著者インタビュー
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単元全体で生徒が考え、探求したくなる発問を設計しよう!
埼玉県戸田市立戸田中学校教諭内藤 圭太
2015/9/28 掲載
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  • 社会

内藤 圭太ないとう けいた

1984(昭和59)年,浦和(現さいたま)市生まれ。埼玉県戸田市立戸田中学校教諭。2008(平成20)年,武蔵大学人文学部比較文化学科首席卒業。2010(平成22)年,東京学芸大学大学院教育学研究科社会科教育専攻修士課程修了。東京学芸大学附属小金井中学校講師,埼玉県川口市立芝西中学校教諭を経て,2013(平成25)年から現職。

―本書のテーマである単元を貫く「発問」とは何か、また、それに基づいて授業をつくることのよさについて、改めてご解説をお願いします。

 単元を貫く「発問」とは、単元全体で考え、探求する課題のことです。単元を貫く「発問」は、生徒には「単元の課題」として、導入で示します。生徒に単元全体の学習に見通しをもたせるほか、毎時間、主体的に探求させることにつながります。また、単元全体を振り返るまとめの際にも機能します。そして、評価場面においても、達成度を測ったり、つまずきを発見したりするうえで、効果的に機能するというよさがあると考えています。

―本書では、主に単元の課題を提示する場面や、まとめの場面を中心に授業モデルをご紹介いただいていますが、掲載されている各授業での発問も、気になるものばかりです。毎時間の発問を設計される際のポイントは何でしょうか?

 毎時間の発問は、単元を貫く「発問」から導かれるように設計しています。毎時間の授業において、理解させたいこと、考えさせたいことなど身に付けさせたい力を明確にします。そして、生徒の発言や反応、疑問を生かすことや、思考過程、認識の変容を想定しながら、毎時間の学習課題となる発問を考えます。そして、生徒自身にも、毎時間の学習課題が、「単元の課題」とどのようにかかわっているかを考えさせることがポイントです。

―学習内容が多い単元では、説明中心で、内容を教え込む授業になってしまいがち、と本書でも触れられていますが、それを回避するにはどうすればよいでしょうか?

 話し合いや発表など、活動的な学習を行った後は、改めて内容を説明する授業も必要です。しかし、教科書の内容をすべて網羅しようとしたり、生徒の思考過程などを踏まえず、脈絡なしに教え込んだりすることは控えなければなりません。私は、それを回避するために、自作ワークシートを活用して短時間で内容を把握させることを試みています。やはり授業の中心は、生徒が考えたり、学び合ったりするための時間にしたいものです。

―現在、『社会科教育』連載「今月の教材―アクティブ・ラーニングに発展する工夫点 中学公民」でもご執筆されていますが、本書と絡めてアクティブ・ラーニングに発展する工夫点があれば、ご紹介ください。

 主体的・協働的な学習であるアクティブ・ラーニングに発展するには、生徒が探求したくなる発問がカギであると考えています。つまり、単元を貫く「発問」に基づいて授業を構成すること自体が、生徒の主体的な学習につながり、課題解決のための協働的な学習に発展すると考えています。本書の授業展開のまとめの部分には、単元を貫く「発問」の答えを導き出すための協調学習や、パネルディスカッション、クラス討論を紹介しています。

―最後に、読者の先生方へメッセージをお願いいたします。

 社会科の授業づくりにおいて、発問づくりは何よりも大切です。生徒が「授業がわかる、楽しかった」と感じるのは、発問によって考えてみたくなるとき、学習課題を探求しているとき、個人やグループで発問の答えを導き出すときだからです。また、学習活動の評価の観点・方法が明確にされていることも、生徒の学習意欲に結び付きます。単元を貫く「発問」によって、教師も生徒も社会科授業が楽しかったと思えることを心から願っています。

(構成:赤木)
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