LD,ADHD&ASD 2014年7月号
授業のユニバーサルデザインと個に応じた配慮・指導

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LD,ADHD&ASD 2014年7月号授業のユニバーサルデザインと個に応じた配慮・指導

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ジャンル:
特別支援教育
刊行:
2014年6月23日
対象:
小・中
仕様:
B5判 70頁
状態:
絶版
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目次

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特集 授業のユニバーサルデザインと個に応じた配慮・指導
特集について
笹森 洋樹
提言
教育におけるユニバーサルデザインと特別支援教育
佐藤 克敏
事例[全体授業の中で工夫できること]
1[小学校・通常の学級]みんながわかる みんなでできる だから楽しい! 学びのユニバーサルデザインを生かした授業づくり
三浦 聖子
2[中学校・通常の学級]楽校のココロ―授業のユニバーサルデザイン化から楽しい学校づくり―
松尾 禎昭
3[中学校・通常の学級]UD化を目指した英語科指導の研究と実践―生徒全員がわかる授業を目指して―
佐藤 真雄
4[高等学校・通常の学級]一斉指導で有効なユニバーサルデザイン教育とは―板書やノートまとめを中心とした授業実践―
上原 美和
事例[授業の中で個別に配慮できること]
5[小学校・通常の学級]誰もが安心して参加できる授業づくり―バスケットボールが苦手な児童も試合に参加できる授業展開について―
木戸 雄大
6[小学校・通常の学級]児童の特性をとらえ理解を促す授業づくり
酒本 哲也
事例[通級指導教室などでの特化した指導]
7[小学校・通級指導教室]「できた」「わかった」喜びを―算数の教科指導を通じて―
笘廣 みさき
8[中学校・通級指導教室]在籍学級に活きる教科の補充指導―特別支援教育と教科教育の理論を双方向に活用する実践―
下村 治
Essay
発達障害:認知基盤の観点から
宮尾 益知
発達障害の子どもに役立つ!ちょこっと支援の教材・教具 (第2回)
学びやすさを支えるアプリ
井上 賞子
【特別寄稿】企業が求める「こんな子いいな」
「明るく・元気に・前向きに 困ったときにはお互い様!」
佐藤 健一
親の会・JDDネットニュース (第50回)
人は作業することで元気になれる
三澤 一登
医療との連携 (第50回)
発達障害における薬物治療の現状(2)
小野 次
実践の小箱/臨床学校現場から (第47回)
子どもが安心して,楽しく学校生活するための支援を考える
三谷 幹
〜A児の事例から〜
Newsな視点 (第6回)
障害者の権利に関する条約
三輪 善英
保護者の悩みに寄り添う教育相談 (第2回)
宿題に過度の負担を感じています。どうしたらいいでしょうか。
安住 ゆう子
やってみよう!授業のユニバーサルデザイン (第2回)
【社会】すべての子どもが,楽しく「社会的見方・考え方」を獲得できるように
村田 辰明
はじめての特別支援教育コーディネーター (第2回)
余裕と笑顔の秘訣は,一歩先を考えること
吉成 千夏
はじめての通級指導教室担当 (第2回)
子どもにとって充実した授業をつくる
公文 眞由美
〜通級指導教室の1日〜
一度は手にしたい本
『特別支援教育に力を発揮する神経心理学入門』(坂爪一幸著)/『ワーキングメモリと特別な支援』(湯澤美紀・河村 暁・湯澤正通編著)
松田 修
編集後記
笹森 洋樹

特集について 授業のユニバーサルデザインと個に応じた配慮・指導

国立特別支援教育総合研究所総括研究員/笹森 洋樹


特別支援教育の視点から通常の学級においてすべての子どもにわかる授業づくりを展開する取り組みが広がってきており,「授業のユニバーサルデザイン」とよばれ関心も高まっているようです。

ユニバーサルデザインとは,ノースカロライナ州立大学のロナルド・メイス氏が提唱した概念で,対象を障害者に限定したバリアフリーとは異なり,文化・言語・国籍の違い,老若男女といった差異,障害・能力を問わずにだれでも利用することができる施設・製品・情報などのデザイン設計のことです。

そして,「授業のユニバーサルデザイン」は,特別な教育的支援が必要な子どもへの配慮や指導の工夫が,他の子どもの理解の助けにもなり,クラス全員の子どもたちに対するわかる授業につながっていくという考え方を指します。それは,これまでも通常の教科教育で実践されてきた,子どもたちの実態に応じた,楽しく,わかる授業づくりを特別支援教育の視点から捉え直してみるということに通じます。

授業のユニバーサルデザイン化は,特定の個人のためにするのではなく,また1つの決まった方法がすべての子どもにわかりやすさを提供するものでもありません。個々の子どものニーズに応じてカスタマイズや調整をすることも大切なことです。

発達障害のある子どもも含め,通常の学級には他の子どもたちとは異なる,学び方に特徴のある子どもたちがいます。それらの子どもたちには,授業をユニバーサルデザイン化した上で,さらに個別的な配慮や指導も必要とする場合があります。つまり,授業をユニバーサルデザイン化するだけで,すべての子どもたちの学びが保証され,個別的な配慮や指導を必要としなくなるという訳ではありません。個別的な配慮や指導の工夫を行うためには,まず授業のユニバーサルデザイン化により全員がわかる授業づくりの取り組みを行うことが前提であるということです。

文部科学省中央教育審議会初等中等教育分科会において,2012年7月「共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進(報告)」がまとめられました。そこには,障害のある子どもと障害のない子どもが同じ場で共に学ぶことを追求することを前提に,現在の特別支援教育のさらなる推進について述べられています。通常の学級における集団への指導と個に応じた指導という特別支援教育の視点はますます重要になってきます。

そこで,障害のある子どもを含め多様な子どもが共に学ぶことを追求するインクルーシブ教育システムの構築を見据え,通常の学級における授業のユニバーサルデザインと個に応じた配慮・指導を特集のテーマとして取り上げました。

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