著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
「こんな時どうする?」学級や授業場面で使えるとっておきアドバイス
埼玉県立川越女子高等学校長永松 靖典
2012/7/24 掲載
 今回は永松靖典先生に、新刊『<失敗&成功例でよくわかる>プロ教師の「とっておき」対応術』について伺いました。

永松 靖典ながまつ やすのり

昭和27年生まれ。公立高校教諭、埼玉県教育局県立学校部副部長、埼玉県立総合教育センター所長を経て、現在、埼玉県立川越女子高等学校長。

―本書は『<失敗&成功例でよくわかる>プロ校長の「とっておき」対応術』の教師版として、学級経営や授業指導、地域や保護者への具体的な対応例が紹介されています。本書の発刊のねらいについて教えて下さい。

 若い先生方が、児童生徒への指導上の課題に直面した時や保護者との対応に困った時に、かつては、学校内で先輩教員から適切なアドバイスをもらえる環境がありましたが、現在、教職員の多忙化や大量退職時代に入り、その時間的な余裕がなくなっています。若い先生方へのアドバイスとして、少しでもお役に立てばということで発刊させていただきました。

―本書では小学校から中学校、高校まで幅広い執筆者によって、多様で具体的な場面&対応例が紹介されています。校種(学年)によって対応の違いはあるのでしょうか。教えて下さい。

 基本的に校種による対応の違いはないはずです。児童生徒の成長を第一に考え、そのために保護者や地域の方々の協力をいただけるように配慮するというのが基本だと思います。しかしながら個々のケースでは、特に児童生徒に対しては、その発達段階に応じた指導が必要です。その点については本書を参考にしていただければと思います。

―本書では「うまくいくおすすめ対応」とともに、「これだけはしてはいけないまずい対応」も紹介されています。このねらいと活用のポイントについて教えて下さい。

 「うまくいくおすすめ対応」は、執筆者自身が過去の経験のなかで、トラブルの回避につながった経験を述べています。何らかの参考になればと思っています。「これだけはしてはいけないまずい対応」も、多くの執筆者は自らの経験に基づいて述べていると思いますので、若い先生方が同じ過ちを回避するのに役にたてていただければと考えています。

―本書では、その場面における教師の具体的なセリフも、太字で紹介されています。その意味とねらいについて教えて下さい。 

 教師にとって言葉は命だと思います。言葉の行き違いから思わぬトラブルに発展することもあります。場面や状況に応じて、適切な説明をしたり、十分納得してもらえるように意を尽くしたりすることが大切だと思います。特にトラブルが予想されるケースでは慎重な言葉遣いが要求されます。本書を参考に、不要なトラブルを避けるようにしていただきたいということから、参考例を掲げさせていただきました。

―最後に、読者の先生方へメッセージをお願いします。

 学校教育では児童生徒の学力を向上させることともに、子どもたちの人間的な成長を図ることが期待されていると思います。そのためには、出来るだけ多くの時間を児童生徒と触れ合うことが不可欠です。本書を参考に、不要なトラブルや課題に時間を費やされることなく、児童生徒の成長を図るための、教師本来の仕事に専念していただければと思っています。

(構成:及川)

コメントの受付は終了しました。