向山型算数教え方教室 2010年10月号
発達障害の子の算数的特性と授業対応策

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向山型算数教え方教室 2010年10月号発達障害の子の算数的特性と授業対応策

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ジャンル:
算数・数学
刊行:
2010年9月8日
対象:
小学校
仕様:
B5判 94頁
状態:
絶版
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目次

もくじの詳細表示

特集 発達障害の子の算数的特性と授業対応策
〈巻頭特集論文〉「視覚映像優位・色優位・3D認知」と「聴覚言語優位・線優位・2D認知」これらの特徴を理解した指導法の研究を!
/谷 和樹
高機能自閉症児のこだわりに対応し,満足感を与える
/松崎 力
小さな成功体験の積み重ねがやる気を引き起こす
/神谷 祐子
作図の指導はデジタルコンテンツでサポートする
/許 鍾萬
授業中体を揺する対人不安なA児にも有効なセルトニン5
/溝端 達也
百玉そろばんと赤鉛筆指導でのりきった1年間
/楢原 八恵美
2つの算数的特性への対応策
/細羽 朋恵
子どもの困り感に自作教材で対応する
/武井 恒
ミニ特集 算数で伸ばすグラフの読み方・作り方
基礎基本をおさえた後に,発展的に読み取らせる
/赤石 賢司
わかりやすいと実感させる
/前川 淳
初めてのグラフ指導から原則を徹底させる
/中野 慎也
基本をおさえた繰り返し指導
/佐藤 敏博
目盛りの読み方と大きい順になっていることをおさえる
/河野 健一
表からグラフにかいてわかる重要性
/村田 斎
グラビア
TOSS教育最前線:対応能力をつけよ
/村田 斎
若葉印教師のための向山型算数基礎基本イラスト事典
忘れ物指導
/大貝 優希
新卒フレッシュ先生のための向山型算数キーワード
セルフ・エスティーム(Self-esteem)
/木村 重夫
巻頭論文 算数授業へのこだわり
全員100点を目指したが、害が大きかった方法
/向山 洋一
学年別10月教材こう授業する
1年・たし算(くり上がり)
「習得型」の授業
/益子 和樹
「活用型」「探究型」教材と授業
/奥田 純子
2年・かけ算(1)
「習得型」の授業
/田中 裕美
「活用型」「探究型」教材と授業
/山本 純
3年・大きい数のしくみ
「習得型」の授業
/太田 健二
「活用型」「探究型」教材と授業
/木村 正章
4年・わり算の筆算(2)
「習得型」の授業
/中濱 麻美
「活用型」「探究型」教材と授業
/斉藤 維人
5年・面積
「習得型」の授業
/上地 貴之
「活用型」「探究型」教材と授業
/和田 匡史
6年・体積
「習得型」の授業
/橋川 啓
「活用型」「探究型」教材と授業〉
/藤井 幹裕
中学生を熱中させた「向山型数学」知的な実践&ドラマ (第7回)
2年/「誰でもできる」ことを習慣化させる向山型数学
/本川 由貴子
中学校からの発信!「向山型数学」実践講座 (第127回)
子どもの事実に依拠すれば,向山型に行き着く
/井上 好文
向山型算数に挑戦/論文審査 (第131回)
応募論文はみんなよくできていた
/向山 洋一
向山型算数実力急増講座 (第133回)
教えて,書かせて,言わせて,ほめる(上)
/木村 重夫
向山型算数WEBサロン (第127回)
「文字と式」文字の値を求める問題は,「表を使って調べる」「式を解いて求める」算数的活動の2本立てで行う
/赤石 賢司
甲本・河田発 やんちゃ君も巻き込み,知的に燃える算数教室 (第19回)
できない子に自信をもたせる向山型算数修業の方法は,暗記だ
/甲本 卓司
教科書どおり教えるための教師の作法�@
/河田 孝文
“問題解決学習”隣の教室の実態ルポ
見栄と無知のかたまり,問題解決学習
/黒川 夏美
エラーラーニングさせる問題解決学習
/松島 博昭
発達障害への林ドクター教育コーチ!気になる「あの子」への対応Q&A (第19回)
必要な文房具をそろえてLD児を支援する
/平中 健也・林 隆
<子どもを巻き込む算数の福袋>算数ペーパーチャレラン (第7回)
低学年/うちゅうのたびチャレラン
/大貝 浩蔵
中学年/計算あみだチャレンラン
/北島 瑠衣
高学年/分数1→2→3チャレラン
/奥田 嚴文
あなたもプロ先生になれる!教師渡世・サバイバルの知恵 (第7回)
<今月のテーマ>すごく手のかかるあの子・発達障害の子への対応
1年/今日から,一度も怒鳴らない!
/小松 裕明
2年/心穏やかにペースをつかむ!
/具志 睦
3年/百玉そろばんで子どもも教師も笑顔!
/吉田 れいか
4年/いつでも九九表を持たせる
/田中 直行
5年/「教えて」「ほめる」の繰り返し
/田澤 大吾
6年/テストでも有効な赤鉛筆指導
/渡部 麻衣子
「語り」で描写!あの子ができたドラマ100人物語 (第19回)
できない子は怠けていない。何倍もがんばっている
/小室 由希江
向山型算数への苦言・提言・辛口応援歌
算数ができないために中学理科テストで間違える生徒たち
/小森 栄治
向山型算数セミナー
オンブズマンの活動に注目
/板倉 弘幸
腹の底からの実感!向山型算数を知る前と後
達成感をもつようになった
/阿南 麻美子
自分流を模索しながら
/栄多 桂子
子どもも教師も激変した向山型算数!
/田崎 博之
論文ランキング
7月号
/木村 重夫
板書とノートでわかる!私の授業“ピーク・エンドの法則” (第7回)
ていねいに取り組むことで,確実に問題を解くことができる
/小路 健太郎
〜6年/起こりうる場合の数〜
読者のページ
知的な「語り」の力をつけたい
編集後記
/木村 重夫・赤石 賢司
TOSS最新情報
/赤石 賢司
向山型算数に挑戦/指定教材 (第133回)
/向山 洋一

<巻頭論文>算数授業へのこだわり 全員100点を目指したが,害が大きかった方法

向山 洋一


 30年も昔の話である。

 計算や漢字の10問テストをして,全員が100点をとるまで,毎日同じテストを続ける方法が流行していた。

 まじめな組合の先生に多かった。この方法は,全員に100点をとらせたいという善意から生まれたものであった。

 しかし,効果ははかばかしくなく,害のほうが大きかった(教えてほめる方法でなかったからだ)。

 赤ねこスキルは,「間違った問題のみに再挑戦する」という方法である。私が考えた方法だ。この方法は,効果が著しかった。

 それまで,80点ぐらいをとっていた子は,復習をあまりしなかった。次に,また80点をとれるからである。

 しかし,向山の方法だと,80点の子でも全くできない場面が生まれる。子どもたちは,みんな熱中して,間違い直しをするようになった。そして,いつの間にか,赤ねこスキルは全国に大きく広がり,「お化け教材」になってしまった。県内の大半が採用している所もある。

 今回の学力テストで,算数がトップクラスの県,著しく躍進した県では「向山型算数」と同じような指導がとられている。算数の問題解決学習は,低学力をもたらすことを反省し,改善した県が伸びている。

 次は,ある女性の先生の報告である。

■向山先生のコメントを拝読し,思い出しました。私が小学4年生のとき,これ,やってました!今も苦い思い出で残っています。

〈向山先生のコメント〉

 昔,ミニテストで,全員が100点をとるまで繰り返すという方法が流行しました。

 全国でされていました。

 いい方法なら今も続いているはずです。

 私が4年生のときです。

 夏休みが終わり2学期にはいってからすぐ,突然先生が「全員100点を目指そう」「全員が100点をとれるまで同じテストをするよ」「簡単な問題だからね。がんばってね」といい,毎朝同じ漢字10問テストが繰り返されました。

 休み時間は先生の周りにみんな群がり,テストの〇つけを見ていました。

 まずは自分が100点かどうか確かめます。自分が100点じゃないと「おまえのせいじゃよ」と言われるからです。自分が100点だったのを確かめたら,あとは他の子を応援します。マル,マル,マル,と100点が続く中,×がつけられると……。

 「あーあ」とみんなため息です。

 これが1ヶ月ぐらい続きました。

 やってもやっても全員100点にならないのです。

 いつも100点がとれない子は決まっていました。A君でした。

 休み時間,大勢が先生の採点を見守り,36人中35人が100点で「あと1人」「あと1人」コールの中×がつけられ,「あーあ」「きょうもあかんかった」「またA君や」と言われるA君。

 今思うと,これは教師が「この子はできない子」というのを証明している犯罪行為ともいえると思います。

 事実,いじめもあり,A君の菌つけや,鬼ごっこでもA君をさけたりということもありました。

 1ヶ月以上たったある日,どうにかこうにかA君も100点になり,「やったー」とみんな大喜びしました。

 私も喜んだのですが,「やっと終わった」という気持ちのほうが大きかったのを覚えています。

 「いい方法なら今も続いているはずです」と向山先生のコメント。

 その通りです。それからすぐに全員100点がとれるまで同じ問題をする,という方式は終わりました。

 いい方法なら続いていますよね,確かに。拝読してウンウンと頷きました。(百マス計算も95%以上の学校がやめました)■

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