著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
「楽しい」理科授業が「楽々」できる!
就実大学教育学部初等教育学科准教授福井 広和
2013/4/16 掲載
 今回は福井広和先生に、新刊『文系教師のための キットでバッチリ理科授業』について伺いました。

福井 広和ふくい ひろかず

就実大学教育学部初等教育学科准教授
独立行政法人 科学技術振興機構「サイエンスレンジャー」
独立行政法人 科学技術振興機構「卓越した理科特別講師」
社団法人 日本理科教育振興協会「その道の達人」
【共著】『文系教師のための理科授業note3・4年編』『同5・6年編』『同スキルアップ集』『ワークシートでらくらく科学クラブ』『同Part2』『同Part3』『同サバイバル編』]

―教材キット活用授業の一押しメリットとは何でしょうか。また、キットを使う際に常に心がけた方がよいこともあわせて教えていただけますか。

 教材キット活用のメリットはたくさんあります。まず、実験道具の場所が分からなくて理科室を探し回るといったトラブルが減り、確実に授業ができます。また、教科書通りの結果がでなくて焦ることもなくなります。理科指導に苦手意識をもつ先生にとっては心のゆとりが生まれ、笑顔で授業できることが何より大きなメリットです。
 キットを使う際に常に心がけた方がよいことは、全ての部品に名前を書く、勝手に先の実験をしない……などたくさんあります。詳しくは本書で確認してください。

―たくさんの種類の教材キットがある中で、選ぶ際のポイントをぜひ教えてください。

 市販されている教材キットは、それを専門で開発している業者が作ったものなので、どれも完成度が高いものばかりです。どれを選んでも当たり外れはまずありませんが、ひとつの目安として、授業する先生の理科に対する自信度で選ぶという方法があります。ある程度自信のある先生はシンプルな基本セットを、あまり自信のない先生は最後のものづくりまでパッケージされたものを選ぶと安心だと思います。

―授業内容によって、キットを有効に活用しやすい授業と、そうでない授業というのがあるでしょうか。どのような授業だとキットを活用しやすいか、具体的に教えていただけますか。

 どのような内容でも教材キットを使う方が準備が楽で、確実に実験・観察ができます。しかし、あえて言うならば、電気・磁石などの「エネルギー」分野はそのままでキットを活用しやすく、「生命」や「地球」、「粒子」分野には多少の知識・経験が必要だという傾向があります。本書は、その辺りのノウハウについても触れているので、ご参照ください。

―本書で紹介している授業プランの中で、参観授業で一番オススメのものを、各学年1本ずつあげていただけますか。また、参観授業で取り組む際の心得も合わせてお願いします。

3年生「磁石につけよう」
 「明かりをつけよう」では「すべての金属は電気を通すこと」を学習しました。ところが、磁石にくっつくのは鉄・ニッケル・コバルトだけです。この違いを比較しながら確かめていけば、深まりのある授業になりますよ。

4年生「電気のはたらき」
 4年生では、乾電池の数とつなぎ方について調べます。教材キットなら、グループのなかで分担して同時に色々なつなぎ方をして比べることができます。みんなで協力しながら問題を解決している姿を参観者に観てもらいましょう。

5年生「たねの発芽」
 「条件制御して問題解決する力」を育てることが5年生の目標です。たねが発芽するための条件を自分なりに予想し、それ以外の条件はそろえるという科学的な調べ方を学びます。教材キットならば、一人ひとりの子の独創的な仮説も認めることができ、自分の本当に知りたいことを追究させてあげられます。また、教師にとっては、条件制御をしながら実験しているかどうか、一人ひとりの評価をすることができます。

6年生「月と太陽」
 天体の単元は時間・空間概念を育てる学習です。小学生の発達段階はまだ十分に空間把握ができず、先生が教室の前で説明しただけではなかなか理解することができません。そこで、教材キットを用いて自分の手で動かしながら考える、手と頭を連動させることが大切なのですね。

―最後に、新学期から理科授業に取り組んでいる先生方へ向け、メッセージをお願いします。

 理科が苦手でも心配ご無用! 本書をよく読んでキットを正しく用いれば、きっと子どもたちも笑顔になってくれるはず。心に余裕をもって理科の授業を楽しんでください。

(構成:木村)
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