向山型算数教え方教室 2008年4月号
黄金の3日間に教室の「学力実態調査」をして活用しよう

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向山型算数教え方教室 2008年4月号黄金の3日間に教室の「学力実態調査」をして活用しよう

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ジャンル:
算数・数学
刊行:
2008年3月10日
対象:
小学校
仕様:
B5判 92頁
状態:
絶版
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目次

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特集 黄金の3日間に教室の「学力実態調査」をして活用しよう
〈巻頭特集論文〉実態調査を行い分析をすることがその1年の基本方針を決める
谷 和樹
【実態調査】なぜ必要か,どう活用するか
授業の腕をあげるために問題点を明らかに
板倉 弘幸
低学年の実態調査問題とその効果
基礎学力スキルという全校共通の取り組み
河田 孝文
「学力実態調査」実施の7つの留意点
紫前 明子
中学年の実態調査問題とその効果
実態が分かれば心構えができる
馬場 慶典
実態調査で子どもに学力と自信を!
千葉 真理
高学年の実態調査問題とその効果
向山氏の「大きな数CD」は,出会いの授業から学べる宝の山だ
赤石 賢司
子どもの事実を把握し,スタートするための資料を作る
平瀬 公士
ミニ特集 計算能力を伸ばす効果的な「スパイラル」指導
何度も復習できる向山型授業が確実な学力を定着させる
松崎 力
目的は「アルゴリズムの定着」である
八和田 清秀
答申を熟知し,最前線の脳科学に依拠した方法を組む
水野 正司
問題分析とチェックが学習効果を上げる
竹森 正人
「百玉そろばん→九九→倍数」
勝田 秀樹
百玉そろばんをスパイラルに活用し,計算能力を伸ばす
白井 朱美
グラビア
授業で最も大切なことは,最初のつかみである
村田 斎
若葉印教師のための向山型算数基礎基本イラスト事典
学力向上のための文具と教材
小倉 郁美
向山型算数キーワード
面積図
木村 重夫
巻頭論文 算数授業へのこだわり
ペーパーチャレランが国際医学会で脚光を浴びる
向山 洋一
学年別4月教材こう授業する
1年・なかまづくり
例題の「基本型」
末廣 真弓
「練習問題・スキル」と教材教具
河田 真介
2年・時計と表やグラフ
例題の「基本型」
本間 尚子
「練習問題・スキル」と教材教具
辻 和彦
3年・九九表とかけざん
例題の「基本型」
山田 恵子
「練習問題・スキル」と教材教具
泉井 康宏
4年・わり算の筆算
例題の「基本型」
桑原 佑樹
「練習問題・スキル」と教材教具
吉岡 繁
5年・小数のしくみ
例題の「基本型」
中田 昭大
「練習問題・スキル」と教材教具
永山 祐
6年・倍数と約数
例題の「基本型」
藤原 佳澄
「練習問題・スキル」と教材教具
岩田 史朗
中学難教材こう授業する
3年/式の展開と因数分解
月安 裕美
中学校からの発信!「向山型数学」実践講座 (第97回)
PISA型算数・数学読解指導の向山型モデル(2)
井上 好文
向山型算数に挑戦/論文審査 (第101回)
よい授業は原則をふまえている
向山 洋一
向山型算数実力急増講座 (第103回)
難問向山型「犬・ねこ・ねずみ問題」への挑戦
木村 重夫
向山型算数WEBサロン (第97回)
図・説明・式の3点セットで「円の活用問題」を解く力を伸ばす
赤石 賢司
向山型算数をDEEPに学ぶ女教師たち
算数セミナーへの挑戦が授業を変えた
岩本 友子
“問題解決学習”隣の教室の実態ルポ
私が受けた卑劣な攻撃
川上 朝三
本当に「学び合う授業」になっているのか?
白瀬 嗣大
〈教室の障害児と向山型算数〉特に気になる『あの子』への向山型アプローチ
「ほめてほめてほめまくる」ことが事実を生んだ
小西 亮人
もう一つの向山型算数 難問良問1問選択システム (第103回)
低学年
布村 岳志
中学年
井上 和紀
高学年
柴田 泰士
ビギナー専科=向山型算数ココが授業の勘所
1年/1年生の間違いを予想し,対処する
勇 和代
2年/教科書を渡すところから勝負は始まっている
宍戸 威之
3年/言葉を削ることで,リズムとテンポが生まれる
大貝 浩蔵
4年/授業開きは「モノの準備」をしっかりしよう
伊倉 尚子
5年/目線の意味を理解する
澤 寛之
6年/真実をほめる
町田 和弘
“若葉印”教師が向山型算数でダッシュするとき (第37回)
子どもたちが「算数,好き」と言ってくれるように
土橋 美香
向山型算数への苦言・提言・辛口応援歌
「難問良問1問選択システム」の傾向と対策
岡崎 一実
向山型算数セミナー
向山型算数の基礎基本とは何か
板倉 弘幸
腹の底からの実感!向山型算数を知る前と後
子どもも教師も力がついて感謝
松村 敏樹
向山型算数で変わっていく
藤田 明子
教師修業が楽しくなった
大久保 奈生子
論文ランキング
1月号
木村 重夫
実物ノートと指導のポイント
4月のノート指導は全校を巻き込め
田中 公男
読者のページ
一流を評価する基準をもつ
編集後記
木村 重夫赤石 賢司
TOSS最新情報
赤石 賢司
向山型算数に挑戦/指定教材 (第103回)
向山 洋一

<巻頭論文>算数授業へのこだわり ペーパーチャレランが国際医学会で脚光を浴びる

向山 洋一


 ペーパーチャレランは,「毛虫計算」から始まった。

 毛虫君が,持ち点1を持ち,迷路を通ってりんごの所まで往復をする計算である。B51枚のペーパーだが,答えは何万種類になる。計算は,すべて1桁の加減乗除だ。

 「最高点はどのくらいだと思いますか」

と私が聞くと,ほとんどの人が,

 「500点ぐらいでしょうか」

と答える。

 教師も,新聞記者も,テレビのディレクターも,企業の課長さんも,みんな同じだ。

 「そんな程度じゃないですよ」と言うと,「えっ」と驚き,「数千点になるのですか」と言う。「目いっぱい大きく言って下さい」と言うと,「まあ,ありえないでしょうけど,数百万ぐらいですか」と言う。

 私は,「まるでケタ違いですよ」と言うと,「まさか,数千万単位ですか」とあきれた顔をする。

 本当は,億の単位までなる。

 教室に,「毛虫チャレラン」のペーパーを置いておくと,教室はシーンとなって,熱中している。

 教室に,熱気がただよう。

 五色百人一首で,教室はまとまるが,ペーパーチャレランでもまとまる。

 いや,一人一人が,「やる気」が出て,「熱中」して,「持続」するのである。

 だから,『教室ツーウェイ』誌では,創刊以来,20年余も連載を続けてきた。

 ところが,この「ペーパーチャレラン」がプラハで開かれた国際医学会で脚光を浴びた。

 報告をした慶應大学医学部の根本先生は,各国から,講演以来が続いているという。

 慶應大学の医学部,精神神経科学教室のドクターの方々と「ペーパーチャレラン」が認知症や分裂症の患者さんによい影響を与えるのではないかということで,伊藤亮介先生がTOSSの側の担当ということで,共同の研究を開始したのは,足かけ3年前だった。

 当時から「脳トレ」が大流行しており,「漢字・計算による訓練」と対照して研究された。

 昨年の「統合失調症研究会」で報告された。全国から,東大,京大,北大,名大など40大学の医学部からの報告があり,その中で第一位,最優秀賞になったのが,「統合失調症の訓練プログラム」(慶應大学医学部)だった。

 日本全国の大学医学部が認め,かつプラハの国際学会でも注目された。

 内容は,「ペーパーチャレラン」は「統合失調症」に「効果があり」,「漢字・計算訓練」は「効果が認められない」というものであった。

 私が,教室で体験した「すべての子どもたち」の「熱中」「意欲」「持続」は本物であり,最もむずかしいと思われる「統合失調症」の患者さんにも効果があったのだった。

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