- 特集 個別の指導計画と学習評価
- 特集について
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- 総論
- 1 新学習指導要領を踏まえた学習評価
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- 2 特別支援教育における評価のあり方と指導要録
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- 事例【個別の指導計画における評価の工夫〜PDCAサイクルを用いて〜】
- 1 見通しをもった支援・評価を行うために
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- 2 個の実態に即した個別指導計画の活用方法
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- 3 より質の高い目標達成を目指して
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- 4 開校1年目における個別の指導計画の取り組みについて
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- 事例【学習や生活の様子を伝える通知表の工夫】
- 5 日々の記録をもとに経過と結果、支援について確認し合うために
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- 6 評価における総合所見の役割
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- 7 授業づくりを通しての通知表の作成と工夫
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- 8 「キャリア学習プログラム」と関連づけた「個別の指導計画」の活用
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- 事例【指導要録の記入例】
- 9 今年度の適切な評価と次年度への継続された支援のための指導要録
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- 10 育ちの道筋が見える記述をしよう
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- 11 指導要録はプレゼンテーション
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- ことばやかずを楽しく学ぶ簡単手作り教材 (第12回)
- 〈まるまる絵本〉「マル」がいろいろ変身
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- 授業がはずむ「おすすめアイテム」 (第79回)
- ぶんぼうぐ探検隊! おもしろホッチキス
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- 提言
- 富山県における特別支援教育の推進
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- アイデアいっぱい・誰にでもできる指導法
- どこにあるかな? みつけてみよう!
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- 文字を理解し状況の変化に対応する
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- 授業を面白くする手づくりグッズ
- いろいろな感覚を使って絵本の世界を楽しもう〜匂って、さわって、動かして〜
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- 究極のミシン縫いができる教材づくり〜誰でもが簡単に操作できるミシン〜
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- 子ども生き生き・学習活動
- 【国語】漢字学習法1・2・3・4〜漢字を読めると楽しいよ〜
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- 【算数・数学】数の系統性に基づいた指導
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- 【音楽】重度障害児のための音楽授業づくりのヒント
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- 【造形】ダイナミックに表現を楽しもう
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- 【運動】10秒間走をしよう〜設定時間内(10秒間)にゴールを目指して全力疾走〜
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- 【自立活動】視覚を鍛えて落ち着いたこころをつくる〜見る力を伸ばす取り組みをベースに〜
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- コーディネーター便り (第24回)
- 特別でない特別支援教育を目指して
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- 〜新米コーディネーター奮闘記!!〜
- わが校が取り組む交流・共同学習 (第6回)
- ともに育つ交流学習を目指して
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- トピックス (第24回)
- 障害のある児童生徒に係る学習評価の在り方
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- フォトライブ「授業」Part20/東京都立あきる野学園 (第3回)
- 高等部/マイタイム地理歴史 ICT機器の活用その他による、学習内容を「見える化」する工夫〜愛知県について知ろう!&都道府県ビンゴ!〜
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- 障害のある人たちの卒業後の自立を支える (第6回)
- 入所施設生への支援と地域生活移行について
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- 情報機器のなるほど活用術 (第24回)
- 絵や写真がリアルにおしゃべり
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- 発達障害の子どもたちの社会性を育てるために (第6回)
- 世の中で生きていくスキルを高める
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- 漢字に苦手意識をもっている子どもへの支援 (第6回)
- 通級指導教室での漢字の「書き方」の指導を通し
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- 自閉症の子どもの算数指導 (第12回)
- 金銭の指導3
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- 〜おつりのある支払い〜
- 【小学部低学年】文字・かずの指導のポイント 発達支援と教材・教具 (第6回)
- 同じ題材で異なる段階の子どもの授業をする
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- 〜発達的視点で指示を工夫する〜
- 発達障害の子どもを中心とした医療と教育の真の連携
- 発達に課題をもつ小児の機能障害の共通理解
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- 編集後記
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特集について
特集 個別の指導計画と学習評価
学年末は,1年間の学習や生活の様子の記録を下に評価し,通知表や指導要録に記入する時期です。障害のある児童生徒の学習の評価に当たっては,一人一人の障害の状態を十分理解し,行動の観察をきめ細かく行い,一人一人の学習状況を丁寧に把握できるように工夫することが必要です。さらに,目標に準拠して評価を行うことや個人内評価を重視すること,そして学習指導と学習評価を一体的に進めることが大切です。
今回の学習指導要領の改訂で,特別支援学校では,各教科等の学習指導においても個別の指導計画の作成が義務付けられるとともに,小・中学校に在籍する児童生徒については,必要に応じて個別の指導計画を作成することとされています。したがって,個別の指導計画と通知表における学習評価の一貫性を保つことや学習指導の評価をPDCA(Plan-Do-Cheak-Action)サイクルの中で効果的に実施することが一層重要になってきています。そのために,通知表と個別の指導計画を工夫して一体のものとする実践も見られるようになりました。
また,学習指導要領の改訂の趣旨を踏まえ,中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会は,「児童生徒の学習評価のあり方に関するワーキンググループにおける審議のまとめ」を公表しました。その中で,現在の評価の4観点と新学習指導要領で示した学力の3要素との関係を,「知識・理解」と「技能・表現」が基礎的・基本的な知識・技能を,「思考・判断」が知識・技能を活用して課題を解決するために必要な思考力・判断力・表現力等を,「関心・意欲・態度」が主体的に学習に取り組む態度を,それぞれ踏まえているものとして整理しています。今後は,特別支援教育においてもこのような評価規準で,評価そのものの信頼性を高めることが求められると思います。
指導要録についても審議のまとめでは触れています。各教科等の記録に関しては,一人一人に応じて設定する具体的な指導内容を踏まえることや,教育課程や実際の学習状況を考慮して記述することを求めています。今後,審議のまとめを受け,指導要録の記載事項についても検討されることと思います。
本特集では,新学習指導要領における学力の3要素と特別支援教育の評価のあり方や特別支援教育における学習評価のあり方についてわかりやすく解説するとともに,発達障害を含む障害のある児童生徒の通知表や個別の指導計画の作成例,そして指導要録への記入例を紹介します。
「特別支援教育の実践情報」編集代表/東洋大学教授
宮ア 英憲
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- 明治図書