著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
今よりちょっとだけ楽しく、ちょっとだけ子どもに寄り添った授業を!
筑波大学附属小学校教諭倉 弘光
2018/2/9 掲載

倉 弘光たかくら ひろみつ

筑波大学附属小学校教諭。北海道生まれ。ニューヨークダルクローズ音楽学校卒業(リトミック指導者国際ライセンス取得)。北海道の公立小学校を経て現職。筑波大学/前橋国際大学非常勤講師。文部科学省/国立教育政策研究所研究協力委員。NHK教育番組「音楽ブラボー」企画制作委員。教育出版教科書「音楽のおくりもの」著者。音楽授業ラボラトリー研究会代表。著書に『倉弘光の音楽授業 必ず身に付けたいテッパン指導スキル55』ほか多数。

―本書は、12名の先生方のそうそうたるラインナップが魅力ですね。どのようなメンバーなのかご紹介いただけますか。

 数年前に全国の仲間たちと立ち上げた研究会が「音楽授業ラボラトリー研究会」です。子どもにとって音楽とは何か、次の新しい時代にマッチした音楽授業のあり方はどのようなものかを探る研究会です。本書を執筆してくださったのは、本研究会の講師として登壇してくださった先生、そして私の研究仲間たちです。それぞれお得意な分野があり、その道のプロ!と言われる先生たちばかりです。

―どの先生も「子どもファースト」ということをモットーとされていますが、書名にもある「子どもファースト」について、簡単に教えてください。

 「ファースト」とは、「第一」ということです。つまり「子ども第一」ということです。ややもすると、音楽の授業は教師が目指す音楽表現だけを追求したり、この音楽はこう表現するものだと決めつけたりするなど「教師ファースト」あるいは「音楽ファースト」に陥りやすいのです。そうではなくて、学習の主体である子どもが主人公になれる授業のあり方を日々実践されている先生方なのです。だから書名にもこの言葉を入れたいと考えました。

―本書には、各領域の授業プランが網羅されていますが、苦手なジャンルの音楽授業に取り組むときのアドバイスがありましたら、ぜひお願いします。

 誰でも、自分の苦手なことや初めてのことにチャレンジするのは尻込みしてしまいます。しかし、はじめの一歩さえ踏み出せば、思わぬ成果を生み出すことも少なくありません。「案ずるより産むが易し」です。音楽の授業も同じです。私自身苦手な音楽の分野があります。でも、エイッ!とダメもとでトライしてみる。自分が思っているよりも、自分の苦手さが子どもに伝わっていないことに驚くことがあるくらいです。ぜひ「はじめの一歩」を!

―音楽専科の先生は、学校に一人ということも多いと思います。悩んだときにどのように乗り切ればよいでしょうか?

 話せる音楽教師が学校にいないことも多いですよね。それならば、同じ学校の先生、誰でも構わないから授業の相談をするべきです。実は、専門教科が別でも、授業のつくり方や子どもの見方などは共通している部分が多いのです。私は、今の学校に赴任して国語や算数の先生方からもたくさんの授業のヒントをいただきました。もちろん音楽の先輩や仲間からも多くを学ばせていただいています。が、これは面白い!と思える授業アイデアは、むしろ他教科の先生から多くを学んでいるような気がします。

―最後に、全国の先生方へ向けメッセージをお願いします。

 本書が、幾ばくかでも先生方を元気づける、勇気づけるきっかけとなればこの上ない喜びです。音楽とは、本来楽しいものですよね。今よりもちょっとだけ楽しい授業に、ちょっとだけ子どもに寄り添った授業にするためにぜひ本書をお役立てください。そして、この本に出ているアイデアをどんどんアレンジして、新しいご自分の授業スタイルをつくってください。新しいアイデアができたら、ラボラトリーの研究会に来てそれを共有させてください。研究の輪を広げていけたら、全国の子どもたちがもっと幸せになれますよね。
 

冒頭顔写真提供:西原樹里

(構成:木村)
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