- 特集 子どもに「深い読み取り力」がつく発問・指示
- 「深い読み取り」を生み出す発問・指示
- あくまでも文章を根拠に!「繰り返される言葉」で検討する「クライマックス」と「物語の構造」
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- 物語教材「登場人物の行動」の「深い読み取り」を促す発問・指示
- 登場人物から主題へ導く発問例
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- 物語教材「登場人物の心情」の「深い読み取り」を促す発問・指示
- 文章の検討を促す発問を創りだす「型」が存在する
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- 物語教材「場面の様子」の「深い読み取り」を促す発問・指示
- 長文物語を読み取る「コード」を教える〜六年「きつねの窓」を分析批評で読み取る〜
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- 物語教材「物語の主題」の「深い読み取り」を促す発問・指示
- 主題の前の指導が読み取りの深さを左右する
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- 説明文教材の「深い読み取り」を促す発問・指示
- 文章全体の構造を問う発問と要約につきる
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- 詩の教材の「深い読み取り」を促す発問・指示
- 文中の言葉に着目せざるを得ない発問をすることで、読み取りが深まる
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- 討論的授業指導において「深い読み取り」を促す発問・指示
- 討論授業の最高峰、向山実践「やまなし」の指示と発問を再現し分析する
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- 音読指導での「深い読み取り」を促す発問・指示
- 俳句の区切り目を問い、意味の違いを考えさせる
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- 漢字指導での「深い読み取り」を促す発問・指示
- 漢字文化の授業で「漢字を読み取るコード」を身につける
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- 伝統的言語文化の指導での「深い読み取り」を促す発問・指示
- 「対比」を使い、「自分との関係」を考えさせる
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- 言語活動での「深い読み取り」を促す発問・指示
- これまでの学習の蓄積が言語活動に生きてくる
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- 特別支援の視点での「深い読み取り」を促す発問・指示
- TOSSメモはワーキングメモリを補い、思考を可視化する
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- 記述テストの作文力をつける発問・指示
- あかねこ中学読解スキルを使って、答えを作る力を鍛える
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- ミニ特集 学年末を総括する“分析批評の授業”
- 一年生:休み時間にもあちこちで討論が続いた発問〜「たぬきの糸車」(光村図書)〜
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- 二年生:「スーホの白い馬」主役・対役をクライマックスと合わせて考える
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- 三年生:向山実践「モチモチの木」を追試する
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- 四年生:「初雪のふる日」色の対比から主題に迫る
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- 五年生:分析批評と評論文をセットで考える〜評論文を書くことを最終目的とする〜
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- 六年生:最後は、討論で締めくくる〜クライマックス・ピナクルの検討で討論〜
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- 中学生:近代文学の冒頭文で、「視点」を指導する
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- 高校生:なのでの観点・だからの観点
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- 向国ライブあの体験で教室の実践が変わった
- 超有名な向山実践に向山一門でさえも我流がある
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- 授業の質の高め方を示してくれるのがライブである
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- 私のクラスでウケた保護者参観授業 (第12回)
- 特別な練習なしで、最後の参観日を盛り上げる
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- 初心者歓迎 第58回向山型国語教え方教室IN名古屋
- 大好評!「1時間の授業をどのように組み立てるか」
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- 巻頭コラム
- MBAに通う兄から絶賛されたTOSSの討論の授業
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- 巻頭論文
- 「見える」ようになる発問・指示は、スキルとして子どもに身に付く
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- 谷和樹の「本気で学ぶ国語学」 (第12回)
- TOSSメモを活用した知的生産技術の実例「授業づくり」にTOSSメモをどう活用するかA
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- 名取セミナーで明らかになった,文字化されていない向山実践の勘所 (第6回)
- 「空白の四日間」の出来事は、その後の学級や各自の人生にどんな影響を与えたのか?
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- 教科書難教材をだれでも追試できるように料理する (第6回)
- 難教材を攻略する力を付ける方法
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- 〜読む、書く、話すの三つの力を伸ばそう〜
- 新教科書にたくさん登場した伝統的言語文化の授業づくり (第12回)
- 参観日にこそ知的な伝統文化授業
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- 変化のある繰り返しで行う音読指導から暗唱へ
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- 〜読み取りを入れることで読みに変化が起きる〜
- TOSS教材ユースウェア☆ライブでやっとわかったポイント (第12回)
- 「漢字スキル開始の指示」と「空書きのスピード」で、教室の空気が変わった
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- 向山先生の五色百人一首の詠み方が、我流の読み方にメスを入れる
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- 向山型国語に挑戦/論文審査 (第76回)
- 辞書にのってないからこそ、こだわる
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- 想定外の角度から切り込む教材研究の仕方を教えます (第6回)
- 和歌・俳句から富士山の姿を見る
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- クラスで一番できない子ができるようになった向国ドラマ (第12回)
- 目立たない子たちが、ヒーローになる
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- 個別評定でスピーチが激変!
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- 発達障がい児対応のプロが見た! ビギナー教師の失敗所クリニック (第6回)
- 不登校の生徒への登校刺激
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- 〜慎重に、簡明に、登校刺激を行う〜
- 「子どもが作った問題」で組み立てる向国の授業 (第12回)
- 「やまなし」を子どもが作った問題で組み立てる
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- 向山実践を読み解く
- 子どもがノートに書いたことから授業を組み立てる
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- 〜「海雀」の授業G 1986年6月 大田区立雪谷小学校5年1組〜
- 分析批評ビギナーズ (第12回)
- 「対比」で授業はこう変わる
- 対比を使って主題に迫る
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- 「対比」の理由が「へりくつ」になると論理的思考が高まる
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- 発達障がいの子どもをしなやかに包み込む女教師の向国授業 (第6回)
- 発達障がいの子どもも大活躍する授業で、保護者の信頼を得る
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- 向山型国語で生み出す「中学生の事実」
- まずは教師がコードを駆使しよう
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- 「4コマまんが作文」ならどの子も楽しく書ける (第12回)
- 「詳しい説明文」の書き方指導A
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- 〜「4コマまんが」「わくわくずかん」を使って〜
- 今月の授業をこれで乗り切る!新教材授業全発問全指示 (第6回)
- 年間漢字総まとめテスト平均九十点のシステム
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- あなたの実践のここを直せば指名なし討論を実現できる (第6回)
- 空白禁止の原則を身に付けさせるA
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- 発達障がい児の読み書きのつまずきをこの方法で乗り越えさせる (第6回)
- テストに取り組むことのできない子への指導
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- 読者のページ
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- 編集後記
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- 向山型国語最新情報
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- 向山型国語に挑戦/指定教材 (第78回)
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巻頭コラム MBAに通う兄から絶賛されたTOSSの討論の授業
本誌編集長/向山 洋一
TOSSの授業は、それなりの人が見れば分る。次の報告があった。
□MBAに通う兄がTOSSの討論を絶賛!
私の兄は現在、ヨーロッパのMBA(経営学修士)に通っている。
この夏、兄は夏休みで帰国し、今日三年ぶりに実家で再会した。(留学前はNY支局にいたため)
そんな兄にMBAで行われている討論について聞いてみた。
さすがにすごい。
そして、私はTOSSで行われている討論の話をした。
・子ども達だけで討論が進むシステムがあること。
・子ども達が全員、司会言葉を使えること。
「話題を変えていいですか?」「話がそれています」「これについて〜〜さんはどう考えますか?」「人数分布を聞きます」……
・何十ページにもわたり、評論文を書くこと。
これらについて兄は「信じられない!」と絶賛していた。
「MBAでは自分の主張ばかりで話題がつながらないことの方が多い」
「子どもが話題をつなげるのか?」
「話題がそれてると、それを指摘できる子がいるのか?」とまで言っていた。
「今の日本ではそういう授業が主流なのか?」と聞かれたので次のように答えた。
「まだまだ一部の学級だけだが、確実に広まってはいる。さらに様々な一流の教師が全国で講師をされているし、またこうした授業を公開され、授業方法が伝えられ、それらを学ぶ教師には確実に広がっている」
すると兄はこう言った。
■そのようなスタイルが今後、というか今絶対に必要なんだ!
■欧米ではこういうスタイルが昔から一般的だ。
■小さいころから鍛えられている欧米人と戦うには日本人は完全に負けている。当たり前だ。
■MBAでさえ教授がしきっている。子ども達だけで進む討論があるとは信じられない。一度見てみたいものだ。
最後にこう言っていた。
■ぜひ広まってほしいし、おそらく十年以内にそのスタイルは間違いなく日本の主流になるはずだよ。いや、そうならなければいけない。
この言葉が特に心に残った。
私は向山先生の分析批評、そして討論の授業に強く憧れている。
そして、向山先生から学び、実践されている向山一門の先生方の授業に強く憧れている。
今後も真摯に研究し続け、私自身が指導力をつけ、子ども達に世界で活躍できる力をつけていきたいと強く強く心に思った。□
研究授業の時に、大きな模造紙に教材などを書いて貼り出す人がいる。俗悪、最低の行為だ。そんなこととは、きっぱり別れるのだ。かつて、私は、次のように書いた。
教師になった時、研究授業の際、教室のまわり、廊下に何枚もの模造紙を貼っている先生がいた。
これは何だ。「模造紙お化け」は、小学生が作ってさえ恥ずかしいものなのだ。
それを、教師がやっていることにびっくりしたのだ。知性の欠如まる出しである。
「模造紙お化け」の研究授業など、教育界の恥であると私は思っている。
大切なのは「授業」なのだ。
「授業の中で、子どもがどう変化したのか」ということなのだ。
当然「すべての子ども」の変化である。
算数の研究授業などで、半数以上の子が「分らない」「つっぷしている」状態が見られるが、教師は一体、何を考えているのだろうと思う。
発表している子も、ほとんどは塾などで習ったことを言っているだけなのだ。
これで「考える力をつける」のだという。
冗談じゃない。
人類の八割は「自分で考えることをしない」で、一生を送るという。
この授業は、それの典型だ。
他人の頭が考えたことを、なぞっているだけだ。自分で考えられない教師が「子どもに考える力をつける」授業ができるわけがないのである。
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- 明治図書