 49 ホリデージェスチャークイズ 【I went to 〜. / I ate 〜. / I enjoyed 〜.】
- 50 聞いた順に並べよう 【I went to/saw/ate/enjoyed 〜.】
- 51 倍々トーキング 【I went to 〜. / I ate 〜. / I enjoyed 〜.】
- 52 ラッキーオリンピックゲーム 【What do you want to watch?】
- 53 メモリーマッチング 【What’s your best memory?】
- 54 ラッキーメモリーゲーム 【What’s your best memory?】
- 55 頭しっぽ探しゲーム 【What do you want to be?】
- 56 フィンガーツイスター 【Junior High School Life(部活動などを表す語彙)】
- 57 My Word Bankづくり 【What did you learn today?(その日の振り返り)】
- 58 仲良しスクラブル 【これまでに学習した語彙】
- 59 真実の口ゲーム 【これまでに学習した英語表現の復習】
- 60 スパイゲーム 【これまでに学習した英語表現の復習】
- Column 茶道ってティーロードでいいかな?
はじめに
この度,外国語巡回指導教員として日々の授業の中で取り組んできた活動を一冊の本にまとめることができました。これから始まろうとする外国語活動・外国語科に向け,多くの方々にお伝えできる機会をいただきましたことを心より感謝いたします。
本書で紹介するものは,学級担任として子どもたちと関わってきた外国語活動の授業を土台に,巡回する小学校の先生方とともに試行錯誤を重ねてきたものばかりです。手立てを工夫する際,まず大事にしてきたことは目の前にいる子どもたちの反応です。単なるドリル学習や練習では子どもたちの心にも響かず,学ぶ喜びが生まれるとは言えません。
そこで,5分という短い時間でも,「言葉」と「コミュニケーション」を大事に体験的に学ぶことができる活動を工夫したいと考えました。この願いをもとに,実際の授業の中で子どもたち一人一人の表情に注目し,聞こえてくるつぶやきにじっくり耳を傾けてきました。また外国語を通して学んだからこそ「気付き」が生まれた感動を子どもたちとともに喜んできました。一方で,期待する反応がなく,「どうしたら…?」と思い悩むことがありました。だからこそ,活動をリデザインするチャンスも生まれました。これもほかならぬ子どもたちの学びのあしあとがあったからこそだと感じています。
さて,新学習指導要領では「教え」ではなく「学び」への転換が求められています。これは新たに始まる外国語活動・外国語科も同様です。子どもたちが主体的な学びを通して深く学び続けるために,指導者はファシリテイターとして一人一人の学びを導くことが重要だと考えます。同時によきコミュニケイターでありたいとも思います。
私が教師となりやがて30年目を迎えます。牛深市にある深海小学校からスタートした教員生活1年目,校区の中学校に配属されていたALTに「小学生とぜひ交流してほしい!」と頼みに行きました。アメリカからのキム先生を目の前に,たどたどしくも何とか話しかけようと目を輝かせていた小学生たちの姿が思い出されます。熊本市の一新小学校や出水小学校では,近くに住む留学生との交流を行いました。スリランカのラヴィさんが書く絵のような文字,カナダのセバスチャンがつくってくれた砂糖菓子。英語を通して「その人」と触れ合う子どもたちの姿は普段とは大きく違っていました。熊本大学教育学部附属小学校や飽田東小学校では,タブレットに映るオーストラリアやインドネシアの小学生と顔を見ながら英語で会話したこと。さらにはその相手と学校で一緒に過ごした数日間。子どもたちから沸き立つものを間近で見ながら,小学校で行う英語教育の可能性に手応えを感じてきました。
英語教育改革も変遷を積み重ね,子どもたちの学びを支える準備がやっと整ってきたと言えます。子どもたちの期待感はさらに高いと言えるでしょう。新学期「学びたいモード全開!」の子どもたちがいます。初めての外国語活動で「たった45分の授業でこんなに(英語が)できるなんてびっくりしました! なんか楽しい!」と授業を振り返っていました。そんな子どもたちを前に我々は背筋をピンと伸ばさずにはいられません。だからって大声を上げるのではなく,急にテンションを高くするのでもなく,落ち着いた柔らかいトーンで語りかけていきたいものです。また,素直で率直なつぶやきの中からも気付きを見出し価値づける力を磨き続けたいとも思います。
まずは本書で,「ALTになりたい」と小学生の頃の夢を実現したベイリー先生が描いてくださった素敵なイラストや実際の子どもたちの様子が分かる写真を見ながら,共に活動を楽しんでみてはどうでしょうか。ここに紹介する5分の活動から少しずつ始めていただければ幸いです。
2019年5月 /前田 陽子
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- 明治図書
- 学習内容につながるゲームが紹介されていて、活用しやすい。ゲームを通して、会話に慣れさせることができる。2019/9/2840代・小学校教員