著者インタビュー
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スクリーニングテストで読み書きが苦手な子のつまずきを把握し、サポートしよう!
香川大学教授佐藤明宏
2017/9/6 掲載
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佐藤明宏さとう あきひろ

香川大学教育学部教授
兵庫教育大学大学院学校教育研究科修士課程修了。国公立小学校教諭を経て、静岡大学講師、同助教授。2000年より香川大学教授。

―本書で紹介されているスクリーニングテストとはどのようなもので、どのような場面で使用するものなのでしょうか。

 国語の学習における、児童生徒の「聞くこと、読むこと、書くこと」等の習得状況と認知特性とを同時に把握することができる簡便なテストです。このテストによって学級の児童生徒全体の学習状況を把握したり、結果が低い児童・生徒に対してはつまずきの状況や原因をとらえ、指導に役立てることができます。

―このテストでは国語科のつまずきを把握できるということですが、具体的にどのようなつまずきを把握することができますか。

 測定できる国語学力は「聴写」「視写」「表記」「語彙」「想起」「聞き取り」「社会性」「文の構成」「読み取り」「語の識別」「作文」の11項目で、これらは学習指導要領で言われている国語学力の中でもベースになるものです。スクリーニングテストではこれらをそのつまずきの背景にある認知特性との関係から同時に把握することができるのです。

―スクリーニングテストの実物資料の他に、本書にはどのようなものが収録されているでしょうか。

 具体的に教室でテストを実施するための実施マニュアル、評価するための正答及び判断基準、語の識別・作文の評価基準、学級全体の評価表、対象児童・生徒の国語学力と認知特性との関係をとらえるための個別プロフィール表、その判定のためのつまずき段階換算表など、実施するために必要なすべてのツールを用意しました。

―3章では小学校、中学校の実践事例が紹介されています。この事例はテストと合わせてどのように活用することができますか。

 テストでの判定結果が出た後、どのように指導を進めていくのかということの実践事例を示しました。特別支援教室「すばる」での、スクリーニングテストで見えてきた認知特性をさらに詳しくとらえるための別の知能検査を組み合わせた精度の高い指導プランの実施例や、普通学級の一斉指導の中での具体的な活用例等も示しています。

―最後に全国で特別支援教育に関わっている先生方に一言メッセージをお願いします。

 本書の1章で述べているようにインクルーシブ教育は今回の学習指導要領の重要な柱の1つとなっている教育課題です。通常学級に6%いると言われている発達障害の児童・生徒をまずは見極め、個別のつまずきに対応した指導を展開するための科学的なツールとして、このスクリーニングテストを是非活用していただきたいです。

(構成:木山)
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