著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
生徒がすらすら英語を話す驚異のワークシートが満載!
埼玉県秩父郡小鹿野町立小鹿野小学校教諭瀧沢 広人
2013/8/19 掲載

瀧沢 広人たきざわ ひろと

埼玉県秩父郡小鹿野町立小鹿野小学校教諭
大学4年より、教育技術の法則化運動(現:TOSS)で学び、授業を楽しく、わかりやすく、力のつく指導法を研究。その成果を著書に残す。多くの子どもたちが英語が好きになり、活動の多い授業は、生徒を飽きさせない。現在は、達人セミナーやELECなど全国で講演・ワークショップを行っている。

―本書で紹介している「すらすら英会話」とは、どのようなものなのでしょうか? 簡単にご紹介ください。

「毎時間5分、ペアで会話練習するだけ」で、ALTが驚くくらい生徒から英語が出てくるようになる学習スタイルです。英語は技能です。技能ですから、ある程度のトレーニングは必要です。習った文法を“使える段階”にもっていくのが、この「すらすら英会話」なのです。

―先生がこの「すらすら英会話」を、授業に取り入れようと考えたきっかけは、どのようなことだったのですか。

 以前、中学2年生で初めてスピーチをしました。初めてのスピーチにしては上出来で、生徒も楽しく取り組み、発表も上手にできました。そんな彼らにある時、生徒を指名しようとして、誕生日を聞きました。When is your birthday? と聞いて、My birthday is August 10th.と答えが返ってきたら、出席番号10番を指名するというやり方です。そこでスピーチも上手にできた女の子に、When is your birthday? と聞いてみました。するとなんと、ごくごく基本的なこのような質問に、答えられなかったのです。私はその数秒の出来事に、「あんなに上手にスピーチした子が、簡単な質問に答えられないって、これって、話す力をつけたっていえないよな」「簡単な質問100個くらいにはすらすらと答えられないようじゃ、実践的コミュニケーション能力なんて言っていられないよな」と瞬時に思いました。そこで、すぐに取り組み始めたのが、ペアでのQA=「すらすら英会話」でした。

―この「すらすら英会話」を効果的に授業に取り入れるコツを教えてください。

 1つは「変化をつけていくこと」です。トレーニングは繰り返しが必要です。部活でも基礎練習を繰り返し行います。しかし、生徒が気づかないところで、基礎練習がアップしていくはずです。それが質的な変化であったり、または回数を増やすなどの量的な変化であったりします。この「すらすら英会話」も数回もやれば、ほとんどの生徒がすらすら言えるようになってきます。そこでタスクレベルをあげます。「答える人はプリントを見ないでいいましょう」のように課題を与えます。これが「変化」です。すると今までやっていた活動に「変化」が生まれ、新たな気持ちで同じプリントを練習することになります。それもできるようになったら、「今度は質問する人も見ないでいいましょう」のようにしてみます。すると、ペアの2人がプリントを見ないでいうことになり、まるで会話しているようになります。2つ目のコツは、「使う場面を設定する」ということです。目的は“使える”ということです。技能ですから使えなくては勝負になりません。そこで、時には「すらすら英会話」の練習を終えたら、教師から生徒へ質問したり、逆にDo you have any questions for me? と生徒からの質問を受け付けたりします。この「使える体験」がさらに「すらすら英会話」を効果的にさせていきます。3つめは、活動中にBGMをかけ、楽しい雰囲気で行うということです。

―英語授業で実践的なコミュニケーション力を育成するために、教師がまず心がけるべき点はどのようなことでしょうか。

 教えた文法が実際の場面ではどのように使われるのか示してあげることだと思います。使い方を教えるのです。使い方を教えるためには、使い方の「見本」を見せなくてはいけません。「すらすら英会話」は、学習した英文法が会話ではどのように使われるのか、紹介しています。だから、教室内でも、生徒は少し質問が変わっても、答えられたり、教師や友達に質問を投げかけたりすることができるのです。

―最後に全国で英語を教える先生方に一言メッセージをお願いいたします。

 この「毎時間5分」の「すらすら英会話」の効果は、実際にやってみるとわかります。最初はたどたどしくても、同じプリントを何回も何回も繰り返していくうちに、生徒はだんだんと英語に慣れ、すらすら言えるようになります。最初から完璧なことはありません。できないと思ってやると、少しでも生徒が英語を話し始めたら、すごい!と教師が思うでしょう。素直に思ったことは、生徒に褒め言葉となって表れます。「すごいね」「みんな英語がでるね」と褒めてあげましょう。するとどんどん生徒は英語を話すようになります。その1つのきっかけがこの「すらすら英会話」の教材であり、この「学習システム」であると思います。ぜひ、思い切って、挑戦してみてください。まずはやってみる。そして、自分流に変えてみる。すると、新しい何かが生まれてくることだと思います。ぜひ、日本の英語教育のために、一緒に頑張っていきましょう!

(構成:木山)
コメントの一覧
4件あります。
    • 1
    • まゆみ
    • 2013/11/30 12:47:00
    これは最高です。生徒がとにかくひたすら英語をしゃべっている時間があります。
    先日地区の研究授業をしたときに使わせていただきました。参加の先生全員が
    書名と出版社をメモしてかえられました。
    • 2
    • 瀧沢広人
    • 2013/12/3 20:33:42
    まゆみ先生!ありがとうございます。このまま英語のできる生徒にぐんぐん育てていってください!私も小学校で全力を尽くします!
    • 3
    • 川村光一
    • 2013/12/3 23:46:06
    滝沢先生ともにがんばりましょうね
    • 4
    • 青木真樹子
    • 2014/4/6 23:55:36
    すらすら英会話とすらすら英単語最高です!毎時間使っています。英作文の本も使って、すらすらライティングと題して使っています。先生の本はコピーしてすぐに使えるようになっているところがとても助かります。CDROMが付属していたらさらに嬉しいです!
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