著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
筑波小図工部のとっておきの題材&授業を公開!
筑波大学附属小学校図画工作科教育研究部北川智久
2019/2/6 掲載
  • 著者インタビュー
  • 図工・美術
  • コメント(0)

北川 智久 きたがわ ともひさ

千葉県出身 千葉大学卒業
平成19年 筑波大学附属小学校赴任
工作やICT活用に特に興味があります。
何かを工夫することは生きがいです。
工夫したことが人から喜ばれると、最高に嬉しいです。

―ズバリ、筑波大学附属小学校・北川先生の授業の特徴を教えてください。

 子どもが手を働かせて、または、手の延長のように用具を使って表し方を工夫している姿が好きです。だから、工作、立体、造形遊びなどの授業が多くなりがちです。
 その授業で、何がポイントか、何ができればよいか、自分たちにゆだねられている部分は何か、ということが子どもたちに伝わりやすい導入を心がけています。授業の最初に子どもたちを集めて実演をして見せ、早くやりたくなるような、その先を工夫したくなるような気持ちを引き出します。わざと失敗してみせると、子どもたちがいろいろなことを考えて話し始めます。

―本書では、手軽な材料、簡単な準備で取り組める題材が紹介されています。その中で子どもたちが夢中になる題材づくりのコツを教えてください。

 まず、「何をやるか」というゴールイメージを抱きます。そのゴールは作品づくりでしょうか。次々と工夫する子どもの姿でしょうか。形や色を通したコミュニケーション(材料と子ども、子どもと子ども、など)でしょうか。
 例えばこの3つのゴール(見取りたいこと)のどれに重点をかけるかを教師が決めるだけでも授業は生まれ変わります。「全部」というのは、よくばりです。教師が見取りたいことをしぼると、授業のめあてが明確になり、子どもが安心して力を発揮できます。
 粘土の表現でも、再現的な立体作品をつくる授業、変形・変身を楽しむ授業、粘土体操的に全身の感覚を使う授業や協動的な授業などが思い描けますよね。

―低・中・高学年で図工の授業開きにおすすめの題材を教えてください。

 本書に掲載の題材から紹介します。
 低学年では、「太いふででグングンかこう」のように、共同絵の具を太い筆でグングン塗るような表現を楽しみながら、友達とのコミュニケーションを深める活動がおすすめです。
 中学年では、パレットの扱いが重要です。「三原色でつくる無限」では、個人絵の具の扱いを確認しながら混色を工夫し、それぞれの個性が光る表現が生まれます。 
 高学年では、電動糸のこぎりを使い始めます。「複雑マニアになろう!」は自己表現の追求ですが、道具の扱いを協力したり表現を見合ったりしているうちに友達とのかかわりや学び合いが生まれます。

―今回は、「言葉かけ」をテーマにどんな風に子どもを授業に引き込むかも示していただきました。先生が子どもに言葉をかけるときに大切にされていることは何ですか?

 「造形遊び」の「遊び」には、「実験」「研究」などの意味もあります。高学年ほど、「実験」や「研究」という言葉に知的好奇心を抱きます。この遊び心や探究心を大切にしています。
 一方、「まね」という言葉も肯定的にとらえて授業に生かします。元になる考えや工夫を更に高めていくことで人間は文化を高めているのです。「きみの工夫はここだね」と認めてあげると、子どもは自信を深めて更にチャレンジし始めます。
 聞いてあげるということも大切です。子どもは、自分のことを話しているうちに考えがまとまってくるということもよくありますよね。

―最後に図画工作の授業づくりに取り組む全国の先生方に、メッセージをお願いします!

 図画工作の授業では、教師の予想を超える子どもの発想や表現に出会うことがよくあります。
 「効率よく・正しく」という学びだけではなく、「まだ見ぬ新しい未来に対応する力」という学びにも通じている大切な教科です。
 教師は、教えることは重要ですが、子どもが学ぶ、学びを広げるということも重要だということです。
 そのための言葉かけのヒントを本書にまとめました。
 どうぞ、手にとってご一読ください。

(構成:佐藤)

コメントを投稿する

※コメント内ではHTMLのタグ等は使用できません。