国語教育 2021年6月号
教材研究からICT活用まで 文学の授業“Reデザイン”

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国語教育 2021年6月号教材研究からICT活用まで 文学の授業“Reデザイン”

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ジャンル:
国語
刊行:
2021年5月6日
対象:
小・中・高
仕様:
A5判 130頁
状態:
絶版
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目次

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特集 教材研究からICT活用まで 文学の授業“Reデザイン”
【提言】文学の授業をいかに“Reデザイン”するか
文学の授業の可能性と求められる“Reデザイン”
自分とは異なる誰かの思考構造と関わる
山元 隆春
文学の授業“Reデザイン”のための2つの視点
「言葉による見方・考え方」と「学習過程と言語活動」
松本 修
5つのアプローチで考える 文学の授業“Reデザイン”
小学校
[教材研究]教材研究の「これまで」と「これから」
沼田 拓弥
[問い]〈解釈〉の交流が必然性のある〈問い〉を生み出す
野中 太一
[言語活動]単元の目標実現にぴったりの言語活動を一工夫する
大庭 珠枝
[交流]主体的な交流を生む目的の明確化
澤田 仁志
[ICT・アイテム活用]ICTで“つながる”文学の学び
中野 裕己
中学校
[教材研究]作品の価値を指導事項と評価に結び付け,「教材」にする
三浦 直行
[問い]「語り手」から生まれる問い
丸山 義則
[言語活動]学習者相互の共有で得る意義ある学びの実感
中山 莉麻
[交流]「走れメロス」を例にした交流活動の在り方
坂爪 新太郎
[ICT・アイテム活用]作品世界への没入を誘う装置
松永 和也
教材別でみる 文学の授業“Reデザイン”
小学校
[たぬきの糸車](光村図書・1年)交流環境からアプローチ
橋本 祐樹
[スイミー](光村図書・2年)劇化で読みを可視化し,根拠を交流する中で,深い学びを創る
山本 侑子
[モチモチの木](光村図書ほか・3年)みんなで謎解き! 考え(解釈)を形成して,物語のよさを表現しよう
安達 真理子
[ごんぎつね](東京書籍ほか・4年)つけたい力と学習者の問い
日野 朋子
[大造じいさんとガン](光村図書ほか・5年)椋鳩十作品の描写のおもしろさを伝え合う
小川 智勢子
[やまなし](光村図書・6年)「やまなし」の世界を再現しよう
成家 雅史
中学校
[少年の日の思い出](光村図書ほか・1年)文学教材の価値を生徒に届けるには
石見 健二郎
[走れメロス](光村図書ほか・2年))語りに着目した“Reデザイン”
井上 功太郎
[故郷](光村図書ほか・3年)〔知識及び技能〕の明確化を中心として
小阪 昌子
GIGAスクール時代の国語授業づくり (第3回)
1人1台端末時代の国語授業づくり
佐藤 幸江
学びの本質に迫る 国語科のパフォーマンス課題と評価 (第3回)
教材研究とのつながり
山本 はるか
教科書教材で実践! 今月の板書&発問講座 (第3回)
小学1年/「おおきなかぶ」(光村図書)
岩崎 直哉
小学2年/「スイミー」(光村図書)
宍戸 寛昌
小学3年/「まいごのかぎ」(光村図書)
藤井 大助
小学4年/「一つの花」(光村図書)
山本 真司
小学5年/「文の組み立てをとらえよう」(光村図書)
小林 康宏
小学6年/「川とノリオ」(教育出版)
長屋 樹廣
中学1年/「ダイコンは大きな根?」(光村図書)
人見 誠
中学2年/「クマゼミ増加の原因を探る」(光村図書)
上田 浩嗣
中学3年/「絶滅の意味」(東京書籍)
菅原 和朗
青木伸生の国語授業指導スキル大全 (第3回)
授業の導入の工夫スキル
青木 伸生
野口芳宏の国語授業四方山ばなし (第15回)
漢字指導のあり方を考える(下)
野口 芳宏
〜「書字力」の形成私論〜
国語教育の実践情報 (第63回)
小学校/国立教育政策研究所教育課程研究指定校事業研究協議会 小学校国語四万十市立中村小学校
大塚 健太郎
中学校/教育課程実践研究協力校の取組の紹介等
杉本 直美
わが県の国語ソムリエ (第109回)
福岡県
山元 悦子
編集後記
大江 文武
今月号 掲載教材一覧

編集後記

 「小学校の国語の教科書に載っていた文章の中で,特に印象に残っているのは?」と問われれば,皆さんは何を挙げるでしょうか。私は,「モチモチの木」を挙げます。「モチモチの木」には,「じさま」「せっちん」「しょんべん」「半道」など,小学3年生には馴染みのない言葉がたくさん登場します。また,「ふもとの村まで医者様を(はだしで)呼びに走る」という豆太の行動も,現代の子供には実感をもってイメージしづらいものがあります。しかしそれでも,なぜか心を捉える魅力がこの作品にはあったのでしょう。滝平二郎氏の切り絵も非常に印象深く,休み時間を使って,本文と一緒にノートへ全て書き写した記憶があります。

 そんな「モチモチの木」は,令和2年度版の小学校国語教科書でも,いまだ全社で掲載され続けています。それだけでなく,長年にわたり教科書に掲載されてきた文学教材の多くが,最新版の教科書でも,引き続き採録されています。こうした文学の「定番教材」は,それだけ多くの人の心を引きつけるとともに,何より,国語の教材としての価値が長く認められているということでもあります。

 では,「教材が変わらない」ことは「授業が変わらない」ことを指しているのかというと,勿論そうではありません。扱う教材が同じでも,“これから”を生きる目の前の子供たちに,確かな資質・能力を育む授業となるよう,教材研究や発問・言語活動の構想,交流やふり返りといった学習場面の設計等の見直しを,必要に応じて進めていくことが求められます。また,GIGAスクール構想のもとで1人1台端末の活用が進めば,45分・50分という授業時間の使い方や,話合い,考えの共有といった学習形態の在り方にもメスを入れる余地が生まれていきそうです。

 そこで本号では,「文学の授業“Reデザイン”」を特集し,多種多様な視点からの“Reデザイン”へのアプローチ,授業事例をお寄せいただきました。「授業改善」という言葉もありますが,今号ではあえて,“Reデザイン”(Re design)という言葉を用いました。“Reデザイン”とは「再設計」,すなわち,一度は完成されたデザインを再び見直し,最適化を図ることを意味します。先生方が何度も扱ってこられた定番教材,何度も繰り返し読みを形成してきた文学教材であるからこそ,常に授業を“Reデザイン”していく視点を持つことが大切なのではと感じています。


   /大江 文武

    • この商品は皆様からのご感想・ご意見を募集中です

      明治図書
    • 文学の授業のあり方について考えることができる良い特集であったと思う。山元隆春先生や松本修先生の論考は大変勉強になった。
      2022/4/1320代・中学校教員
    • これからの文学の授業について、これまでとの違いをどのように考えていけばよいのか。用語に振りまわされないようにしたい。
      2021/11/1330代・小学校教員
    • ベテランと呼ばれる層には、新学習指導要領のもとで改めて教材をどのように授業構築するかのヒントになると思います。
      2021/6/2750代・中学校管理職
    • 今まで行ってきた授業をふりかえることができた。一つの教材でもいろんな指導の仕方があることで見方が変わった。
      2021/6/1240代・中学校教員

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