- 特集 国語をどう学んだらよいのですか?
- 国語の力としてどのように自ら学ぶ力を高めるか ―自主学習力をつける
- 相互に学び合う課題解決力を育てる
- /
- 子供が自ら学ぶ授業を考える
- /
- 自主学習力を育成する指導の工夫
- /
- 自ら学ぶための力をつける三つのポイント
- /
- 単位時間の展開―個人とグループの学習の位置付け方
- 小学校/物語文の朗読シナリオを作ろう
- /
- 小学校/グループでどう学んだらよいのですか?
- /
- 中学校/「個と協同」の学びの授業づくり
- /
- 読むことの領域における自主学習力
- 低学年/魅力的なモデル・明確な見通しが主体性を生む!
- /
- 中・高学年/目的をもって、自分の読み方を振り返る
- /
- 中学校/自ら学び、考える喜びを目指して
- /
- 中学校/生徒の疑問を皆で解決していく授業
- /
- 【コラム】教師はどのように国語力を高めたらよいか・小学校
- 書かない先生と書かされる子どもたち
- /
- 書くことの領域における自主学習力
- 低学年/自ら作り活用する
- /
- 中・高学年/問題意識をもって、書き方を自ら獲得していく
- /
- 中学校/古典の中に「今」を見つける文章を書く
- /
- 中学校/書き方を身につける学習指導
- /
- 【コラム】教師はどのように国語力を高めたらよいか・中学校
- 教師の国語力を高めるための方法例
- /
- 話すこと・聞くことの領域における自主学習力
- 低学年/年間を通して「話すこと・聞くこと」の自主学習力をつける
- /
- 中・高学年/「司会力」を鍛えて「自主学習力」につなげる
- /
- 中学校/自主学習力を育てる取り立て学習
- /
- 中学校/話合いの基盤をつくる
- /
- 子どもの心と言葉を豊かにする国語教室 (第14回)
- 自分の思いや考えを豊かに表現する子どもの育成
- /
- 〜秋田県潟上市立飯田川小学校〜
- 確かな国語力をつける実践資料の展開
- 低学年/伝える喜びを味わうために
- /
- 中学年/実の場で生きて働く国語力の育成
- /
- 高学年/目的をもって読み進め、効果的に表現する
- /
- 投稿=実践研究の広場
- 「事柄の順序」意識を持って書ける子に
- /
- 「筋道を立てて話す力」の育成をめざした学習指導
- /
- BOOK GUIDE 《この本がおもしろい》
- 『語りに学ぶコミュニケーション教育 上・下巻』(寺井正憲編著)
- /
- 『中学校「読解力」を鍛える説明文指導の新展開』(河野庸介編著)
- /
- 子どもが動く国語科指導のヒント (第2回)
- 主体的に学習するための「学習計画」
- /
- 中学校の国語を改革する (第2回)
- 実生活・実社会を学習の場に組み込む
- /
- 教師に必要な「言葉の力」を見直す (第2回)
- 語彙力
- /
- 子どもの言葉 (第14回)
- /
- 話す力・聞く力の基礎・基本 (第14回)
- 司会力(2)
- /
- 中学校国語科の授業 (第8回)
- 書くことの指導をどのように展開するか(8)
- /
- 「言葉の基礎」を育てる学習活動 (第2回)
- 進んで発表するために
- /
- 説明的文章の学習指導における新しい地平 (第8回)
- 批判的な読みの学習指導のコミュニケーション性を上げる
- /
- 国語力の向上―算数教育の視点から (第2回)
- 論理的に考えることと言葉
- /
- 実践/楽しく力が付く物語の授業 (第2回)
- 題名を手がかりにして本を検索する
- /
- エッセイ/教師として生きていく (第2回)
- 大事に育てていただいて
- /
- 編集後記
- /
- Keyword Index
編集後記
フィンランドが、読解リテラシーをはじめ科学リテラシー・数学リテラシー等において高学力を保証した理由の一つに、「自ら学ぶ力」を重視した学習指導要領の改訂があります。低学年には、学習に必要な基本技能を、その後は情報収集、データ処理、自主学習等の方法などを身に付けさせることが学習指導要領に示されています。創造的思考、問題解決力、自己表現力などを大切にしながら、「母語」の教科では、日本の「話すこと・聞くこと」の領域が「インターラクティブスキル」という領域で構成されており、相互に学ぶ方法が系統化されています。
イギリスでも、教科横断的な能力として、コミュニケーションや自己の学びの向上や問題解決能力などを重視しています。具体的な学習場面で両国に共通するのは、グループ学習の能力向上と授業における位置付けです。個人の学習とグループの学習を単位時間に相互に活用し、自ら活動したことを各自の知識や技能、創造的表現に結びつけています。
日本では、教師が課題を与えることが多く、しかもまとめの段階になると、結局教師が介入することが多いという現状にあります。一人一人が自主的に学習したり、自分の考えを記述する時間を軽視する傾向が強いのです。教師主導によって自らの考えを深めにくくしていることにもなっています。このようなことが、学ぶ意欲や自分の考えを記述する問題において無解答率が高いことなどと深く関連していると考えられます。
そこで、自ら学び、自ら解決していく「自主的な学習力」を単元構想や授業改善にどのように取り入れていけばよいのかについて考えるために「国語をどう学んだらよいのですか?」という特集を組むことにしました。国語の力として、課題を発見し解決する自主学習力をどのように高めればよいのか。一方、教師自身が指導内容をどのように系統化すればよいのか、また実際の場面での指導に役立つ自分の国語力向上をどのように研修すればよいのかという意味を込めてこのようなテーマにしています。最初にこのような課題の展望、次に単位時間でのグループ学習の位置付け、そして実践例は、3領域における自主学習力の育成について、という内容で構成しました。
(井上一郎)
-
- 明治図書