著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
教師力をアップする英語授業の大技・小技が満載!
群馬県公立中学校教諭など笹 達一郎
2012/6/21 掲載

笹 達一郎ささ たついちろう

1967年群馬県生まれ。早稲田大学卒業。東京での民間勤務を経て、1997年より群馬県公立中学校教諭等。英語、社会を担当。英語教育、進路、学校行事等のアイデアを掲載した中学校教員向けのHP『教室のアイデア』を運営。
主な著書に、『授業をグーンと楽しくする英語教材シリーズ 人気ゲーム満載!英語表現・文法指導アイデアワーク(学年別、全3冊)』『授業をグーンと楽しくする英語教材シリーズ 英文法の基礎・基本&面白解説ワーク(学年別、全3冊)』などがある。

―本シリーズには英語授業づくりの様々な極意が紹介されていますが、そもそも本シリーズはどのような趣旨でご執筆されたのですか?

 おもに2つの課題意識をベースにしています。1つは、近年、先生の年齢構成の変化や学校の小規模化によって、授業づくりにかかわる経験知の継承が難しくなってきていることです。本シリーズでは、活字では伝わりにくい経験知が少しでも伝わりやすくなるように工夫しました。もう1つは、現在、英語授業のスタンダードが見えづらくなっていることです。このことは学校現場において、経験の浅い先生に限らず、多くの混乱を起こしていると感じています。本シリーズでは、日常の英語授業においてどのような授業づくりをしていけばよいのか、教室の現実に即した「新しい英語授業のスタンダード」を具体的に提案しています。

―本シリーズは英語授業づくりの小事典とも言えるほど、濃い内容の2冊に分かれていますが、その2冊の内容を簡単にご紹介ください。

 『授業の基本・文法指導編』は、語彙指導、発音指導などの小技から「教科書で教える」コツなどの大技まで、新任からベテランの先生にまで参考にしていただける内容になっています。また、授業における文法説明の意義を見直し、効果的な説明のあり方について提案しています。『コミュニケーション活動・評価編』では、コミュニケーション活動で育成をめざす力を視点に、活動の種類を整理分類しながら実践例を紹介しています。特におすすめなのは、英語の授業における「言語活動の充実」とは何かについてまとめた章です。

―本シリーズには、単語テストやフラッシュカードの作り方・使い方など、授業ですぐに使えるアイデアも満載になっています。効果的な使い方をご紹介ください。

 授業づくりの小技もたくさん紹介しました。既刊の著作では紹介しきれなかったものや、新しく考案したものも収録しています。ぜひ生徒の実態にあわせて、修正を加えながらオリジナルの教材を作り出して下さい!

―今年度から、中学校は新教育課程になり、英語は週4時間となりました。英語教師としてこの1年を乗り切るために、どのようなことに一番気をつけていくべきだと先生は思いますか?

 教科書にもよりますが、新しい教科書の多くは語彙・内容ともにかなりのボリュームになっています。「教科書を教える」やり方一辺倒では、4時間どころか5時間あっても時数が足りません。先生自身が指導内容を焦点化しながら、主体的に教える必要があります。一言で言えば「教科書で教える」ことが求められていると言っていいでしょう。本シリーズではそのコツとアイデアも紹介しています。ぜひ参考にして下さい。

―最後に全国で英語を教える新任・若手の先生に向けたメッセージをお願いします。

 英語を教えることは大変なことです。そのハードルを乗り越えるために、経験の浅い先生には、ぜひ教えることを楽しんで欲しいと思います。楽しい授業づくりのためには、まず先生が教えることを楽しむことが大切です。生徒の成長をともに喜ぶ姿勢で、良い授業づくりをしていきましょう。

(構成:木山)

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