- 特集 黄金の3日間に教室の「学力実態調査」をして活用しよう
- 〈巻頭特集論文〉実態調査を行い分析をすることがその1年の基本方針を決める
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- 【実態調査】なぜ必要か,どう活用するか
- 授業の腕をあげるために問題点を明らかに
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- 低学年の実態調査問題とその効果
- 基礎学力スキルという全校共通の取り組み
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- 「学力実態調査」実施の7つの留意点
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- 中学年の実態調査問題とその効果
- 実態が分かれば心構えができる
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- 実態調査で子どもに学力と自信を!
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- 高学年の実態調査問題とその効果
- 向山氏の「大きな数CD」は,出会いの授業から学べる宝の山だ
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- 子どもの事実を把握し,スタートするための資料を作る
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- ミニ特集 計算能力を伸ばす効果的な「スパイラル」指導
- 何度も復習できる向山型授業が確実な学力を定着させる
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- 目的は「アルゴリズムの定着」である
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- 答申を熟知し,最前線の脳科学に依拠した方法を組む
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- 問題分析とチェックが学習効果を上げる
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- 「百玉そろばん→九九→倍数」
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- 百玉そろばんをスパイラルに活用し,計算能力を伸ばす
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- 若葉印教師のための向山型算数基礎基本イラスト事典
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- 巻頭論文 算数授業へのこだわり
- ペーパーチャレランが国際医学会で脚光を浴びる
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- 学年別4月教材こう授業する
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- 「練習問題・スキル」と教材教具
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<巻頭論文>算数授業へのこだわり ペーパーチャレランが国際医学会で脚光を浴びる
向山 洋一
ペーパーチャレランは,「毛虫計算」から始まった。
毛虫君が,持ち点1を持ち,迷路を通ってりんごの所まで往復をする計算である。B51枚のペーパーだが,答えは何万種類になる。計算は,すべて1桁の加減乗除だ。
「最高点はどのくらいだと思いますか」
と私が聞くと,ほとんどの人が,
「500点ぐらいでしょうか」
と答える。
教師も,新聞記者も,テレビのディレクターも,企業の課長さんも,みんな同じだ。
「そんな程度じゃないですよ」と言うと,「えっ」と驚き,「数千点になるのですか」と言う。「目いっぱい大きく言って下さい」と言うと,「まあ,ありえないでしょうけど,数百万ぐらいですか」と言う。
私は,「まるでケタ違いですよ」と言うと,「まさか,数千万単位ですか」とあきれた顔をする。
本当は,億の単位までなる。
教室に,「毛虫チャレラン」のペーパーを置いておくと,教室はシーンとなって,熱中している。
教室に,熱気がただよう。
五色百人一首で,教室はまとまるが,ペーパーチャレランでもまとまる。
いや,一人一人が,「やる気」が出て,「熱中」して,「持続」するのである。
だから,『教室ツーウェイ』誌では,創刊以来,20年余も連載を続けてきた。
ところが,この「ペーパーチャレラン」がプラハで開かれた国際医学会で脚光を浴びた。
報告をした慶應大学医学部の根本先生は,各国から,講演以来が続いているという。
慶應大学の医学部,精神神経科学教室のドクターの方々と「ペーパーチャレラン」が認知症や分裂症の患者さんによい影響を与えるのではないかということで,伊藤亮介先生がTOSSの側の担当ということで,共同の研究を開始したのは,足かけ3年前だった。
当時から「脳トレ」が大流行しており,「漢字・計算による訓練」と対照して研究された。
昨年の「統合失調症研究会」で報告された。全国から,東大,京大,北大,名大など40大学の医学部からの報告があり,その中で第一位,最優秀賞になったのが,「統合失調症の訓練プログラム」(慶應大学医学部)だった。
日本全国の大学医学部が認め,かつプラハの国際学会でも注目された。
内容は,「ペーパーチャレラン」は「統合失調症」に「効果があり」,「漢字・計算訓練」は「効果が認められない」というものであった。
私が,教室で体験した「すべての子どもたち」の「熱中」「意欲」「持続」は本物であり,最もむずかしいと思われる「統合失調症」の患者さんにも効果があったのだった。
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