著者インタビュー
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見方・考え方を育てる! NIE授業
愛知県碧南市立西端小学校校長岩井 伸江
2017/9/22 掲載
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岩井 伸江いわい のぶえ

愛知県碧南市立西端小学校校長。

―本書は、新聞を教材とする授業実践、「NIE」をテーマにして、授業づくりのヒントや具体的な授業モデルについておまとめいただいた書籍となっています。まず、本書のねらいと読み方について教えてください。

 本書は書名にもあるように、「いつでも・だれでも・どこでも」気軽にNIE学習に取り組むことをねらいとしたものです。これからNIEに取り組もうと考えている先生も、NIEに既に取り組んでいる先生も、本書に掲載されている授業モデルの中で取り組めそうなものからまず実践していただければ……と思います。

―次期学習指導要領のキーワードになっている「主体的・対話的で深い学び」において、新聞を教材として取り組むNIEはとても効果的であると思いますが、NIEを無理なく取り入れ、すすめていくには、カリキュラム・マネジメントの観点などから、どのような工夫が必要でしょうか。

 各教科や総合的な学習の時間の中で分散して行われているNIEの授業を体系的に進めていくことで、「主体的・対話的で深い学び」の育成をめざしていくことができるのではないかと考えました。新たなカリキュラムを作るのではなく、現在のカリキュラムの中にNIEを取り入れていくことで、誰もが取り組むことができるNIEカリキュラムとなり、教職員の異動や担任の交代等にも対応することができるようになりました。

―先生も本書の中で述べられていますが、現在は「活字離れ」が進んでいるといわれ、日常的に文字に触れる機会が減っている状況もあるようです。そのような中で、NIEを取り入れていくには、普段から文字や新聞に触れる機会を増やすことも大切になってきますが、西端小学校ではどのような取り組みをされているのでしょうか。本書でも詳しく紹介されていますが、教えてください。

 新聞を定期購読していない家庭は増加の傾向にあり、西端小学校でも約35%の家庭は新聞をとっていないのが現状です。子どもたちは、新聞を読む大人を間近に見たり、新聞に日常的に触れたり、目にする機会すらないといえます。
 そこで、子どもたちがいつでも新聞にふれたり、読んだりする機会を日常的につくっていくことから始めたいと考えたのが「全校新聞を読む日」の設定です。毎朝、全校で取り組んでいる「朝の読書の時間」の一日を「全校新聞を読む日」とし、全校で新聞を読むための時間を確保しています。
 また、新聞をいつでも手に取り、読むことができる環境づくりとして、学校図書館を活用しています。ここでは学校司書の先生が大活躍です。新聞をいつでも意識して進める学習の場として、新聞切り抜き作品づくりにも取り組んでいます。

―NIEを学校に取り入れる場合、特定の教科に偏ってしまうことも考えられそうですが、本書では各学年の教科、生活科から音楽、国語、道徳、社会、家庭科、図画工作、総合的な学習など、幅広い教科での取り組みが紹介されています。教科学習に新聞を取り入れるポイントがあれば教えてください。

 全校でNIEに取り組んで一番驚いたのは、どんな教科でも、どんな学年でも取り組むことができるのだという新しい発見があったことでした。
 新聞には記事だけでなく、写真や、見出しや図、表、広告、マンガ等、いろいろな要素があります。そのどれもが先生のアイディア次第で、すてきな教材に、資料になることができます。ぜひ、本書のモデル授業を参考に、読者の先生方も新しい取り組みにチャレンジしてもらいたいと思います。

―次期学習指導要領では、「選択・判断する力」「社会を見る目」「見方・考え方」というキーワードも出されています。「選択・判断」して子ども自身が自分なりの意見をもつには、新聞などからの情報を「見る目」を鍛えることが必要になってくると思います。授業の中で、また日常の中でそのような力をつけていくには、どのような取り組みが大切でしょうか。

 「見方・考え方」を働かせた学びを通して、「選択・判断する力」「社会を見る目」が育まれ、さらにそこから「見方・考え方」が豊かになっていきます。そのためには教師の手だてが必要です。
 新聞には趣味に関することから専門的な知識や社会情勢まで、幅広いジャンルの記事が満載されています。また、新聞記事の中には、課題や課題解決のための情報がたくさんあります。子どもたちは、課題や興味・関心に沿って情報を取捨選択して課題を解決し、この過程において読解力摘読の力情報を整理し関連させる力をつけることができ、「見方・考え方」を育てていくことができると思います。

―最後に、読者の先生方へメッセージをお願いいたします。

 新聞を切ったり、貼ったりする作業の中で、知らず知らずのうちに新聞をじっくり読み、新聞で考え、新聞を使って自分の思いや考えを表現できることがNIEの魅力ではないかと、私は常日頃から考えています。
 本書の拙い実践をヒントに、「いつでも・だれでも・どこでも」NIEに取り組み、さらに多くの子どもたちや先生たちが、楽しく気軽にNIEの授業に取り組んでいただけることを期待しています。そして、そこからNIE実践について交流し、NIEの輪が広がっていくことが私の願いです。

(構成:及川)

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