著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
教師の小さな工夫やアイデアが、子どもたちを大きな成長に導く!
静岡教育サークル「シリウス」森竹 高裕
2018/2/19 掲載
 今回は静岡教育サークル「シリウス」の森竹高裕先生に、新刊『子どものやる気がぐんぐんアップ! 授業づくりの小技事典』について伺いました。

静岡教育サークル「シリウス」

「理論より実践」「具体的な子どもの事実」「小さな事実から大きな結論を導かない」これらがサークルの主な柱です。自分の実践を語る場がある、聞いてくれる仲間がいるというのはすばらしいことです。同じ志をもつ仲間がそこにはいます。

―本書では、授業の様々な場面で使えるちょっとした技を集めたアイデア集です。ズバリ森竹先生ご自身の得意技を1つ教えてください。

 授業の中に体験や活動を多く取り入れることです。今風に言えば、アクティブ・ラーニングということになるでしょうか。
 理科で化石を学ぶのであれば、実際に化石の発掘体験をさせてみたり、社会で県の特産品を学習するのであれば、紙粘土でミニチュアをつくって、特産品マップにしてみたり(本書p.112〜113)など、授業に体験や活動を積極的に取り入れます。準備や段取りに多少の手間はかかりますが、それだけの効果はあると信じています。

―本書の第1章では、教科指導で使える様々な小技を、教科別に紹介しています。この中から、おすすめの技を1つ紹介してください。

 話し合いの結論を作者に尋ねてみる技(本書p.24〜25)です。
 国語の物語文の授業では、討論が拮抗し決着がつかないことがあります。そんなとき、教師がおもむろに携帯電話を出して「それじゃぁ、この答えを作者に聞いてみましょう」と電話をかけます。
 「ふむ、ふむ。そうですかぁ」などとうなずきながら「○○さん(筆者)に聞いてみたら、○○なんだって」と伝えます。子どもたちの疑惑の視線を感じつつ「なぜかというとね…」と理由を述べます。こうして子どもたちの注意を引きつけながら、教師の解を述べます。「絶対アヤしい…」と言いながらも、子どもたちは真剣に耳を傾けます。

―第2章では、「授業運営」という視点で、教材・教具、板書、ノート指導、テスト・評価…など、13のジャンルに分けて様々な小技をご紹介しています。この中から、子どもの意欲を高めるためのおすすめの技を1つ紹介してください。

 子どものやる気がグンと上がる赤ペンのサインの技(本書p.134〜135)です。小さなことですが、提出物に入れるサインも、子どもの努力を認め、さらなるがんばりを引き出せるように工夫しています。
 例えば、子どもの提出物を3段階で評価しようとするとき、A、B、Cと書くのではなく、AAA、AA、Aと書きます。つまりAAがBに、AがCに該当するわけです。ほんのちょっとのことですが、子どもにとってAと書かれることは大きなモチベーションにつながります。
 また、花まるやAに目や口をつけるだけで、ちょっとしたキャラクターに変身します。かいているうちに様々なバリエーションが生まれ、教師も子どもも楽しくなってきます。

評価

―最後に、読者の先生方に向けてメッセージをお願いいたします。

 理屈や指導者の思いだけでは子どもは変わりません。具体的な指導の工夫を一つひとつ積み重ねることでしか子どもは変容しないのです。理屈や思いを百万遍語ったところで、子どもは1ミリもよくなりません。薄皮を1枚1枚重ねるように、具体的な指導を積み上げることでしか子どもは変わらないのです。本書では、薄皮ではあっても、優れた思想の具体の表れと自負する「授業の小技」を紹介します。

(構成:矢口)
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