著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
国語授業、こんなふうにしてみませんか?
大阪教育大学附属池田小学校教諭樋口 綾香
2018/3/6 掲載
  • 著者インタビュー
  • 国語
  • コメント(0)
 今回は樋口綾香先生に、新刊『教師力ステップアップ 3年目教師 勝負の国語授業づくり』について伺いました。

樋口 綾香ひぐち あやか

1985年兵庫県生まれ。大阪府公立小学校で5年間勤務し平成25年から現職。平成28年度科研費奨励研究「読解力・表現力を育成する多読を基にした言語活動のカリキュラム開発(JSPS KAKENHI Grant Number JP16H00105)」、平成29年度科研費奨励研究「シンキングツールを取り入れた構造的板書による読解力・対話力と情報活用能力の研究(JSPS KAKENHI Grant Number JP17H00095)」を採択し、国語力を伸ばす授業づくり、構造的板書による協働的な授業デザインなどを研究している。小一・小五教育技術(小学館)で「1年生は本で伸びる」「国語で学級づくり」「樋口夫妻の構造的板書」などを連載。「先生も子どもも楽しい授業」をモットーに日々授業づくり取り組んでいる。

―本書は、教師になって3年目からステップアップするためのシリーズですね。教師になって3年目くらいの先生から、国語の授業づくりに関してよく相談される悩みはなんでしょうか。悩みに対するアドバイスも含めて教えてください。

 一番多いのが、授業をどうデザインしていいか分からずに、指導書通りに進めてしまうという悩みです。指導書は、指導要領と合わせてその学年の子どもにつけたい力を明確にして単元構成・授業デザインされています。しかし、いつもそれがよいかと言われれば、答えはノーです。目の前の子どもに合わせてアレンジすること、授業者の先生がこだわった視点で驚きや笑いを演出することにより、子どもはもっと主体的に学びます。

―本書では、楽しい授業と国語力を伸ばす授業を両立させることを目指していますね。楽しい授業をつくるために、必ず意識していることはなんでしょうか。

 授業の導入と教師の振る舞いを意識しています。導入は、子どもに考えさせたいことを明確にすること、考えたいしかけをつくること、前時とのつながりを大切にしています。教師の振る舞いは、いかに国語が楽しいか、おもしろいかということを子どもに伝わるように雰囲気や言葉かけを意識しています。笑顔で授業をする、子どもの発言に突っ込んだり驚いたり感心したり、授業者が笑いをとったりと1時間思いっきり楽しむようにしています。

―では、国語力を伸ばす授業をつくるために、必ず意識していることはなんでしょうか。

 授業の山場と振り返り、1年間の積み上げです。授業展開の中で、山場を「ふかめる」場面として位置づけ、児童の思考をゆさぶる発問や、これまで学んだことを生かして考えるなど、すぐに答えが出るものではなく、一段階深い考えを生む発問を用意しておきます。そのあと振り返りをすることで、考えを深めた自分をしっかり子ども自身が認められるようにしたいと思っています。これを1年間繰り返すと、確実に国語力を伸ばしていくことにつながります。

―これから4月に向け、国語の授業開きにおけるアドバイスをぜひ教えてください。

 1年間のルールを4月にきちんと決めておくことと、「国語って楽しいんだ!」という体験をさせることです。ルールは、音読のこと、ノートのこと、発表のこと、授業の始まりと終わりのこと、チョークの色のことなどたくさんあります。きちんと決めておけば、子どもは安心して授業を受けられます。
 学級で学ぶことに価値を見出します。一人一人が考えたことが違ったり、知らない言葉を教えてもらったり、話し合うことでもっと世界が広がったり、このような経験が集団で学ぶことの価値になります。4月の間に楽しい授業をたくさんしたいものです。

―最後に全国の先生方へ向けメッセージをお願いいたします。

 本書には、「国語の授業はこうすべきだ」というものではなく、「こういう方法もあるよ、こんなふうに考えてみたら?」という提案がたくさん載っています。また、一緒に書いたメンバーは、共に研究し、互いの授業を見て真正面から意見を言い合える仲間です。そのような仲間がいること、いろいろなやり方を知り、視点を変えることで授業はよりよいものになっていくのだと思います。本書が、国語授業に悩まれる先生にとって一助となり、さらに周りの先生とよりよい授業をつくっていかれることを心から願っています。

(構成:木村)
コメントを投稿する

※コメント内ではHTMLのタグ等は使用できません。