「毎時間5分、ペアで会話練習するだけ」で、ALTが驚くくらい生徒から英語が出てくるようになる学習スタイルです。英語は技能です。技能ですから、ある程度のトレーニングは必要です。習った文法を“使える段階”にもっていくのが、この「すらすら英会話」なのです。
以前、中学2年生で初めてスピーチをしました。初めてのスピーチにしては上出来で、生徒も楽しく取り組み、発表も上手にできました。そんな彼らにある時、生徒を指名しようとして、誕生日を聞きました。When is your birthday? と聞いて、My birthday is August 10th.と答えが返ってきたら、出席番号10番を指名するというやり方です。そこでスピーチも上手にできた女の子に、When is your birthday? と聞いてみました。するとなんと、ごくごく基本的なこのような質問に、答えられなかったのです。私はその数秒の出来事に、「あんなに上手にスピーチした子が、簡単な質問に答えられないって、これって、話す力をつけたっていえないよな」「簡単な質問100個くらいにはすらすらと答えられないようじゃ、実践的コミュニケーション能力なんて言っていられないよな」と瞬時に思いました。そこで、すぐに取り組み始めたのが、ペアでのQA=「すらすら英会話」でした。
1つは「変化をつけていくこと」です。トレーニングは繰り返しが必要です。部活でも基礎練習を繰り返し行います。しかし、生徒が気づかないところで、基礎練習がアップしていくはずです。それが質的な変化であったり、または回数を増やすなどの量的な変化であったりします。この「すらすら英会話」も数回もやれば、ほとんどの生徒がすらすら言えるようになってきます。そこでタスクレベルをあげます。「答える人はプリントを見ないでいいましょう」のように課題を与えます。これが「変化」です。すると今までやっていた活動に「変化」が生まれ、新たな気持ちで同じプリントを練習することになります。それもできるようになったら、「今度は質問する人も見ないでいいましょう」のようにしてみます。すると、ペアの2人がプリントを見ないでいうことになり、まるで会話しているようになります。2つ目のコツは、「使う場面を設定する」ということです。目的は“使える”ということです。技能ですから使えなくては勝負になりません。そこで、時には「すらすら英会話」の練習を終えたら、教師から生徒へ質問したり、逆にDo you have any questions for me? と生徒からの質問を受け付けたりします。この「使える体験」がさらに「すらすら英会話」を効果的にさせていきます。3つめは、活動中にBGMをかけ、楽しい雰囲気で行うということです。
教えた文法が実際の場面ではどのように使われるのか示してあげることだと思います。使い方を教えるのです。使い方を教えるためには、使い方の「見本」を見せなくてはいけません。「すらすら英会話」は、学習した英文法が会話ではどのように使われるのか、紹介しています。だから、教室内でも、生徒は少し質問が変わっても、答えられたり、教師や友達に質問を投げかけたりすることができるのです。
この「毎時間5分」の「すらすら英会話」の効果は、実際にやってみるとわかります。最初はたどたどしくても、同じプリントを何回も何回も繰り返していくうちに、生徒はだんだんと英語に慣れ、すらすら言えるようになります。最初から完璧なことはありません。できないと思ってやると、少しでも生徒が英語を話し始めたら、すごい!と教師が思うでしょう。素直に思ったことは、生徒に褒め言葉となって表れます。「すごいね」「みんな英語がでるね」と褒めてあげましょう。するとどんどん生徒は英語を話すようになります。その1つのきっかけがこの「すらすら英会話」の教材であり、この「学習システム」であると思います。ぜひ、思い切って、挑戦してみてください。まずはやってみる。そして、自分流に変えてみる。すると、新しい何かが生まれてくることだと思います。ぜひ、日本の英語教育のために、一緒に頑張っていきましょう!
先日地区の研究授業をしたときに使わせていただきました。参加の先生全員が
書名と出版社をメモしてかえられました。