著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
学び合いのある算数授業で明日からのクラスを変えよう!
石川県能美市立辰口中央小学校教頭神田 恵子
2013/4/18 掲載

神田 恵子かんだ けいこ

石川県小松市立第一小学校指導教諭、苗代小学校指導教諭を経て、現在、能美市立辰口中央小学校教頭。
日本数学教育学会誌や科学教育研究に実践研究論文を多数発表している。

―本書のタイトルには『学び合いで算数力アップ!』とありますが、学び合いがどのように算数力アップにつながるのでしょうか?

 子どもたち同士が意見を交換し合ったり、友だちの考えをつなげてより分かりやすく説明したりすることで、理解が深まり表現力や思考力が高まります。また、問題理解を深めるために、気づきや見通しを話し合ったり、複数の考えからより良い考えを話し合ったりする場面でも学び合いが行われ、既習事項を確認したり解法を評価改善したりする機会が多くなり、算数的見方・考え方が養われます。

―本書では「小数・分数のかけ算、わり算」の単元にスポットがあてられていますが、それはどうしてでしょうか?

 子どもたちは小数や分数の計算がとても苦手です。計算技能だけでなく、文章題においても、小数や分数になったとたんに、演算決定ができなくなったり答えの見当づけができなくなったりする傾向があります。とても重要な単元で、その指導法がまるごと分かると、子どもたちに力をつけることができるからです。

―クラス全員が学び合えるようにする秘訣は何かありますか?

 授業像をクラス全員で話し合い、一人ひとりには友だちを支え励ます責任と励ましに応える責任があることを土台とします。学び合いの仕方を日々の授業で指導し、鍛えていくことも大切です。

―学び合いによってクラスや算数の授業はどのように変わりましたか?

 クラスの集団力と自治力が高まり、自分たちで進んで様々な問題を解決したり楽しいことを企画実行したりするようになりました。算数の授業や他の授業も自分たちが主体となって進め、意欲的に授業に向かう姿が見られました。

―最後に全国で算数を教える先生方に、一言、メッセージをお願いいたします。

 算数が苦手な子も得意な子も、分からないことを出し合ってみんなで解決し学んでいく算数授業づくりは学級経営の核になります。みんなでつくる授業は一人ひとりにやさしいかかわりから生まれます。算数大好き!できるようになった!と子どもたちが言ってくれる授業をともにつくっていきましょう。

(構成:木山)
コメントの一覧
1件あります。
    • 1
    • 免外数学教師
    • 2013/4/29 16:00:44
    「友だちを支え励ます責任と励ましに応える責任がある」
    これいい言葉ですね!
    学び合いの場を形成することはとても大切だと思います
    インプットできたら,しっかりアウトプットさせる
    +励ましに応える責任
    いい形式ですね
    参考にします
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