著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
「普段使い」や「研究授業」等の中学公民授業の“ネタ本”
福井大学学術研究院教育・人文社会系部門教授橋本 康弘
2016/7/15 掲載
  • 著者インタビュー
  • 社会
 今回は橋本康弘先生に、新刊『中学公民 生徒が夢中になる!アクティブ・ラーニング&導入ネタ80』について伺いました。

橋本 康弘はしもと やすひろ

平成7年に広島大学大学院教育学研究科博士課程前期修了後、広島市立大手町商業高校教諭、広島大学附属福山中・高等学校教諭などを経て、平成14年に兵庫教育大学学校教育学部助手、平成16年に福井大学教育地域科学部助教授に就任。平成22年には、文部科学省初等中等教育局教育課程課教科調査官を務める。現在は、福井大学学術研究院教育・人文社会系部門教授。

主な編著書に、『“法”を教える 身近な題材で基礎基本を授業する』、『教室が白熱する“身近な問題の法学習”15選―法的にはどうなの? 子どもの疑問と悩みに答える授業』(以上、明治図書)などがある。

―本書は「アクティブ・ラーニング&導入ネタ」シリーズの中学公民編として、生徒がアクティブになる目からウロコの公民授業ネタが、豊富に紹介されています。まず、本書のねらいについて教えてください。

 学校現場の先生方は常日頃、忙しくされています。特に、中学校教員の業務の負担感は大きいと聞いています。お忙しくされている社会科をご担当の先生方のために、公民分野に関するアクティブ・ラーニングや授業冒頭の導入に用いることが可能な教材(ネタ)を提供するために本書を企画しました。

―先生は、「生徒が夢中になる!」公民授業の条件を、3つ挙げられています。本書でも詳しく紹介されていますが、この点について教えてください。

 「生徒が夢中になる!」授業は筆者の経験則からまとめると、「生徒にとって切実性を感じやすい問題」を取り上げたり、「その問題の構造を生徒自身が見通しを立てやすい場合」であったり、「活動的かつ論理的な学習として組織されている場合」は、生徒が夢中になり、質の高い授業になっていると感じています。

―本書のタイトルにもなっている「アクティブ・ラーニング」は次期指導要領に向けてのキーワードの一つとして注目されていますが、社会科においてはどのような取り組みが必要でしょうか? 先生の考えをお聞かせください。

 「アクティブ・ラーニング」は重要だとは思います。ただ、表面的なアクティブ・ラーニングではなく、深いアクティブ・ラーニングを目指すべきだと思います。そのためには、生徒自身がその課題を考える上で重要になる科学的な知見を背景にした「判断枠組み」を活用できるようにすべきだと考えています。

―本書には、「国境を越えるマクドナルド」「マグロとODAの深い関係」など、生徒が興味をひきつけられる授業ネタが満載ですが、このような授業の中では、資料を読み解く機会も多くなってきます。資料の読み取り・解釈の指導のポイントについて教えてください。

 資料の読み取りは「技能」を養う上で重要ですし、読み取った資料の内容を踏まえて意見形成を行っていく(解釈する)訳ですから、社会科授業では、資料の読み取りはとても重要な学習活動だと思います。単なるグラフの読み取りではなく、積み上げグラフを読み取ったり、新聞の経済欄などで示される経済統計グラフなどの読み取り技能も重要だと思います。

―最後に、読者の先生方へメッセージをお願いいたします。

 日本全国で活躍される大学教員、学校現場の先生方にお忙しい中ご執筆いただいた「ネタ本」です。「普段使い」の「ネタ本」にもなりますし、「研究授業」等の「ネタ本」にもなります。是非一度手にとってご覧いただければ幸いですし、日常の授業改善に少しでもお役に立てればと考えています。どうかよろしくお願いいたします。

(構成:西浦)

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