著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
朝の会&帰りの会は、クラスの成熟度と子どもの成長をはかるものさしだ!
静岡市立安西小学校森竹高裕
2016/3/10 掲載
今回は静岡教育サークル「シリウス」の森竹高裕先生に、新刊『子どもがイキイキ取り組む!朝の会&帰りの会 アイデア事典』について伺いました。

静岡教育サークル「シリウス」

1984年創立。「理論より実践」「具体的な子どもの事実」「小さな事実から大きな結論を導かない」これらがサークルの主な柱です。自分の実践を語る場がある、聞いてくれる仲間がいるというのはすばらしいことです。同じ志をもつ仲間がそこにはいます。

―なんとなく行われがちな朝の会・帰りの会ですが、本書では、子どもたちやクラスに与える効果に着目しています。どうして、朝の会や帰りの会は大切なのでしょうか?

 毎日行われる朝の会と帰りの会の積み重ねは大きいです。一日10分としたとき、年間200日間では、200日×10分で、約33時間にもなります。私の周りにいるすばらしい授業、すばらしい学級経営ができる教員は、授業がすばらしいのはもちろんですが、「朝の会」「帰りの会」のような短い時間の中にも、子どもの力を伸ばすための工夫を必ずしています。こうした積み重ねが、よい授業や優れた学級経営につながっています。

―朝の会では、楽しく元気に、ということと合わせて、欠席者の確認や連絡事項を確実に伝えることなど、やらなければいけないことが数多くあります。忙しい先生が取り入れられる工夫点があれば、教えてください。

 本書50ページでは、「大切な伝達事項はミニ黒板で特別感を」として、ミニホワイトボードを使った連絡方法を紹介しています。その日に絶対に外せない連絡があったら、ホワイトボードに事前に書いておきます。朝の会では、書いたものを読み、その後、計画黒板の下に一日掲示しておきます。子どもの目に触れやすいところに掲示しておくことで、大切な連絡をもれなく伝えることができます。

―帰りの会は、クラスみんなで取り組む楽しいレクリエーションを取り入れている学級も多いと思います。とりわけおすすめの活動をぜひ教えていただけませんか。

 帰りの会を終えて、「さようなら」の挨拶をしたあと、子どもたちの好きなじゃんけんをしてお別れをします。「帰りの挨拶をしましょう。さようなら」「さようなら」「最初はグー、じゃんけんぽん」と勝っても負けても、勝敗に関係なく帰ります。
 3勝したら帰ることができる「3勝ルールでさよならじゃんけん」もおすすめです。1回目に勝ったら帽子をかぶる、2回目は立つ、3回目に「さようなら」をする、というルールにすると盛り上がります。

―本書には、朝の会と帰りの会で使える「先生のお話」も収録されています。会の中で「お話」をすることのよさとはなんでしょうか。

 朝の会は「業務連絡」になりがちですが、子どもは先生の語ってくれる「お話」が大好きです。人気がある話ベスト3は、「怖い話」「先生が子どものころの話」「不思議で謎めいた話」です。原稿を見ないで、自分の言葉で話すのが一番です。子どもは目を丸くして話に聞き入り、話が終わっても「もっと話して!」とせがみます。特に怖い話は、人気があります。そんな話を2つか3つ、持つようにしましょう。本書では、お話のヒントがいくつも掲載されています。

―最後に、読者の先生方に向けてメッセージをお願いします!

 朝の会と帰りの会は、毎日行われます。毎日行うことだからこそ、短時間だからこそ、子どもの力を伸ばすための工夫をしましょう。「楽しい学級にしたい」「元気なあいさつができるようにしたい」「聞く力、話す力をつけたい」など、自分の目指す学級に近づけるために、この短い時間に何ができるかを考えて実践することが必要です。本書には、より充実した朝の会&帰りの会にするためのヒントが詰まっています。

(構成:林)

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