- 特集 発達障がい児が激変!ここでこう対応50例
- 特集のねらい
- ごくごく小さい対応であっても続けることで,扉を開けることができる
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- 授業場面
- 力強く受け止め,ほめることが一番
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- 黙っていられない子,ずっとぼんやりしている子への対応
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- 「学級崩壊寸前の教室」での算数模擬授業に見る瞬時の対応
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- 個々の課題に集団の力を使って解決する
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- 教師が特別支援教育をしっかり学び,知見を活かし,正しい対応をしていく
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- 言動のよさを見つけ,ほめて強化する
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- 事前に予告し,パニックを防ぐ。本人に失敗と思わせないための工夫
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- 怒って切れてしまう子への具体的対応
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- 日常場面
- 手順を示し,やってみせ,できたことを認め励ます,その積み重ねで激変! 一つひとつの動作をしっかり見届けよう!
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- 小さなことを続け,子どものできることを増やす
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- 「共感→激励→教示→賞賛」の相乗効果
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- 「受容」「共感」そして「指導」の順で「教えてほめる」状況をつくりだす
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- 子どもに言わせる,書かせる,作業をさせる
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- トラブルを減らすには,まず一緒にいること,そして先手をとること
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- その子どもの特性を理解し,対処しよう
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- 望ましい行動を教える,少しずつの成長を信じて待つ
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- 学校行事など特別な場面
- 「楽しい成功体験」にするために家庭と連携を図る
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- A君のお母さんから学んだ特別な場面での指導の数々
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- 安心して参加できることを第一に考える
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- 事前の準備が当日を左右する
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- 失敗も活かしながら,目の前の子どもにあたる
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- 一人ひとりに合わせた目標を設定して練習に取り組ませる
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- 「運動会」当日使える「しのびワザ」と,総練習で使える「技あり」2本
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- 全校集会・学年集会で,静かに聞けない子,大きすぎる声の子への対応
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- 励ましが一番! やりとげさせてほめる
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- ミニ特集 外部専門家と連携指導の工夫 〜コーディネーター編
- 言いにくいことを言ってもらうこと,カウンセリングをしてもらうこと
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- 連携はすべての子どもたちの力へと跳ね返る
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- 様々な「コーディネート」で子どもたちの発達を保障する〜様々な場面で調整役としてコーディネーターの機能を働かせ、子どもの発達にかかわる〜
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- 専門家と連携し,子どもの見方を変える
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- 「教えてほめる」指導と,組織で対応せよ
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- 保護者の不安,担任の困り感に応えるために〜コーディネーターの心配り〜
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- 外部専門家の助言は「指導のヒント」と考え,できることから始めよう
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- 連係プレーで寄り添う支援
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- 一番身近な外部機関は通級指導教室 通級指導教室を通すと他機関も近くなる!
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- 人をコーディネートすること 決してキレずに外部とつながることが特別支援コーディネーターの仕事である
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- グラビア
- 第12回 TOSS特別支援教育セミナー in大阪 ほか
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- 特別支援教育に必要な親学 (第4回)
- 家庭を支援する条例制定につながる親学
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- 〜親の学びにつながる親守詩の活動へぜひご参加を!〜
- 写真で早分かり 子どもの特性に合わせた“情報伝達の構造化” (第14回)
- 続!「脳トレカード名作5選〜起承転結 絵合わせ〜」実践報告
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- 〜継次処理とワーキングメモリなどを特別支援学級で鍛えるに最適な教材〜
- 教育の新課題と特別支援教育
- 特別支援教育,本物は広がる
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- 巻頭言
- 今こそ一人ひとりの教師の力量アップが求められる!
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- 『教育』と『医療』の連携で特別支援教育を強化する (第13回)
- 学校・地域・家庭・医療の粘り強く継続的な協力を
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- 『龍馬くんの訴え』から学ぶ発達障がい指導原則 (第9回)
- 教師が正しい知識,正しい対応を知ることで救われる子どもや保護者が多くいる
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- 子どもに力をつけるTOSS教材教具
- 〈うつしまるくん〉書く力の向上を具体的な数値で示すことができる教材
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- 〈S社理科ノート〉見開き2ページの構成で授業が安定。発達障がい児にやさしい配慮。だから力がつく
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- 〈TOSSメモ〉TOSSメモを活用することで、空白時間をなくすことができる
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- 〈かけ算九九尺〉算数が苦手な子でも、量が分かるから、覚えやすい
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- ポイントを外さない〜特別支援の子の保護者への対応術 (第7回)
- 保護者の話を共感して聞き、自尊感情を高める声かけをする
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- わが子の成長を実感させる
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- 私は,この本をこう読んだ (第7回)
- 『「特別支援が必要な子」を包み込む“仲間づくりゲーム”50選』桑原和彦・河村要和・TOSS茨城編著(明治図書)
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- 〜遊びでコミュニケーションスキルを高める〜
- 『満足脳を作るスキルブック』平山諭著(ほおずき書籍)
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- 〜特性を解説するだけでなく、改善するためのスキルを知ることができる一冊〜
- 特別支援教育を視野に入れた学校づくり (第6回)
- 思考停止するな,我々の武器は授業である
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- 発達障がい児も楽しんで取り組むレクリエーション (第3回)
- 少しずつステップアップ! いつの間にか教師の指示に従うように!!
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- 学級担任に必要な「特別支援教育の基本スキル」 (第11回)
- WISC−Wを授業に活用せよ!
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- 教育は格闘技だ―フリースクールの実践 (第28回)
- 実物操作による文字の指導
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- 〜3Dとして文字を理解させる〜
- 中学校を改革する特別支援教育で中学校が変わる (第7回)
- コーディネーターの動きが鍵
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- 眼科医療と発達障がい支援の関連 (第4回)
- 字がマス目におさまらない
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- 〜視覚・運動協応について〜
- 発達障がい児への指導法/支援法 (第7回)
- QAレッスンシート―摂食や食事指導で知っておかなければならないこと―
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- 特別支援教育の制度/障がいの用語理解/障がい観・支援システム (第7回)
- 21世紀の障がい観 その2 障害者総合支援法
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- コーディネーターのお仕事拝見 (第17回)
- 保護者との信頼関係づくり
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- 誌上QAコーナー こんな時どうしますか
- いろんなタイプの保護者との信頼関係の築き方 ポイントは保護者を安心させることである
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- 特別支援学校・特別支援学級コーナー
- コーナー担当
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- 特別支援学校の実践
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- 〜「輪郭漢字カード」で学習に参加できる〜
- 特別支援学級の実践
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- 〜自然大好き、「わくわくずかん」と「おてほんくん」のセットで楽しく学ぼう!〜
- 論文ランキング
- 37号/特集の内容に大反響! 多くの論文が支持された
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- 読者のページ
- 37号の学びや感想
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- 編集後記
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- TOSS特別支援教育イベント情報
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- どんな子でも熱中する教材はこれだ!!
- チャレラン
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- 〜『チャレラン』は、簡単にできて、しかも何回も挑戦したくなる楽しい遊びです。ルールを守ることや友達と交流することなど、発達障害の子がチャレランを通じて学ぶことはとても多いです。〜
巻頭言 今こそ一人ひとりの教師の力量アップが求められる!
鳥取県伯耆町立日光小学校/青戸 智子
1連携の広がり
「リーフレットを作りました」
先日参加したPTA関係の会合で,ある町の教育長が紹介された。発達障がいに関するリーフレットだ。教育委員会と福祉保健課が協力して作成し,全戸に配布されたそうだ。
「1・2・3・5歳児健診,就学時健診で,気になる子どもがいたら,声をかけていきます」
「早いうちに手だてをすれば,保護者の不安も解消します。そういう地域にしたいのです」
「浸透させてこそ(リーフレットが)生きてきます。学校やPTAでも使ってほしいです」
私は,町全体でそういうふうに取り組んでおられることをすばらしいと思った。
近年,発達障がいにかかわって,関係機関との連携が進んでいる。
私が以前勤務した学校でも,「医療」「福祉」「教育」の連携により,不登校の子どもが学校に通えるようになった実例がある。
TOSS関連のセミナーでも「医教連携」は珍しくなくなってきた。そして,保護者や当事者の参加も増えてきている。
2問われる教師の力量
このように連携が進む一方で,学校の状況はどうなっているか。残念ながら,一人ひとりの教師が,発達障がいに対応した指導ができるようになっているとはいえないのが現状だ。
「先生,ちょっと困っているんです」
勤務校ではないが,以前からセミナーや勉強会で知り合いだった保護者の方から電話がかかってきた。
息子のB君のことだ。
「先生,実は,この頃家で落ち着きがなくて。宿題も,やればいいやという感じで適当にやっているし,日記は,習った漢字も使わずにほとんどひらがなで書いているし…」
夜もちゃんと眠れなくて,何度となく起きるなど,家での様子が3月までと違うというのだ。
B君は4月から5年生になった。
高学年になると,委員会やクラブ活動,登校班など,いろいろと大事な役割を任せられる。新しい役割に対してのとまどいがあるなど,高学年になって不安が高まっているのかもしれない。
担任が替わったことも落ち着かない原因の一つだと思われる。
「実は,この間,授業参観に出かけたんですが,授業を見て愕然としました」
そこからは,その担任に対する不満が次から次へと出てきた。
・何でも許してもらえる状態。
・いろいろなところでの押さえが甘い。
・子どもたちは,どこまでだったら許してもらえるか様子を見ている。
・授業のテンポがゆるい。
・すきまだらけだから,子どもの集中力がきれる。
・もわーという空気。
・先生自身の不安さが伝わってくる。
・ルールをきちんと決めてほしい。
・具体的に伝えてほしい。
・今までできたことは落とさないようにしてほしい,等々。
前担任は,B君のことをよく理解し,うまく対応していたという。しかし,今年の担任は,どうもそうではない。かなり厳しい状況だ。
「ひどかった時の様子に似ていて,心配なんです」
保護者の切実な思いが伝わってきた。
私は,聞き役に徹していた。一方で,これが自分の学校だったらどうするかと考えていた。
「そうだったのですか」
「先生,どうしたらいいですか」
私は,やはり,今困っている状況を担任に知らせた方がいいとアドバイスした。
しかし,担任にうまく伝わるか。担任だけに任せていても改善できないかもしれない。やはり,こういう場合は学校体制で取り組むのが一番だ。
勤務校では,昨年,通常学級における特別支援教育について研修した。
LD等専門員の先生にお世話になって「特別支援教育の視点を生かした学級経営」というテーマで学んだ。
すべての子どもたちが安心して過ごせる学級集団づくりには,
○教師の児童理解
○認め合い支え合う人間関係づくり
○授業づくり
○支援体制づくり
が欠かせない。
教師の児童理解のためには,
・児童一人ひとりの特性を理解し,
・「認める」「ほめる」機会をふやすこと
が大切である。
本年度は,「教えてほめる」を本校の経営方針の一つにしている。学習場面だけでなく,いろいろな場面ですべての教職員に対して求めている。
しかし,そのようにしても,変わらない教師がいる。全体での研修で分かっているつもりでも,やってみるとできない。
研究授業など,実際に授業を公開し,具体的に指導を受けるしかない。
今こそ,一人ひとりの教師の力量アップが求められている。そのために管理職としてあらゆる策を講じて取り組んでいきたい。
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- 明治図書
- 対応術をアップする方法とは、とても興味あるし知りたい情報でした。明日から使える具体的な内容満載でした!ぜひ、多くの先生に読んで欲しいと思いました。2013/7/23つばさ