特別支援教育教え方教室 2011年9月号
30号 震災と発達障がい児の“心のケア”にどう取り組むか

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特別支援教育教え方教室 2011年9月号30号 震災と発達障がい児の“心のケア”にどう取り組むか

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ジャンル:
特別支援教育
刊行:
2011年8月17日
対象:
小・中・他
仕様:
B5判 112頁
状態:
絶版
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目次

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特集 震災と発達障がい児の“心のケア”にどう取り組むか
子どもが分かったという体験を授業の中でするのが教師の仕事
星野 裕二
PTSDに対する理解とケアの在り方
水野 正司
授業で子どもの「生きる気力」を高めながらの対応を
田村 治男
まず,子どもたちの身体と心を守る「あたたかさ」でつつむ
菅野 裕紀子
地震後の対応事例
佐々木 伸也
「いつもどおり」の中で長期戦を
佐藤 美果子
短期的・長期的なプランで心のケアを
藤澤 美紀子
「備えあれば憂いなし」考えられる準備をする
佐藤 学
分かる・できる・楽しい授業をする
森元 智博
教師が不安を見せずに,正しい情報を,正しい対応の中で教える
橋 薫
「心の調査」から,見えてきた日頃の対応・指導の大切さ
斎 久美子
楽しい,できる,分かる授業を行い,日々を淡々と過ごす
岡 拓真
誰にでもできて,効果があるのは「傾聴すること」である
大堀 真
早期に「学級ミーティング」を行い,感情を自分なりに表現させる
小野 一豊
日常を取り戻すための教師の使命 知的な授業と熱中する遊びが子どもたちを救う
根本 直樹
心のケアの3つの柱
大関 貴之
震災による子どもの心のダメージを「対応」で軽減させる
鈴木 正和
大地震でパニックを起こした子どもにどう対応したのか
鈴木 崇之
落ち着いた態度・対応で安心させる
渡辺 恵
「生涯最高の授業」と個別面談を,震災後の月曜日に実施
小松 和重
楽しい体験,笑いの出る授業を心がける
間嶋 祐樹
温かく包み込む雰囲気を大人たちがつくり続ける
山口 俊一
接し方の原点に帰り接する必要性がある
河村 要和
すぐに対応できた座席の位置と薬が飲めなかったときに有効だった授業
兼田 麻子
学校は“楽しいところ”“安心できるところ”であることを実感できるようにせよ!
富山 比呂志
楽しい授業を心がける
坂上 潤子
全体への配慮,そして個別の対応
柳 研二
具体的に子どもの心のケアを行うことが大切
川原 雅樹
「震災からの復興」を写真と記録で綴った,将来の見通しがもてるテキストの作成
許 鍾萬
ミニ特集 人間関係を壊さない“待遇表現”のイロハ
体感させ,教えてほめることが指導の原則
小野 隆行
「教えて→ほめる」でトレーニングする“待遇表現”
小嶋 悠紀
繰り返しの問答指導で,教えてほめる
大場 寿子
教材を使い,教えて,ほめる
赤塚 邦彦
なぜ「悪い」のか理由を教え,正しいスキルを身に付けさせる
加賀谷 晃子
写す活動を通して,A君の努力をほめていく
上木 信弘
「1特性だと認める,2行動のみ教え込む,3負けを受け入れる実践を積む」の3つの対応をする
野口 澄
同じ土俵に乗らないためには「抜く」「ずらす」対応をたくさん身に付ける
野 宏子
放課後の孤独な作業で子どもを見つめること
高杉 祐之
代わりの行動を教え,ほめる
松垣 和年
どんな姿も受け止めてくれるから,正しい言葉に変えようと思える
佐藤 紀子
グラビア
第9回 新生TOSS特別支援セミナーin東京 ほか
小野 隆行
ギフテッド もう一つの特別支援教育 (第6回)
発達障がい者の自伝から体験世界を理解し、具体的な教育方法を考える
五十嵐 勝義
写真で見る構造化 分かりやすい情報伝達の工夫 (第6回)
本当に「授業の準備ができない子ども」なのか
小嶋 悠紀
〜ちょっとした構造化が子どもを優しく支援する〜
教育の新課題と特別支援教育
怒鳴る教師は,子どもの心を破壊している
向山 洋一
巻頭言
TOSSの指導法が発達障がい児を救う
槇田 健
『教育』と『医療』の連携で特別支援教育を強化する (第5回)
真の連携とは連動しないことである
林 隆
『龍馬くんの訴え』から学ぶ発達障がい指導原則 (第1回)
脳の防衛反応による言動だと理解し「教えてほめる」
塩苅 有紀
発達障がいの子に有効な手作り教材 (第1回)
5玉(10玉)そろばんと合成分解そろばん
武井 恒
〜抽象的な数字に対して、具体的な教材を用いて指導することは有効である。モンテッソーリ理論を取り入れた自作教材で、視覚的イメージを意識する。〜
子どもに力をつけるTOSS教材教具
〈スーパーとびなわ〉スーパーとびなわは柄が長く重さがあるので回しやすい
梶田 俊彦
〈くるりんベルト〉ベルトを外した途端にできなくなることを防ぐポイント
岡 城治
〈五色名句百選かるた〉1回目から楽しい! 特性に応じて対応できる
奈良部 芙由子
〈おてほんくん〉ていねいさが身に付き,集中力が高まる
藤田 明子
若葉マーク必見―これだけは知っておこう 特別支援教育の基本用語 (第3回)
障がいのある子に対応した指導法や支援方法はどんなものがあるの?
富山 比呂志
【最新】特別支援教育―最新用語や最新情報 (第3回)
自閉症の治療に新たな可能性
河村 要和
〜オキシトシン(ホルモン)を使った治療法〜
“あの有名人”も実は〜 教室で読み聞かせ:元気が出る実話シリーズ (第5回)
トム・クルーズ
桑原 泰樹
〜自分の可能性を信じ,決してあきらめない〜
特別支援教育で学校は変わる (第15回)
教師としての『覚悟』は特別支援教育の中にあった!
小嶋 瑞紀
学級担任に必要な「特別支援教育の基本スキル」 (第3回)
発達障がい対応『21のスキル』がVer.UP!
平山 諭
〜《ループ処理型脳》《満足脳》《選択的注意》《作業興奮》《対話型授業》《チャンク数》がKey Wordだ!!〜
教育は格闘技だ―フリースクールの実践 (第20回)
保護者といい関係を築く
伊藤 寛晃
〜教師の連絡ミスをなくすことで良好な関係を築く〜
コーディネーターのお仕事拝見 (第9回)
スクールカウンセラーと連携する
伊藤 雅亮
誌上QAコーナー こんな時どうしますか
低刺激が特別支援教育のキーワード 面談・活動の切り替え・偏食への対応
間嶋 祐樹
特別支援学校・特別支援学級コーナー
コーナー担当
五十嵐 勝義
特別支援学校の実践
武井 恒
〜チャレランでレクリエーション〜
特別支援学級の実践
赤木 雅美
〜脳を活性化させるための授業の組み立て方〜
論文ランキング
29号/「龍馬くんの特集」が大好評! 教科や場面ごとの指導がよく分かった!
小野 隆行
読者のページ
29号の学びや感想
桑原 和彦
編集後記
桑原 和彦
TOSS特別支援教育イベント情報
桑原 和彦
どんな子でも熱中する教材はこれだ!!
ノーベル賞級の教材である『輪郭漢字カード』。先生方に研修で紹介したら興味津々でした。また,なぞることで丁寧な作業を身に付ける『おてほんくん』と『直写ノート』を紹介します。
桑原 和彦

巻頭言

TOSSの指導法が発達障がい児を救う

山口県長門市立油谷小学校 槇田健


TOSSの理念は,次の3つである。

・どの子も大切にされなければならない

・どんな子だって可能性をもっている

・一人の例外もなく


一番意識すべきは,3つ目の「一人の例外もなく」である。

これは,見た目ほど簡単ではない。

TOSS教師にとって,原点の実践が向山式跳び箱指導法である。

向山氏は,この指導法を確定するまでに5年の歳月を要したという。

数人の跳べない子のために,5年間も指導法を追い求め確立したのである。

これこそが,「一人の例外もなく」を具現化した実践例の典型である。

TOSSに参加する教師は,授業の中で,一人の例外もつくらずに「できるようにする」「分かるようにする」そして,「楽しい」と感じさせるために,指導法(授業技術)を身に付ける努力を重ねる。

TOSSの指導法とは,「授業の原則十か条」である。TOSS教師であれば,すぐに諳んじられなければならない。


1趣意説明の原則

2一時一事の原則

3簡明の原則

4全員の原則

5所時物の原則

6細分化の原則

7空白禁止の原則

8確認の原則

9個別評定の原則

10激励の原則


これを身に付ける(使いこなす)ために,サークルに参加し,模擬授業に挑戦する。何度も何度も挑戦し,授業で意識しながら実践し使いこなせるようになっていく。

TOSSの指導法を身に付けているかどうかの判断をどうするか。

私は,授業を見てその教師の「対応力」のうまさ(質的な高さ)で判断する。

子どものイレギュラーな発言や行動に対し,即座に対応できる能力である。

授業中のいけない行動を叱るのではなく,うまくかわして暗い雰囲気をつくらない対応力である。叱ってしまうとそこでリズムが狂ってしまう。授業の流れが止まる。それが普通である。TOSSの指導法を身に付けている教師は,そこをうまくさばくのである。

TOSS教師の見分け方を特別支援教育のセミナーで話したことがある。

まずは,他者評価項目から。

@笑顔で授業をしている。

A子どもたちから信頼され人気がある。

Bおしゃれのセンスがいい。

C大声で怒鳴らない。

D授業が延びない。

E本をよく読んでいる。

F帰りの会が早い。

G計算や漢字を宿題にしない。

H夢について語る。

I「分かる」より「できる」を優先する。


次に,自己評価項目。

@先輩や管理職からいじめにあうことが多い。

A教えてほめる授業をしている。

Bどんなことも子どもや親のせいにしない。

C子どもから学んでいる。

D自分は授業が下手だと思っている。

Eできない子,手の掛かる子をこそ大切にする。

Fプロ教師になろうと修業に励んでいる。

G教師は「技術屋」だと思っている。

H「怒る」と「叱る」を区別している。

I子どもや親の悪口を言わない。


山口県立大学の林隆ドクター(教授)は,次のように言う。

「TOSSの指導法は,IQに頼らない。IQの高い子も低い子もみんな同じようにできるし分かる。IQに頼る指導法は,IQの高い子はできるし分かる。IQの低い子は,できないし分からない。IQに頼る教師は,プロではない。素人でもできる。」

TOSSの指導法は,なぜIQに頼らないのか。

「一人の例外もなく」を意識しているからである。「一人の例外もなく」を意識すれば,IQに頼った授業などできるわけがない。

IQに頼った授業の典型は,算数の問題解決学習である。発達障がい児を例外として扱い,公開研究授業に参加させない教師もいた。

TOSSに参加している全ての教師が,TOSSの指導法を身に付け使いこなしているわけではない。まだ,道の途中で苦しみもがいている教師は大勢いるのだ。

でも,いずれTOSSの指導法を身に付けていく。それは,「一人の例外もなく」をTOSS教師は,一人の例外もなく意識しているからである。

特別支援教育を視野に入れない教師は,教師ではない。TOSSに参加する教師は,参加した時点で視野に入れた教育活動をし始めているのである。意識していないだけである。

「一人の例外もなく」を意識すれば,発達障がい児を意識せざるを得なくなる。

おのずと特別支援教育を視野に入れた教育活動をせざるを得なくなるのである。

TOSSの指導法が,広まれば広まるほど,支援を必要としている子どもたちの笑顔が生まれてくる。TOSSの指導法が,発達障がい児を救うのである。

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      明治図書
    • 震災は、教師として必ず取り上げなければならない大事件です。
      そして発達障がい児との関連。
      このような内容が,読める本は、ほとんどありません。
      今から読むのが楽しみです。
      2011/8/3つばさ

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