著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
どんな力を子どもに付けたいのかを考え抜く
大阪市立千本小学校教諭金大竜
2013/8/22 掲載
 今回は金大竜先生に、新刊『ハッピー先生のとっておき授業レシピ』について伺いました。

金大竜きむてりょん

1980年生まれ。
「日本一ハッピーな学校をつくる」ことを夢みる大阪市小学校教員。周囲からは“ハッピー先生”と呼ばれている。
教育サークル「教育会」代表。「明日の教室」をはじめ各地のセミナーで講師を務める。
また、「あいさつ自動販売機」など型にとらわれない個性的な実践が注目を集め、様々なメディアで取り上げられている。
ブログ日本一ハッピーな学校をつくろうにおいて、日々の学級での出来事や実践を発信中。

―本書の冒頭でも触れられているように、金先生の授業では規律が大切にされています。一方で、楽しむところは徹底的に楽しむ、というのも大きな特徴の1つです。両方のメリハリをうまくつけるコツを教えてください。

 授業が楽しい、学級が楽しいと思えるようになるために教師が工夫することはもちろんですが、そうした場の空気は教師だけでなく子どもも一緒につくるのだということを子どもが理解できるようにしています。
 理解できるようにするためには、何のための授業規律かを子どもたちと体感しながら、共有していくことが大切だと感じています。子どもたちは、何のためにそれをするのかがわかれば、そして、そのよさがわかれば、自ずと考え、メリハリをつけられるようになります。

―本書では、板書計画を中心に授業の流れをノートに書く、など教材研究の方法も随所に紹介されています。ズバリ、金先生流の教材研究の一番のポイントを教えてください。

 その時間、その単元で付けたい力を明確にし、子どもの立場に立って授業を2回考えてみることです。1回目は、自分の理想の流れを考えます。2回目は、その流れの中でどのようなつまずきを子どもがするか想像し、それに対する手だてを考えます。
 授業の流れを考えるときには、ゴール(本時の目標)からスタート(導入)に向けて考えます。行った授業はできればビデオに撮り、子どもになったつもりで受けてみます。そうすると、いろんな反省点がみえてきます。

―本書では、「ため息をついてみる」「とぼける」など、子どもが思わず授業にのめり込むような小技が実例とともにたくさん紹介されています。このような方法は、どのようにして身に付けられたのでしょうか。

 上に書いたビデオを見て授業をふり返ることと、身近な先輩との交流からです。子どもになって自分の授業を受けてみると、考えたくもない課題を勝手に設定され、活動させられるような授業もあります。そうしたとき、どうすればよいのか。それをいろんな先輩に聞き、自分の中でアレンジしてきました。

―最後に、読者の先生方へメッセージをお願いします。

 一つひとつのネタも大事ですが、そのねらい、つまり、そこでどんな力を子どもに付けたいのかが一番大切だと思います。できれば、金大竜は何を考えてこの実践をしているのかを想像しながら、自分ならこうする…と考えてもらえるとうれしいです。
 ネタはあくまで枝葉です。大切なことは幹です。実践という枝葉から想像し、ご自身の幹をどんどん太くしていただけるといいなと思います(えらそうに言って申し訳ありません…)。私自身ももっともっと幹を太くしていけたらと思っています。

(構成:矢口)
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