著者インタビュー
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今さら聞けない!知っておきたい!「合理的配慮」
西村 修一
2018/7/6 掲載
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  • 特別支援教育
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今回は西村修一先生に新刊『知っておきたい!教師のための合理的配慮の基礎知識』について伺いました。

西村 修一にしむら しゅういち

1956年栃木県宇都宮市生まれ。1979年宇都宮大学教育学部養護学校教員養成課程卒業。1996年宇都宮大学大学院研究科学校教育専攻学校教育専修心身教育分野課程修了。栃木県内の特別支援学校を歴任。

―本書は、教師のための合理的配慮の基礎基本についてまとめられたものですが、本書をおまとめになったきっかけは何ですか?

 平成28年4月1日に障害者差別解消法が施行となり、「特別支援学校新学習指導要領解説」においても、自立活動とのかかわりとして、合理的配慮の提供義務について述べられました。しかし、合理的配慮についての教育現場の関心は決して高くはなく、また、その考え方についての誤解や混乱が続いています。一人一人の教師が合理的配慮とは何か、正しく理解する必要があります。そのような状況の中、現場の実情や課題を捉えながら、教育における合理的配慮とは何か、わかりやすい解説本が必要と考えました。

―本書でも解説されていますが、近年のインクルーシブ教育の流れについて簡単に教えてください。

 障害者権利条約第24条教育では、特別な措置として特別支援学校での教育の必要性を示しつつ、基本的には、障害のある子どもが障害のない子どもと共に学ぶフルインクルージョンの達成を締約国に求めています。しかし、我が国では特別支援学校等を含む公教育制度全体をインクルーシブ教育システムとし、従前の分離教育への批判をかわして、本来のインクルーシブ教育推進の目的が見えにくい状況になっています。我が国の教育の現状を整理し、共に学ぶ教育の実現に向けた様々な施策や取組が今後も継続して求められる状況にあるといえます。

―どんな先生に本書を手に取っていただきたいですか?

 特別支援学校や特別支援学級等の教師のみならず、通常の教育に携わる教師を含めた多くの現場の教師です。中でも特に学校長や教頭、特別支援教育コーディネーター等の、校内で特別支援教育を推進するリーダー的立場にある教師の方々です。様々な取組は学校ぐるみで行われるものであり、そのために、まず校内のリーダー的立場の教師が理解を深め、校内の理解啓発や研修の推進を図っていく必要があると考えます。

―最後に、障害のある子どもの指導にかかわられる先生に向けて何かメッセージがありましたらどうぞお願いします。

 合理的配慮の言葉は、多くの教師が耳にし、障害者差別解消法の施行と共に、教育においても合理的配慮の提供が法的義務となったことも多くの教師が理解していると思います。前述したように、「特別支援学校新学習指導要領解説」においては、自立活動とのかかわりとして合理的配慮が取り上げられました。
しかし、合理的配慮の考え方について誤解や混乱を生む情報がこれまで多く、現場の理解の深まりの難しさに繋がっていました。教育に課せられた取組を担保するために、本書を通して、合理的配慮とは一体何か、具体的にその取組を推進する上でどのようなことに留意することが大切か、多くの教師が理解を深めることができればと願っています。

(構成:佐藤)

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