著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
『学び合い』の授業実践のポイントとは?
群馬県高崎市立塚沢小学校教諭青木幹昌
2015/3/6 掲載

青木 幹昌あおき もとまさ

1961年生まれ。群馬県内、小中学校の勤務を経て、群馬県高崎市立塚沢小学校教諭。2005年に『学び合い』に出会い、当時の勤務校(高崎市立八幡小学校)で実践を始め、現在に至る。「子どもに学ぶ教師の会」群馬の会代表、上越教育大学社会科教育学会会員、臨床教科教育学会会員。

―実際に学校現場で『学び合い』の授業を実践されているご経験から、『学び合い』の魅力とは何でしょうか。

 『学び合い』の魅力は、何と言っても、毎日の授業が楽しくなることです。「楽しい」とは、単に愉快でおもしろいという意味ではなく、質の高い主体的な学び子ども同士がつながる様子を、毎日目にすることができることです。言い換えれば、子どもたちの生き生きと輝く姿に、毎日接することのできる喜びです。やがて、授業だけでなく、学校も仕事も楽しくなります。

―先生が『学び合い』の授業を取り入れるきっかけは、どういったことだったのでしょうか。

 『学び合い』に出会うまで、私は、自分自身で納得のできる授業があまりできませんでした。授業の流れや教材教具を工夫したり、わかりやすい授業を心がけたりしてきましたが、満足できた授業は、そう多くありませんでした。たまたまうまくいった時でも、自ら考え主体的なのは、一部の子どもたちだけ、わずかな時間だけ……。いつの頃からか、より多くの子どもたちが主体的に学ぶ授業をしたいと思うようになりました。そんな中で出会ったのが『学び合い』でした。

―本書では、各教科・領域のポイントについて、具体例を交えながら紹介されています。今回、ご執筆にあたって気をつけたのはどんなことでしょうか?

 『学び合い』の授業を作る上で肝要なことは、『学び合い』の考え方を毎日の授業にリンクさせることです。本書では、各教科・領域の特性を踏まえて『学び合い』の考え方で授業をすれば、こんな会話が聞こえてくる、こんな活動が見られるなど、より具体的な授業イメージがわくように意識しました。また、どんな視点で教材研究をすればよいのか、どんな課題を設定すればよいのかなどについて、それぞれ提案を試みました。

―「『学び合い』の授業に興味はあるものの、まだ導入しようか考えている段階」という先生もいると思いますが、『学び合い』を導入するうえでのポイントは何でしょうか?

 第一のポイントは、今回執筆した本にも書いたのですが、『学び合い』の考え方をしっかり理解することです。二つ目は、子どもたちの力を信じて、思い切ってある程度の時間を子どもたちに任せることです。そして三つ目は、学び合う子どもたちをよく見ること、子どもたちの声に耳を傾けることです。「うまくいった!」「子どもたちってすごい!」と感じるような経験を徐々に積み重ねていってください。
 

―最後に、読者の先生方にメッセージをお願いします。

 本書は、子どもたちが主役になる授業、学習活動を通して子どもたちが自分たちでつながる授業を作ってみたいと考えている人に、是非読んでほしい本です。
 本書を通して、読者の先生方が、学びに対する考え方や子どもの見方、授業観、学校観を見つめることのお手伝いができれば、この上なく幸せです。

(構成:松川)
コメントの一覧
2件あります。
    • 1
    • 雪山
    • 2015/3/10 17:28:00
    とても参考にしたいと思いました。
    • 2
    • 匿名
    • 2015/5/23 10:09:01
    子供が学び合いの授業をうけていました。が子供たちには不評でした。普通の授業が良いと言っていました。なのでどんな信念の元に学び合いをされてるのか気になります。本をよんでみたいです。
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