- 特集 教科書のジャンプ箇所―つまずき予防策24
- 〈巻頭特集論文〉教科書のジャンプ箇所 見つけ方と予防策
- ジャンプ箇所を見つけ、対応できる教師の腕のみがき方
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- 例題・類題のジャンプ箇所 つまづき予防策
- 必要な説明はする。しかし逐一は避け、一歩も二歩も詰める
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- 子どものミスを防ぐ基本型を教師が提示する
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- ジャンプ箇所を乗り切った3つの手立て
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- 挿絵や図のジャンプ箇所 つまづき予防策
- 子どもに作業させることでポイントをつかませる
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- 練習問題のジャンプ箇所 つまづき予防策
- 練習問題は,原則として自力で乗り越えさせる。結果的には,そのほうができるようになる
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- 説明問題のジャンプ箇所 つまづき予防策
- 円の面積を予測させる説明
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- まとめ問題のジャンプ箇所 つまづき予防策
- 読ませて,見させて,なぞり・写させる
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- ミニ特集 参観授業で保護者を巻き込む算数ネタ
- [親子で解く]親子で熱中・フォーフォワーズ+α問題
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- [親が◯つけ]ノートと赤鉛筆を持って保護者のもとへ
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- [親に説明]わが子の活躍を目の当たりにする「説明させる授業」
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- [親と難問]「できそうでできない」で保護者も熱中
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- [親子チャレラン]親子を巻き込むペーパーチャレランは,知的で親子の触れ合いにピッタリの教材!
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- [親子対戦]親子で盛り上がるTOSSランド,難問プリント,ペーパーチャレラン
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- 表紙のイラスト (第26回)
- 問題:図は何本の帯でできていますか。
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- グラビア
- 参加者の学びは100%、授業者の学びは200%
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- 〜向山型算数セミナーIN福岡 2012.11.3〜
- イラスト競演!向山型算数ハイライトシーン (第2回)
- 百玉そろばんで感じた確かな手応え―つかみはばっちり!!
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- びっくりドッキリ!当世教育事情 (第2回)
- 学生の目から見た算数・問題解決学習
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- 巻頭論文 算数授業へのこだわり
- 算数の教科書を教えることがなぜ大切か
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- 教科書3割増に対応する学年別教科書の教え方 (第14回)
- 1年「なんばんめ」
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- 1年「いくつといくつ」
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- 2年「たし算のひっ算」
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- 2年「ひき算のひっ算」
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- 3年「わり算」
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- 3年「円と球」
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- 4年「わり算の筆算」
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- 4年「垂直・平行と四角形」
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- 5年「小数のかけ算の筆算」
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- 5年「小数の倍」
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- 6年「分数のかけ算」
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- 6年「分数のわり算」
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- 初心者のための基本技レベルアップ講座 (第2回)
- 「言葉を削る」4つの教師修業の方法
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- 「論文審査」突破力をつける (第2回)
- 「論文審査」突破力とは,毎月論文を応募できる力である
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- 向山型算数に挑戦/論文審査 (第162回)
- 学習問題の言葉の定義はすっきりしたものにする
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- 向山型算数実力急増講座 (第164回)
- 基本から定着,そして飛躍の算数ノート
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- 向山型算数WEBサロン (第158回)
- 木村重夫氏の講座に学ぶ「教科書の教え方」の教え方
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- 〜5年「割合とグラフ」の教え方〜
- 甲本・河田発 やんちゃ君も巻き込み,知的に燃える算数教室 (第50回)
- 4月から年間を見通した指導を心がける。アイテムの習熟が必要である
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- 算数とは,素直さと丁寧さの上に成り立つ技能教科である
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- 中・高・塾教師の告発状!学力不足がもたらす悲惨な実態 (第14回)
- 学級崩壊の最大の被害者は子どもたちである
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- 力でおさえる対応が,生徒指導を困難にする
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- 発達障害への林ドクター教育コーチ!教師が切れた発達障害児の言動Q&A (第50回)
- 暴言の定型句を使う子どもへの対応
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- <子どもを巻き込む算数の福袋>算数ペーパーチャレラン (第38回)
- 低学年/「15チャレラン」
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- 中学年/「計算迷路(森)チャレラン」
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- 高学年/「三角形・四角形の内角の和チャレラン」
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- あなたもプロ先生になれる!教師渡世・サバイバルの知恵 (第38回)
- <今月のテーマ>授業のつかみ―ズシンと手応えを感じた場面
- 〈1年〉学習ルールを徹底させて,全員を巻き込む
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- 〈2年〉百玉そろばんで授業に引き込む!
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- 〈3年〉授業のつかみを考える!
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- 〈4年〉すぐに活動や作業をさせる
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- 〈5年〉授業のつかみ15秒は活動で
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- 〈6年〉チャイムが鳴ると同時に授業を始める
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- 「語り」で描写!あの子ができたドラマ100人物語 (第50回)
- 何度も挑戦させて乗り越えさせる
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- すきま時間に子ども熱中!すぐに使える“わくわく問題” (第26回)
- 「数と計算」の学習に使える思考力UP問題
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- プロが解説!教材研究「基本用語」事典 (第2回)
- キーワード「異種の量」
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- 向山型算数セミナー
- 8月セミナーの新企画誕生
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- 腹の底からの実感!向山型算数を知る前と後
- 教師道を変えてくれた向山型算数
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- 写すのも勉強
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- 論文ランキング
- 2月号
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- TOSS最新情報
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- 読者のページ
- 国際的に広まる向山型授業
- 編集後記
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- 「子ども算数検定」に挑戦! (第2回)
- 5月
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- 算数教科書教材に挑戦/指定教材 (第164回)
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<巻頭論文>算数授業へのこだわり 算数の教科書を教えることがなぜ大切か
/向山 洋一
算数教育への視点・その1
ある県で,教育センターの研修案内に次の講座が出された。
算数・数学科のスペシャリスト養成研修会A〜教えて考えさせる授業〜
自力解決型の問題解決学習のみでは学力向上は難しい。そのため,知識の定着に大変効き目のよい「教えて考えさせる授業」について学び,指導の幅を広げ,授業の改善を図ることにより,算数・数学科のスペシャリストを養成します。
これは画期的なことである。県の研究センターが「問題解決学習のみでは学力向上は難しい」と認めたからである。
そして導入されたのが,「教えて考えさせる授業」である。もちろん,東大の市川先生の主張だ。東大には,佐藤先生のような授業が全く駄目なのに大言壮語を言う人もいたが,市川先生のように,「学び」について,東工大時代から研究されてきた人もいる。
市川先生とは,東工大時代,何度か研究会を持った。大阪教育大学の創立記念シンポで学長,市川先生,向山の3人で語ったこともある。「教えて考えさせる」は大切な方向だ。
算数教育への視点・その2
4月新年度,黄金の3日間にS社のはじめテストを実施した。6年生である。結果はクラス平均57点。最高点が80点。最低点は16点。文章題等のない計算テストである。学力が低いことは想像していたが,全体として低い。
5年生で習う分数関連の計算ができない子が8割以上いた。かけ算やわり算,通分ができていなかった。真面目な子でも正確には入っていなかった。
新年度はじめに,「計算」と「漢字」の実態調査をしておくことは,極めて大切だ。
特に算数のノートも見ておくといい。前年度の算数ノートを子どもたちから借りて,何人か分はコピーをしておくとよい。
子どものノートのコピーは何年たっても活用できる。エビデンスを求められるこれからの教育には,絶対必要である。
算数教育への視点・その3
学力崩壊の真犯人,A級戦犯は「算数の問題解決学習」である。
証拠がある。日本教育技術学会では,中学入学時の学力調査をしてきた。
「学力」を,小学校6年のクラス別に出して比較した。
教科書をほとんど使わない算数の問題解決学習のクラスの平均点は,下位群になった。同じ学校の隣のクラスと比較して,最大で平均点が30点低かった。算数の問題解決学習の教師は「本当の学力はテストで測れない」と言って逃げる。
それに代わる評定の方法も言わない。
ところが学力崩壊の「学力」とは,文科省の「学力試験」という「ペーパーテスト」で測られたものである。
これが現在問題となっているのだ。
算数の問題解決学習は,「勉強のできない子」「障害のある子」にとって,とりわけ冷たい指導方法である。「これだけ熱心に教えてもわからないのは,子どもが悪いからだ」と,算数の問題解決学習をしている教師の多くは考えている。低学年のとき,算数テスト5点,10点だった子が,中学年,高学年になって80点,90点,100点を取った実践例は,1例も報告されてない。
私がこのことを書き始めて7年(これは2005年の文章だから,2013年には15年になる。つまり15年かかっても,1例も報告されていない)になるが未だに反論がない。
算数テストが5点,10点だった子が授業だけで満点を取れるようになるなど,奇蹟のことなのだ。
向山型算数からはこの奇蹟の出来事が何十,何百,何千と生まれている。「5年生になって初めて算数で100点を取った」と喜ぶ子がいっぱいいる。
(2005年6月号『教室ツーウェイ』向山論文)
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- 明治図書