- 著者インタビュー
- 学級経営
理由は3つあります。
1つは、「学級づくり」の方法を知らないこと。2つ目は、子供たちとの「関係づくり」を知らないこと。3つ目は、初任者研修が多すぎること。1と2は、大学がほとんど教えていないことからくる原因です。3は、研修の多さで、初任者がクラスを離れなければいけないことが多すぎることの問題です。
「最初の1ヶ月が勝負」というのは、昔から言い伝えられてきたことで、現場での常識です。私は「3・7・30の法則」を提唱しています。始業式から3日間の役割、1週間(7日)の役割、30日の役割を設定して、構造的に学級を作っていこうという提案です。多くの先生たちが実践をして、成果をあげています。
今荒れているクラスの原因は、ほとんどが担任と子供たちとの「関係づくり」の失敗・破綻です。だから、ここが大きな勝負になるのです。縦糸と横糸をバランス良く張ることが最も大切です。縦糸を張りすぎてベテランは失敗していますし、横糸だけで初任者は失敗しています。
「やんちゃ」な子は目立つので、ついついその子たちばかりに対応してしまうことになります。これで失敗します。大切なことは、やんちゃ以外の「8割の子供たち」をはやく味方につけることなのです。そのための手立てを打つことが最も重要な、最初の手立てになります。
多くの先生方が「おしゃべり授業」をしてしまっています。授業の9割以上をしゃべってしまうのです。ほとんどの子供が傍観者になります。だから、教師は、おしゃべりを押さえて(9割を5割ぐらいにして)、子供たちに「活動」を多様に仕組んでいくようにします。「活動」とは、ノートに書いたり、ペアやグループで話し合ったり、列指名で全員にどんどん発言させたりすることです。いつも「全員参加」をさせておくことを心がけておくことです。
「新卒教師時代を生き抜くシリーズ」は今回で4冊目になりました。この4冊を読めば、大学で学ばなかった大切なことをほとんど知ることができます。問題は、どれだけ実践するかどうかにかかっています。がんばってください。